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金曜ドラマ「あなたには帰る家がある」が、スタートを切った。
TBSの金曜ドラマ枠は、これまでに「私、結婚できないんじゃくて、しないんです」や華やかなタワーマンションの裏を描いた「砂の塔」、中学受験を題材にした「下克上受験」、産婦人科と命をテーマにした「コウノドリ」など、"今の社会"をタイムリーに描く、現実味のあるドラマで数々のヒットが生まれた時間枠だ。
今クールの「あなたには帰る家がある」では、2組の夫婦の"あるある"な現実が偶然にも不運に絡み合い、痛烈なストーリー展開を駆け抜けていくようだ。

サムネイル

イメージ画像 黄葉とシニアカップル(写真:アフロ)


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■主要キャスト

物語の柱となる2組のカップルを演じるのは4人。
2年前の「私、結婚できないんじゃなくて、しないんです」で、主演を演じた中谷美紀が、今回の主役・佐藤真弓を演ずる。バリバリ働いていた20代からのブランクを背負い、職場復帰する。ところが情報社会の流れに完全に乗り遅れたオバさんの現実にめげずに立ち向かっていく。

真弓の夫で、映画好きの文系、優柔不断な秀明役は玉木宏。
洗濯物のたたみ方や賞味期限などを気にする、きれい好きな小姑(こじゅうと)のような夫だが、玉木自身がスマートな出で立ちからイメージ通り。本当にシャツのたたみ方などにこだわりがあるようだ。

秀明に惹(ひ)かれる従順な専業主婦・茄子田綾子を演じるのは木村多江だ。
2017年の「就活家族」では、しっとり、ねっとりと上司につきまとう女の役。「ブラックリベンジ」では、殺された夫の恨みを晴らすための復讐(ふくしゅう)劇を見事に演じた。セリフを操るだけでなく、役を身にまとうようなウェットな肌質感が、"不幸な魔性の女"を絶妙に醸し出す。

綾子の夫で、モラハラ夫と言える支配的で、気まぐれで感情的な女性から見た"最悪に残念な男"を演じるのは、ユースケ・サンタマリア。
バラエティから司会、映画出演などマルチな活躍を見せるユースケ・サンタマリアの役作りも、見る側に心底嫌悪感を抱かせるほど徹底している。

そして真弓と秀明が付き合うきっかけになったキーパーソンとして、カレーショップカフェのオーナー・三浦圭介役は駿河太郎。刑事役など映画やドラマに引っ張りだこの駿河太郎が、カレーショップに通う真弓と秀明のそれぞれのグチの聞き役となる。時に夫婦関係のメンテナンスになりそうな言葉をそれぞれに投げかけることで、夫婦カウンセラー的存在となる。

■人は、なぜ結婚するのか?

でき婚・恋愛結婚・お見合い等きっかけはさまざまだが、ある程度の年数を経過した子供のいる夫婦で、いつまでも男女であり続ける円満な夫婦をあまり見ることはない。
結婚当初は新鮮味があって良いが、女性は子供が生まれた途端、よき母であることを求められ、仕事をせず家庭に入れば、よき家政婦、いや妻であることを求められる。
一方男性は家族を養い、マイホームという一生の買い物を背負わなければならず、副業する若者が多い中、女性進出が増えたとはいえ、男社会の現実で戦わなければいけない。
結婚式でのうたい文句"笑顔の絶えない家庭"を実現できても、それを持続させることは残念ながら不可能に近い。
二組の全く違う夫婦を眺めながら、「あるある」と思いながら、自分の痛い日常と重ね合わせる視聴者は少なくないだろう。
"ひとんち"の事情を外から眺めている時は、「こうすれば良いのに」とか「それは言っちゃダメなのに」等、状況を客観的に受け入れられる。ところが身内である夫の行動や妻の一言にカチンと来てしまうのが、われわれの"リアルな日常"だ。
そんな余裕のない自分に、ふと小さなきっかけで、自分の存在を認めてくれる異性が現れた時が危ない。
一度踏み外したら階段を転げ落ちるように、現実世界から逃げる恋へと落ちて行ってしまう。

好きになった相手を幸せにするために、結婚したのではなかったのか。
高価なプレゼントや高級なレストランで食事をすることが、幸せになることではない。
家でオフになった時、ちょっとだけ相手を気にすることで、そんなにがんばらなくたって、気遣いはできる。
それをスルーしない程度の弱めの電波で、"相手の気持ち"をキャッチすること。大切なのは、そんな小さな配慮である。
まだ間に合うかもしれない。
「あなたには帰る家がある」を引き続き、夫婦で見られるあなたの家は、まだ大丈夫かもしれない。

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文・コラムニスト はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所

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