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「誰しも自分自身に課しているルールがある」というコメントで始まる関西テレビ『セブンルール』。"ルールが人生を映し出す"をキャッチコピーに、さまざまな分野でキャリアを輝かせている女性を紹介する番組だ。
今回の主人公は、有名人の依頼も手掛けるリーバイスストアのマスターテーラー・山本美緒(33歳)。「止められなければ永遠に針仕事をしていられる」という職人気質な彼女の「セブンルール」に迫った。

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Vanessa Heshiki carries a shopping bag after a purchase at the Levi's retail store in San Francisco.(写真:ロイター/アフロ)


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■日本初のマスターテーラー

リーバイ・ストラウス社は、110カ国以上で約5万店舗を展開する、世界で最も売れているジーンズブランドだ。中でもジーンズファンから熱狂的な支持を集めているのがテーラーショップ。
既製のリーバイス製品を自由にカスタマイズできる店だ。サイズ調整はもとより、ダメージ加工・刺繍(ししゅう)・ペンキ・ステッチ(縫い方)・ワッペンなど、10種類以上のメニューから自分のイメージで、世界で一つだけのオリジナルな服を作れる。
世界で4店舗(ニューヨーク・サンフランシスコ・ロンドン・パリ)しか存在しなかったが、5年前に5店舗目のテーラーショップが東京に誕生した。そこで日本初のマスターテーラーとなったのが山本だ。
客のイメージを最大限汲(く)み取り、実現させるカスタマイズ技術で瞬く間に人気を集め、シシド・カフカ、渡辺直美、ANARCHYなど数多くの著名人が依頼に訪れるようになっている。

■意外なルール

祖母の影響で幼い頃から縫い物が好きだった山本は、18歳で上京して専門学校に入った。しかし学校では落ちこぼれ、卒業後も希望の職に就けない時期が長く続いた。25歳の時にフリーターをしながら古着屋で修行を始め、腕に磨きをかけていたところ、28歳の時にリーバイス関係者の知人の目に留まり、現職に就いた。

1時間ほどをかけて顧客の要望を聞くが、職業・人柄を知ることで最適なカスタマイズができるという。ところがプライベートをあまり知られたくない人もいるので、「根堀り葉堀り聞かない」をルール1にしている。
それでも些細(ささい)な情報から顧客の実像を掴(つか)み、満足してもらえるカスタマイズを心掛けている。例えば履いてきたパンツの裾に髪の毛があるのを見つけ、美容師と見抜き、仕事でも使えるような動きやすいカスタマイズを提案する。

■職人ならではのルール

職人ならではと思わせるのが以下のルールだ。

「ミシンをリスペクトする」
「2つのことは同時にしない」
「どんなに遅くても夫婦揃(そろ)って夕飯を食べる」
「休日はデニムを着ない」
「納得いく糸でしか縫わない」
「針と糸と棺桶(かんおけ)に」

それぞれ「なるほど!」と思える背景・考え方・エピソードが伴っている。
不器用で失敗ばかりだったが、それでも好きなことを続けてきた結果のマスターテーラー。そこから紡ぎだされたルールは、世界に一つだけのデニムを作る職人の、世界に一人だけのルールと感心させられる。

■奥行あるスタジオトーク

同番組は、主人公のドキュメントVTRを受けて、スタジオで俳優の青木祟高・タレントのYOU・劇作家の本谷有希子・芸人の若林正恭がトークする。この不揃(ふぞろ)いな4人が、時にとんでもない化学反応を見せるのも醍醐味(だいごみ)になっている。

例えばVTRの中で山本は、1時間相談した結果「やっぱり(カスタマイズ)やめますと言われるのも結構うれしい」と語っていた。
これを受けて青木は、「糸へのこだわりを見るとアーティスト的」「でもお客のオーダーの中で答えるというのも、偶に"いや、こっちの方がいいのになあ"って」と仕事の難しさを語った。
すると本谷は、「どんどんダサくなっているオーダーが入ったら、どうするんだろう」と受ける。
YOUはあっさり「あると思うよ」と返す。
再び本谷は、「ダサい人を誘導して行って、混乱させにさせて、"やっぱりやめます"と持って行けた時に、"良し"って」感じているんじゃないかと率直な感想を開陳させた。

VTRを見た際の率直すぎる感想が、結果としてマスターテーラーという存在に奥行を与えている。
社会進出が進み、さまざまな職業に女性が挑戦するようになった現代。女性の多様なロールモデルを見せる同番組は、等身大の主人公を視聴者と等身大のレギュラーが感想を述べることで、納得性の高いドキュメンタリーになっている。「これからどんな職に就こうか」「どんな人間になろうか」迷っている若者には最適な番組と言えよう。

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文・次世代メディア研究所

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