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Hey!Say!JUMP・山田涼介主演の連続ドラマ『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』。
冬クール・ドラマの中では平均視聴率4位。日テレ土ドラの過去3年12本と比べても、『怪盗 山猫』に次ぐ2位と大健闘だった。
最終回放送直後のSNSでは、「まさかもみ消して冬で泣くとは...」「こんなコメディでこんなに泣くとは思わなかった」「コメディでこんなに号泣したドラマ初めてかも」など、感動したというコメントがいくつも見られた。笑いと感動が同居する、バラエティ・ドラマ路線を開拓する日テレらしい、新しい領域が開拓されたドラマだったといえよう。

サムネイル

『もみ消して冬』満足度と接触者数


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■アイデアの勝利

同ドラマは日テレ土ドラ枠としては珍しく、初回から4話まで11%以上を維持した。明らかに設定と着想の勝利だった。
"馬鹿馬鹿しくも美しすぎる家族愛"をテーマに掲げた。兄弟三人は全員東大卒のエリート。長男が天才肌の心臓外科医の博文(小澤征悦)、長女は司法試験を首席合格した弁護士の知晶(波留)、そして主人公の次男は警視庁エリート警察官の秀作(山田涼介)。
そして三兄弟を育てた父・泰蔵(中村梅雀)は、難関私立中学・下沢学園の理事長と来た。

ところが一家は、毎回毎回奇想天外なトラブルに巻き込まれる。そしてあり得ない方法で解決しようとし、想定外の決着をする。毎回、秘密の家族会議が執り行われ、そこで法律や常識より、「家族の幸せ」が優先されてしまう。
しかも主人公はエリート感が若干足りない末っ子で、兄や姉にコンプレックスを抱いている。その秀作の独白や変顔が大いに笑いを誘った。
さらに警視庁エリート警察官であるため、問題解決の手法に対して職業倫理的に葛藤もする。その揚げ句にあっと驚く行動に出、しかも想像を超える解決をし、その一連の出来事を通じて人間的な成長を遂げる展開となっている。
愉快痛快な"どコメディ"ホームドラマで攻めたところが新しかったが、単に笑えるだけでなく、じわじわ感動できる仕立てにした点が、重要な付加価値だったといえよう。

■満足度

データニュース社「テレビウォッチャー」が調べる満足度で見ると、最終回前までの平均満足度は3.69。ドラマの平均は3.6~3.7なので、平凡な数字に見える。しかし本格派ドラマではなく、コメディ路線でこの数字をとっているのは大健闘だろう。
もう1点、性・年層別の満足度と接触者数をみると、面白い事実に気づく。まず通常のドラマでは、視聴者の最大派閥となるF3(女50歳以上)が必ずしも多くない点だ。代わりにF1(女20~34歳)がかなり多い。また満足度では、F1とM1(男20~34歳)がそれぞれ4.10と4.08と極端に高く、2層3層になるに従って低くなっている点が特徴的だ。若者に支持されたドラマだったのである。

「笑えます」女21歳(満足度5)
「ほんといい意味で馬鹿げていて面白い、最高(笑)」女24歳(満足度5)
「キャラクターの個性が強く誇張されており、コメディチックで楽しかった」男31歳(満足度4)
"どコメディ"ホームドラマという制作陣の狙いは、しっかり評価されていた。ただし、面白いだけではない。

「面白かったし感動した」女28歳(満足度4)
「ステキな家族愛に感動した」女27歳(満足度5)
「面白くもあり感動もするドラマ」女22歳(満足度3)
かつて泣き笑いの妙で大ヒットした映画『蒲田行進曲』(1982年)のように、笑いと感動の間をジェットコースターのように行き来する点が、今の若者にも通用したようだ。

「このドラマは何だか不思議な魅力のあるドラマだ。出演者が全部役にハマっている」女73歳(満足度5)
「見いってしまった」男43歳(満足度5)
「なんだかんだ、家族はちゃんと想っててくれてるのが伝わって良かった」女39歳(満足度5)
もちろん、2層(男女35~49歳)や3層(男女50歳以上)にも、良さを見抜く眼力を持つ視聴者はいた。ところが「よく分からない」「内容が面白くないので途中で見るのをやめた」など、理解できずに低評価を下したり、途中で脱落した視聴者は中高年に多い。
今や50歳以上は視聴者層の半分近くを占める。その層に訴求できず若年層の心をとらえて、まずまずの視聴率をとった辺りは大健闘だったと評価すべきだろう。

■最終回

秀作(山田涼介)と吉田邦夫(加藤諒)の入れ変わり生活が続く中、またもや北沢家にもみ消しが必要な事件が起こった。
楠木(千葉雄大)からそのことを知らされた秀作は、もう北沢家の人間ではないからと聞き流すが、あることに気づき、"キタザワズ・プライド"にかけて立ち上がった。ところが、思わぬ展開となり、北沢家の運命と未来を変える衝撃の結末へと事態は転がって行ってしまった。

ストーリー展開自体は、必ずしもハッピーエンドではない。ところが冒頭のSNSで紹介したように、多くの視聴者が泣き、そして感動した。笑いと感動の間をジェットコースターのように行き来してきた物語が、最後に多くの期待を裏切りつつも、見事に着地した。
大上段に構えたり、本格派の剛速球ドラマではなかったが、読後感が爽やかな名作だったと言えよう。

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文責・次世代メディア研究所

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