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2018年4月クールのGP帯(夜7~11時)放送の民放ドラマが出そろった。
初回視聴率で見る限り、テレビ朝日のドラマは、「特捜9」16.0%・「未解決の女」14.7%・「警視庁・捜査一課長」12.7%。全て二桁でしかも全体のベスト4に3本が入り、3本の平均14.5%もキー5局の中で断トツのトップだ。しかも他の2ドラマはシリーズものだが、最後の登場となった「未解決の女」だけは新作だ。それで14.7%は見事と言えよう。

サムネイル

各局の連続ドラマ初回視聴率


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■巧妙な初回視聴率作戦

初回視聴率で他局を圧倒するテレ朝には、巧妙な戦略がある。
まず「特捜9」と「警視庁・捜査一課長」は、シリーズもので固定客がいる。しかも初回放送直前に、前シーズンの再放送をたくさん放送し、認知度と視聴意欲を存分に高めていた。
いっぽう「未解決の女」は、新作なので同様の"番宣"はできない。ところが初回放送直前の「警視庁・捜査一課長」第2話のエンディングに、「未解決の女」の主人公・波留が登場し、大岩一課長(内藤剛志)と会話する。しかも会話内容が、この"あと9時"がキーワードだった。明らかに「警視庁・捜査一課長」の視聴者を、そのまま「未解決の女」に連れていく作戦だ。
「警視庁・捜査一課長」の視聴率は12.8%、「未解決の女」は14.7%だったので、新たな視聴者を加えていたが、間違いなく一桁後半が継続視聴者で、さらに数字を積み上げ高視聴率を獲得していた。見事としか言いようがない。

■主人公の魅力

同ドラマは、波留と鈴木京香のダブル主演。
鈴木京香は受賞が豊富で、凛(りん)とした美しさを持つ日本を代表する女優だ。
そんな彼女とタッグを組む波留も見逃せない。連続ドラマでは、ほぼ全クールで何らかのドラマに出演し続けている。全身を投影するかのような真摯(しんし)な演技が、世代を問わず視聴者から愛されている。
波留が演じる八代朋は、情熱と勘で捜査をし、時にそれが仇(あだ)となり重傷を負ってしまうほど"熱血バカ"。正義感の強い単純まっすぐな若手刑事だ。

いっぽう鈴木京香が演じる鳴海理沙は、"文字フェチ"の人間嫌いで、「倉庫番の魔女」と呼ばれている。
文字解析のエキスパートで、整った美しい顔立ちに、きりりと前下がりのショートボブで現れると、シーンが一気に華やかになる。
長いセリフも物ともせず、隙のない間の取り方など、ベテラン女優の貫禄を見せている。

この体育会系と頭脳系の凸凹コンビが、「特命捜査対策室第6係」で、花形の捜査一課の影で、"文字"を糸口に未解決事件を紐解いていく。

■共演者の魅力

共演者には沢村一樹・工藤阿須加・高田純次・遠藤憲一らがそろう。さらに初回のゲスト出演として、中山美穂・風間俊介・渡辺いっけい・半海一晃が登場し、幕開けにふさわしい見ごたえのあるキャスティングとなった。

特に第1話では、中山美穂と風間俊介が見応えのある演技を見せた。
風間俊介は昨秋の「陸王」で、役所広司と共演し誠実な銀行員を熱演した。その前の「下克上受験」でも、秀才で人の良い不動産屋を演じた。
これまでは硬派な"いい人"役が多かったが、今回のMIZUKI役ではミステリー作家としての才能を持つが、母とのもつれた関係から精神的に親離れできず、殺人まで犯すという複雑な役だった。

その母親で、人気ミステリー作家・嶋野泉水を中山美穂が演じた。
かつてトレンディドラマの女王と言われ、アイドル女優だった中山の美しさは健在だが、きれいに見えるカットを気にしすぎる"ミポリン"の演技も健在だった。
背中をナイフで刺されながらも、息子をかばうために証拠を隠す。瀕死(ひんし)の状況にもかかわらず、出血量が少なく、白いシャツが真っ赤に染まることもなく、軽めな苦しみ方は殺人現場のシーンにしては奇麗すぎる。ナイフで襲われあんなに美しく死を遂げられるのは、やはりミポリンしかいない。
しかも美しく眠りに落ちるかのような息の引き取り方も、なるほど"ミポリン"が帰ってきたのだと思わずにはいられない。

■切り口の斬新さ

「筆跡は、人の人柄を表す」というように、字の書き方や形からわかる情報がある。筆跡鑑定という手法が存在するくらいだ。
字の書き方の特徴から書いた人物の心理を分析する手法で事件の謎を解いていくというコンセプトは、刑事ドラマとしては斬新でおもしろい。

さらに微笑ましいアイデアは、エンディングで捜査一課長・大岩(内藤剛志)がサプライズ登場する点。事件を解決し"ホシ"を上げた鳴海と朋をたたえるセリフは、思わずくすっと笑える。
毎週木曜のテレ朝は、夜8時と9時に刑事モノが2本並んだ。これで今後、またいつ「警視庁・捜査一課長」に波留が登場し、「未解決の女」に一課長が出てくるのか予断を許さない。
しかも必然性が十分ある登場だけに、楽しみな時間帯となった。相乗効果により両番組は当分高視聴率を続けそうだ。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所

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