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"日曜日の22時半"は気持ち遅めの時間だが、前の番組「おしゃれイズム」で、あまり難しいことを考えずにゲストのトーク番組を楽しんだ後のドラマとなり、そのまま見やすい流れとなっている。
そこに今期は「崖っぷちホテル!」が入った。
主演は三代目J Soul Brothers from EXILE の岩田剛典と戸田恵梨香。共演者は渡辺いっけい、りょう、浜辺美波、中村倫也、西尾まり、鈴木浩介、くっきー(野性爆弾)、チャド・マレーンと、思いっきり個性派で脇を固めている。

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戸田恵梨香/Japanese actress Erika Toda holds an apple during a promotion of her upcoming movie "Death Note: The Last Name" in Hong Kong October 28, 2006.(写真:ロイター/アフロ)


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■主役とヒロイン

主役の岩田剛典は、10~30代の女性ファンをとりこにし、人気ダンサーであり俳優としても幅広く活躍している。
2016年の「砂の塔~知りすぎた隣人」で主人公と深く関わる主要な役をこなし、ドラマ界での活躍が始まった。17年の「世にも奇妙な物語」では主演、今年に入って『去年の冬、きみと別れ』『パーフェクトワールド』での映画主演とともに、今回の「崖っぷちホテル!」も主演に抜擢(ばってき)された。
屈託のない"かわいい"笑顔が特徴で、女性ファンの心に素直に入ってくる不思議な雰囲気は、親しみやすく、かつての香取慎吾を思わせる。

ヒロイン・戸田恵梨香の活躍も目覚ましい。
もともとは子役から始まっているが、2007年にテレビドラマ「LIAR GAME」と映画『Presentsウニ煎餅』で主演。その後は「コード・ブルー」で主要な役をやり、「SPEC」シリーズ、「鍵のかかった部屋」シリーズなどで主役やヒロインをやってきた。
去年の「リバース」では、藤原竜也と共演し、感情の葛藤がある難しい役を見事に演じきった。今回のドラマでも、多額の負債を抱え寂れた高級ホテルの総支配人。ユニークなシチュエーションでの、当たり前ではない役に挑戦している。

■崖っぷち

ヒロインはやる気がなく、はっきり言って"終わってる"従業員を抱えるが、自分だけは夢を持って総支配人として頑張り始めた。ところが何をやってもうまく行かず、すっかり自信をなくしてしまった。
その"終わってる"従業員の一人は、りょうが演ずるバーテン。都会的な容姿とは裏腹に、勤務中の飲酒や居眠りなど、ダメダメばかりだ。
客室清掃員の西尾まりは、部屋のトイレットペーパーを持ち帰るなどやりたい放題。
副支配人役の渡辺いっけいは、時代劇やサスペンスからホームドラマなど、役があれば何でも演じると言っても過言ではない、大ベテランの実力派だ。ホテルの身売りを画策するなど、いかにもダメ管理職を嫌になるほど演じきっている。

デパート・ホテル・レストランなどのサービス事業は、時代の流れとともに変化していかなければ生き残れない。特に観光産業の現実はキビシイ。
レストランも家具や調度品をそろえ味が良くても、古くさかったりすると客足が途絶えつぶれてしまう。
「崖っぷちホテル!」のグランデ・インヴルサは、ホテルの佇(たたず)まい・設備・部屋など老舗の高級感があるのだが、手入れが行き届いておらず、おまけに従業員のサービスは最悪だ。
"コスパ"という言葉が横行し、快適、清潔でリーズナブルでありさえすれば良いという合理性は、人間性を欠いてしまうというデメリットを併せ持つ。
「崖っぷちホテル!」のグランデ・インヴルサの従業員たちは、そんな社会と現実に失望仕切っているのか、開き直っているのか、やる気がないどころか、客にやつ当たりしてしまうほど完全に終わっている。
総支配人のヒロインは、果たして廃業寸前のホテルに新たな命を吹き込み、従業員を生き返らせることができるのだろうか。

■視聴者を裏切る演出

オープニングとエンディングには、フランク・シナトラの名曲「夜のストレンジャー」が流れる。
1966年にリリースされ、グラミー賞を始め、数々の賞を受賞した名曲だ。60年代のジャズ界では、マイルス・デイヴィスが全盛期を迎え、ハービー・ハンコック、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンスなど、70年代のファンク色が強くなる前の勢いのある時代だ。
この頃の音楽に、崖っぷちのホテル"グランデ・インヴルサ"はあまりにミスマッチだが、逆にそのギャップがストーリーの伸びしろを感じさせてくれる。

正直いえば、初回のストーリーは「いつ面白くなるのだろう......」と、しばらく戸惑った。後で視聴率が10.6%だったと知り、面白くなる後半まで粘った視聴者が意外に多かったと驚きすら感じた。
スローな話の展開とともに、三谷幸喜の「王様のレストラン」を彷彿(ほうふつ)とさせる。コメディタッチで行くのか、それともオリジナルでヒューマン系なのか、位置づけは曖昧だ。今後の展開で徐々に見せるのだろう。
ホテルだけを舞台に描く手法は、舞台を見ているようで、独特の世界観があり印象深い。
大きな伸びしろがある、ホテル"グランデ・インヴルサ"の今後を見守っていきたい。

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文・コラムニスト はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所

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