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「警視庁・捜査一課長」のseason3が好発進した。
木曜の夜8時放送というアットホームな時間帯で、初回は2時間拡大スペシャルだった。視聴率は12.7%、4月2週目まででは、「特捜9」に次いで2番目の好記録である。

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October 27 2014 : Tokyo, Japan : Yumi Adachi at TOHO CINEMAS in Roppongi (Photo by Rodrigo Reyes Marin/AFLO) 写真:アフロ


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■「小さな巨人」との比較

捜査一課長とは、"たたき上げ"の刑事が、実力と経験で狭き門をくぐり抜け成り上がる、刑事事件解決のカギを握る警視庁では重要なポストだ。
主演は内藤剛志が務める。3シーズン目に入り大岩純一役は板につき、「ホシを上げる!」の檄(げき)で捜査員が全員動き始めるシーンは、すっかりお馴染(なじ)みとなった。
「捜査一課長」を主軸としたドラマでは、昨春のTBS日曜劇場「小さな巨人」もあるが、同じ捜査一課長でもキャラクターの異なる2人を比べるのも面白い。
香川照之が演じた小野田は、気性が激しくメリメリとしたパワーと聡明(そうめい)な右脳と左脳を駆使し部下を自由自在に操っていた。いっぽう内藤剛志が演じる大岩純一は、冷静で思慮深く物事を進めていく。そして何より、事件を解決するまで絶対にあきらめない執念深さは、穏やかで冷静に見える外面とは裏腹に、芯の強さを感じさせる。
"忍耐強さ"や"サムライ魂"を美徳とする日本人に、このストイックなドラマシリーズが受けるのは当然ともいえるだろう。

■共演者たち

今シーズンのseason3 では、従来の主要なレギュラーメンバーの安定した確固たる絆に加え、大岩一課長の右腕となる刑事に、かつて大岩の同僚で謎の死を遂げた谷中明彦(中村梅雀)の娘、萌奈佳(安達祐実)が抜擢(ばってき)された。
内藤剛志と安達祐実の共演は、「同情するならカネをくれ!」で一躍、名子役となった「家なき子」以来、実に23年ぶり。94年版は平均視聴率24.7%、最終回37.2%の大ヒットとなった。
翌年の「家なき子2」も、平均視聴率22.5%、最終回31.5%とこちらも大記録だった。父娘コンビは、日本中に強烈な印象を残した。

今回の「警視庁・捜査一課長」のストーリーの中では、萌奈佳が高校生だった頃、刑事だった父の葬儀で大岩が萌奈佳に「父の名誉のためにいつか必ず星を上げる」と言葉を交わす。それ以来、18年ぶりに警視庁で再会する設定だ。

大岩の専属運転手・奥野親道役に、お笑いコンビ・ナイツの塙宣之が加わった。season2の刑部公平(田中圭)に代わっての参加である。妻が病死し、子育てのためにしばらく事務職に移っていたが、久しぶりに第一線に戻ったために、一課長からは"ブランク"とあだ名されている。淡々とした演技が、番組に不思議な魅力を添えている。何か面白いことが起きるのではと、期待が高まる。

もう一人の右腕・庶務担当管理官の小山田大介は、ご存じ金田明夫。ミステリー、サスペンスは得意どころだが、去年は、「東京タラレバ娘」で居酒屋の店主役を演じ、ベテラン俳優ならではの役になりきる七変化を見せてくれた。
個性豊かなレギュラーおよび準レギュラー陣で、事件を解決へと導く。

■ドラマのテイスト

ミステリーの王道を行くこのドラマだが、正統派の真面目すぎるサスペンスとは異なり、シーンの随所に"ちょっと笑えるネタ"が組み込まれているところも見逃せない。
ゲラゲラ笑うわけではないのだが、プスッと鼻を鳴らしてしまう程度の"ちょいウケ"がクセになる。
2時間スペシャルで、事件の真相だけを追うのはストレスフルだが、このちょっとした遊びが視聴者の緊張をほぐし、サスペンスなのに心地よい不思議な見心地となる。
またストーリー展開の巧みさは言うまでもないが、事件の絡み合ったトリックは簡単には解けない。こうした知的面白さの末に、ラストで大岩が解き明かす事件の真相の醍醐味(だいごみ)は、快感ですらある。
ただしすごい迫力や刺激があるわけでもなく、衝撃的な展開が待っているわけでもない。言ってみればロールプレイングゲームを進めていくようなおもしろさであり、来週も見ようと思わせる演出は、最近の迫力重視のドラマとは違った魅力と巧みさを感じずにはいられない。
さらに被害者の無念を最優先し、地道かつ愚直に真相に迫っていく捜査方法は、安定感であり"かく生きるべし"というモラルを見せてくれている。これらがseason1からseason2にかけ、10%台前半の視聴率を確実にとっている要因なのだろう。

そしてseason3最終回、事件が無事に解決したと思われたが、最後に萌奈佳が抱いた疑惑の謎が次週につながる。今期も安定した視聴率が期待できそうだ。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所

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