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 芥川賞作家・中村文則の小説を、『脳男』や『グラスホッパー』などの瀧本智行監督で映画化した『去年の冬、きみと別れ』(3月10日公開)。本作で、婚約者との結婚を控えた新進気鋭の記者・耶雲恭介を演じたのは、「EXILE」「三代目J Soul Brothers」の岩田剛典。過去にも『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』などのヒット作で主演を務めた経験があるが「撮影中は監督が夢に出てきた」というほど作品にのめり込んだという。そんな岩田が、撮影エピソードや俳優としての自身について語った。

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岩田剛典 主演映画『去年の冬、きみと別れ』(3月10日公開)
(C)2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会


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■撮影中は他の仕事をセーブして臨んだ

――非常に重厚な原作の映像化ですが、出来上がった作品を見た感想は?

岩田: 主演という立場で撮影現場を経験させていただき、ワンシーンワンシーン、そのときの感情を思い起こしてしまい、正直客観的に見ることが難しかったです。初号試写が終わったとき、関係者の方々から「良かった、感動した」という声をいただきホッとしました。

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岩田剛典 主演映画『去年の冬、きみと別れ』(3月10日公開)
(C)2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会


――「ホッとした」ということでしたが、撮影前からかなりのプレッシャーを感じていたとお聞きしました。


岩田: 撮影中は、瀧本監督に怒られたり指示を受けたりしているシーンが夢にも出てきました(笑)。この作品の撮影期間中は、他の仕事をセーブしていたので、役に入りやすい環境でしたが、脚本を読んだときから、気合を入れて覚悟を決めないと演じ切れないと思っていたので、プレッシャーはありました。でもこうした作品に熱量をもって臨めたことは、自分にとって、とても大きな経験になりました。

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岩田剛典 主演映画『去年の冬、きみと別れ』(3月10日公開)
(C)2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会


――ミステリー作品として非常に難しい役柄でしたが、どのように向き合ったのでしょうか?

岩田: 結末がわかったうえで、どう逆算してシーンを組み立てていくかという意味では、演者としてだけではなく、監督やプロデューサーなど、いろいろな視点で作品を俯瞰(ふかん)して向き合いました。精神的にかなり追い詰められる役はこれまで体験したことがなかったので、私生活でも多少なりとも役柄を引きずりました。撮影期間中は、ほとんど人には会っておらず、現場と家の行き来だけでした。

■「俺たちは一蓮托生」という言葉に救われた!

――瀧本組はいかがでしたか?

岩田: 通常なら自分の考えてきた芝居と監督の考えをディスカッションして演じていくと思うのですが、瀧本監督の頭のなかには、はっきりとしたプランがあるので、監督が求めている絵に対して、どうやって演技プランを近づけていくかということが求められる現場でした。そういった部分の勘が良くなった気がします。

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岩田剛典 主演映画『去年の冬、きみと別れ』(3月10日公開)
(C)2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会


――細かいディレクションのもとでの撮影はいかがでしたか?

岩田: 自分の芝居に対して、いろいろ言われても落ち込んだりしません。明確なディレクションのもとで芝居をすることで新しい発見が多かったと思っているので、またご一緒したいです。

――印象に残ったことはありましたか?

岩田: 撮影に入って20日ぐらいたったとき、スタッフさんと監督、プロデューサーと僕で食事に行ったのですが、そのとき、僕がかなり気負っているのを感じていたようで、瀧本監督から「俺たちは一蓮托生だから。岩田くんも絶対失敗できないとか、プレッシャーを抱えているかもしれないけれど、俺たちも同じ気持ちだから」と言ってくださったのは記憶に残っています。その言葉ですごく救われたのを覚えています。

■猟奇的で怪しい斎藤工の怪演

――劇中、写真家・木原坂雄大演じる斎藤工さんと対峙(たいじ)するシーンが多かったですが、いかがでしたか?

岩田: 役柄の関係性があるので、現場ではほとんど会話をすることはありませんでした。もともと工さんとは以前から交流があったのですが、普段とはまったく違う佇(たたず)まいで、木原坂という役になりきっていて、なにを考えているかわからない猟奇的な怪しさがありました。そのおかげで僕もすごく役に入りやすかったです。

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『去年の冬、きみと別れ』(3月10日公開)
(C)2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会


――クライマックスシーンは特にすごかったです。

岩田: 毛細血管が血走っているような顔にしたかったので、役作りとして寝ないで現場に入りました。自分にやれることはやって現場に入りたかった。ありきたりな言葉ですが、俳優として新しい一面、第一歩を踏み出せたような感じがしました。

――魂を込めた撮影。クランクアップしたあとはどんなお気持ちでしたか?

岩田: 長く暗いトンネルを抜けた感じがありました。ここまでの解放感は初めての経験でしたね。連続ドラマの撮影の方が物理的には長いのですが、この作品の方が長く感じました。それだけ濃い撮影だったのだと思います。

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『去年の冬、きみと別れ』(3月10日公開)
(C)2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会


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「すべての人がこの罠にハマる......」。
「教団X」の原作者による、猟奇殺人の容疑者 vs スクープを狙う記者の予測不能の純愛サスペンス。岩田剛典を主演に、山本美月 斎藤工 浅見れいな 土村芳 北村一輝が出演。
『去年の冬、きみと別れ』は3月10日公開。

(取材・文:磯部正和)
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岩田剛典(いわた・たかのり)
1989年3月6日生まれ、愛知県出身。EXILE / 三代目J Soul Brothersのパフォーマー。グループでの活動のほか、俳優としても数々の作品に出演。2016年公開の映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』では第40回日本アカデミー賞新人俳優賞・話題賞を受賞するほか、数々の映画賞で高い評価を受けた。
2018年には出演した河瀬直美監督作「Vision」が6月8日に、杉咲花とダブル主演を務める「パーフェクトワールド」が10月5日に公開されるほか、民放連ドラ初主演作「崖っぷちホテル!」の放送が日本テレビ系列にて4月にスタートする。
※河瀬直美さんの「瀬」の字は旧字体。

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