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毎年ゴールデンウィークにさいたまスーパーアリーナで開催される、埼玉史上最大のロックフェス「VIVA LA ROCK」(5月3日~5日)。日程ごとにラインアップのテーマを掲げたり、開催地・埼玉ならではの取り組みにチャレンジしたりと、他の音楽フェスにはないユニークなコンテンツ作りによって、常に注目を浴びて来た。

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プロデューサー 鹿野 淳氏/ ロックフェス「VIVA LA ROCK」(5月3日~5日)開催


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記念すべき第5回目となる今年は、主催・制作に映像配信サービス会社GYAOが参入。また、大森靖子とピエール中野がプレゼンターを務めるVIVA LA ROCK EXTRA 「ビバラポップ!」(5月6日)の開催が決定するなど、これまで以上に充実した内容となること必至だ。

「音楽フェス飽和状態」といわれて数年。VIVA LA ROCKはどのようにして他のフェスとの差別化を図り、オリジナリティを積み上げてきたのか。音楽雑誌『MUSICA』などを通じて、邦楽ロックのジャーナリズムをリードしてきた仕掛け人、鹿野 淳氏に話を聞いた。

■ フェスの成功は、日程と会場が90パーセント、後の10パーセントはブッキングですかね?

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ロックフェス「VIVA LA ROCK」(5月3日~5日)開催


──VIVA LA ROCKは今年5周年を迎えます。そもそも、どんな経緯でスタートしたのでしょうか。

鹿野: VIVA LA ROCKを始める前に、ROCKS TOKYOというフェスのオーガナイザーを3年間やっていました。それは結果が出ていたにも関わらず、馬鹿馬鹿しくも悔しい経緯があって2012年に開催を取りやめたのですが、その時に学んだんです。フェスはいろいろな仕組みで作られているじゃないですか? ざっくりいうと、複数の企業が集まりやっていくパターンとか、1社が全てのリスクを請け負うパターンとか。自分の場合、フェスに関わるとなると、ブッキングをほぼすべて今までは担当してきたので、そのフェスのリスクをシェアするのではなく、自分がある程度ガシッと追わないとダメなんだなって思って。その覚悟とチャンスが生まれるまではフェスはやらないと決めたのですが、いきなりその機会が訪れてしまい(笑)。自社FACTとディスクガレージの2社でVIVA LA ROCKを立ち上げたというのが大まかな経緯です。

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プロデューサー 鹿野 淳氏/ ロックフェス「VIVA LA ROCK」(5月3日~5日)開催


──どのような条件だったのですか?

鹿野: 初回から確か4億5000万円くらいの制作費がかかる見込みだったんです。今はもっと全然お金がかかってますけどね。で、そのうちの半分、つまり2億2500万円をうちでリスクを負うわけです。でも、ご覧のようにFACTって、エレベーターも付いていないような建物の一室で経営している会社なんですよ(笑)。そんなうちの会社が2億2500万円ものキャッシュフローなど持っているはずもなく、「リスクを負う」と言いつつ失敗したら夜逃げするしかない状況だったわけです。そんな最初っから背水の陣で臨んだのがこのビバラと呼ばれるフェスなのですが、めでたく5回目まで来れまして。今年がこのフェスにとって重要な階段の踊り場だと思うんです。だからこれからのフェス、2020年代のフェスがどうあるべきかも踏まえて、今年は様々なチャレンジをします。

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ロックフェス「VIVA LA ROCK」(5月3日~5日)開催


──会場をさいたまスーパーアリーナにしたのは?

鹿野: 「音蹴杯」という、音楽業界のフットサル大会があるんですね。年に1度、さいたまスーパーアリーナでお客さんを入れずにフットサルを楽しむというもので、その大会の主催がさいたまスーパーアリーナとディスクガレージで、僕もその大会にチームを出してまして。「ここで音楽フェスをやったら楽しいだろうに、何故やらないんだろう」という、前述した2社からの甘い誘いに乗った感じです。
ただ、当時からもう、日本のフェスは飽和状態で、勝負をかけるならゴールデンウィークしかないなとも確信していました。フェスの成功は、日程と会場が90パーセント、後の10パーセントをブッキングに身を任せるという理念を僕は持っているんですけど、それほど「現場」が大事だと思っています。なものでいつかラッキーなことにスーパーアリーナのゴールデンウィークが空いたら一緒にやりましょうという話をしていたのですが、くしくも会場から「ゴールデンウィークに入っていた別件が急遽空きまして」と連絡が来たんです(笑)。その時点ですでに開催まで残り9カ月を切っていたのですが、ここで開催したら翌年以降も、同じ日程をこのフェスのために確保しておくともおっしゃったので「もうやるしかない!」と。このチャンスを逃したら次はないと思ったので、怒涛(どとう)の勢いで準備しましたね。

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ロックフェス「VIVA LA ROCK」(5月3日~5日)開催


──VIVA LA ROCKならではの特徴は?

鹿野: 去年から日割り別の出演アーティストに対する考え方を改めました。基本的に、1日で26アーティストが出演してくださるんですけど、日程ごとに音楽の指向性が近い人たちに集まってもらうことにしたんです。それによって、3日間の色合いがそれぞれ違うフェスにしようと。今年もそれを踏襲しています。
例えば初日は、割とコアな音楽マニアの方々も楽しめるニューウェイヴな感覚を持ったアーティストに集まってもらいました。2日目は、2010年代初頭~中盤のロックシーンおよびフェスシーンから勢いを増してきたバンドが多いです。この5年間の邦楽ロックシーンの中核を担って来た人たちですね。最終日は、2000年代以降、「AIR JAM 2000」という極めて重要なパンクフェスがありましたが、それ以降の日本パンクシーンを転がし続けてきた偉大なバンドが中心となっています。そういった区分けを楽しんでいただけたらと思います。

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ロックフェス「VIVA LA ROCK」(5月3日~5日)開催


──なぜ、そのような区分けをしたのですか?

鹿野: うーん。例えばですね、2000年代後半くらいまでのサマーソニックは、「サマソニに行けば、今聴くべき洋楽が何なのかが手に取るようにわかる」と言われていて、それって素晴らしい役割だと僕は思っていたんです。つまりどんな洋楽メディアよりもサマソニは明確な洋楽メディアだったわけですから。ビバラは邦楽のロックフェスですが、邦楽ロックシーンの中でそういう役割を担うようなフェスになれれば嬉しいなとは思っています、そもそも自分はメディア人なのでね。2010年代に入って、洋楽のみならず音楽を自分から積極的に発掘するという機会やメディアが減っていき、そういうリスナーも減っている現象があると感じていたんです。昨今寄り戻しも含め、そういうリスナーや、そんなリスナーを満足させるスキルを持った音楽が増えて来てはいますけどね。その中で一日フェスに参加すると、自分が目的にして来たアーティストと割と近い存在の音楽で、でも知らなかったという音楽やアーティストを確実に見つけられるフェスにしたかったんです。フェスという現場で、楽しく遊びながら新しい音楽が見つけられる場所にしたかったんです。

──なるほど。

鹿野: ただその結果、好きなアクトのタイムテーブルが被りまくってしまい、「自分が好きなバンドが集まっているのはいいけど、見たいアクトを全部見られないじゃないか!」というお叱りも現実的に多数受けてます(苦笑)。そこは確かに申し訳ないと思いつつ、しばらくはこのやり方でのフェスとしての確かな落とし所を模索していきたいです。とにかくフェスは音楽を楽しむ場所だけではなく探す場所でもあり、フェスが終わった後からフェスで見つけた音楽との日常でのお付き合いが始まるきっかけの場所であることを、1人でも多くの方々に知ってもらいたいんです。

■ 埼玉の人たちに認めてもらい、愛してもらえるフェスにしたいという気持ちから始まっています

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プロデューサー 鹿野 淳氏/ ロックフェス「VIVA LA ROCK」(5月3日~5日)開催


──GYAOの取り組み内容については、今の段階でのように考えていますか?

鹿野: 僕は以前からこのVIVA LA ROCKを有力なメディアにしたかったんです。ただ、毎年たくさんの方が見にきてくださる大規模なフェスであるにもかかわらず、オーガナイザーとしては非常に拙い運営しかできていなくて(苦笑)。GYAOさんやGYAOさんの周りには、Yahooをはじめ、単なる動画配信だけではないたくさんの可能性がある。VIVA LA ROCKという、ロックフェスを真ん中に据えた「複合メディア」をともに作っていけることを、僕は期待してご一緒しました。

──「埼玉」という場所ならではのこだわりは?

鹿野: 私たちがVIVA LA ROCKで何をやっているのか、何を目指しているのか、会場の近隣の人たちに分かっていただきたくて、けやき広場に入場料フリーの「VIVA LA GARDEN」を設けています。ふらっと遊びに来れば半日楽しめる場所として、ビアガーデン、キッズランド、各ワークショップ、フットサル場、そして30以上のフェス飯などを完備しています。また、2015年より「埼玉県限定超先行チケット」をはじめました。埼玉県に在住している人のみ申し込みが可能で、今年もこれを実施しています。全ては埼玉の人たちに認めてもらい、愛してもらえるフェス、埼玉とロックのマーケットに揺さぶりをかけたいという気持ちから始まっています。

──実際にその成果を実感したエピソードはありますか?

鹿野: 去年、お子さんを抱いている埼玉在住の女性の方から声をかけられました。VIVA LA ROCKの初年度に参加し、その年にお子さんを授かったので、しばらく育児のため参加できなかったそうなのですが、「今年は子供と一緒に会場に入ってみようかと思います」と言われ、あれは本当に嬉しくて。他にも例えば、「VIVA LA ROCKの帰りにお付き合いが始まり、めでたく結婚した」という埼玉の方もいて。そういう奇跡がこの4年間の誰かの中にあったんだな、そういう参加者に恵まれたこのフェスは幸せ者だなと思いました。もう今まででビバラは埼玉県とロックファンからたくさんのものをもらって来ました。だからこそこの記念すべき5回目の開催からは、「ようやくこのフェスもここまで育ちました。さあ、今まで世話になった分、休む暇もないほど楽しませて発見させますよ」というフェスになりたいです。まずは今年、その第一歩を踏みます。

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【VIVA LA ROCK 2018】
2018年5月3日(木・祝)~5日(土・祝)、埼玉県 さいたまスーパーアリーナにて開催。OPEN 9:00 / START 10:30 / END 20:30

5月3日(木・祝)
OPEN 9:00 / START 10:30 / END 20:30
<出演者>
「STAR STAGE」
フレデリック / sumika / KANA-BOON / SHISHAMO / レキシ / Spitz / サカナクション

「VIVA! STAGE」
CHAI / フレンズ / D.A.N. / FLOWER FLOWER / SKY-HI "RAP PHENOMENAL STAGE" / Nulbarich / indigo la End

「CAVE STAGE」
ドミコ / 小袋成彬 / DOTAMA / DATS / The fin. / King Gnu / Creepy Nuts / 雨のパレード

「GARDEN STAGE」
Rei / MONO NO AWARE / ReN / 金井政人(BIGMAMA) / DJやついいちろう(エレキコミック)

5月4日(金・祝)
OPEN 9:00 / START 10:30 / END 20:30
<出演者>
「STAR STAGE」
My Hair is Bad / KEYTALK / VIVA LA J-ROCK ANTHEMS <B:亀田誠治 / G:加藤隆志(東京スカパラダイスオーケストラ) / G:津野米咲(赤い公園) / Dr:ピエール中野(凛として時雨)> / 凛として時雨 / UVERworld / the telephones / THE ORAL CIGARETTES

「VIVA! STAGE」
Dizzy Sunfist / ポルカドットスティングレイ / yonige / 夜の本気ダンス / 9mm Parabellum Bullet / ヤバイTシャツ屋さん / ORANGE RANGE

「CAVE STAGE」
ティーネイジサイタマ優勝アーティスト / ReVision of Sence / Ivy to Fraudulent Game / パノラマパナマタウン / Amelie / Saucy Dog / サイダーガール / 赤い公園 / ビッケブランカ

「GARDEN STAGE」
GOOD ON THE REEL / コレサワ / ドラムDJピエール中野 / Getting Better<片平実 / 神啓文 / 斎藤雄>

5月5日(土・祝)
<出演者>
「STAR STAGE」
SiM / HEY-SMITH / BRAHMAN / 東京スカパラダイスオーケストラ feat. 斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)、TAKUMA(10-FEET)、TOSHI-LOW(BRAHMAN / OAU)、細美武士(the HIATUS / MONOEYES)、峯田和伸(銀杏BOYZ) / マキシマム ザ ホルモン / エレファントカシマシ / 10-FEET

「VIVA! STAGE」
四星球 / THE BACK HORN / 打首獄門同好会 / coldrain / キュウソネコカミ / 銀杏BOYZ / MONOEYES

「CAVE STAGE」
FINLANDS / Yap!!! / Age Factory / teto / ハルカミライ / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / SIX LOUNGE / ENTH

「GARDEN STAGE」
a flood of circle(acoustic set) / G-FREAK FACTORY(acoustic set) / the band apart(naked) / DJダイノジ

【NIGHT VIVA!】
スペースシャワーTV×MUSICA合同企画『NFパンチ』公開討論会
5月3日(木・祝)、埼玉県 さいたまスーパーアリーナ内 500レベル(5階)特設ステージにて開催。OPEN 21:00 / START 21:30 / END 23:30(予定)。
<出演者>
山口一郎(サカナクション) / 鹿野淳(MUSICA)

【the telephones DISCO後夜祭プラスα!】
5月4日(金・祝)、埼玉県 さいたまスーパーアリーナ内 500レベル(5階)特設ステージにて開催。OPEN 21:00 / START 21:30 / END 23:30(予定)
<出演者>
the telephones / 菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet) / ピエール中野(凛として時雨、VIVA LA J-ROCK ANTHEMS)

他、イベントあり。

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(取材・文・撮影/黒田隆憲)

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

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