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カニササレアヤコは、人型ロボット「Pepper」の開発エンジニアでありながら、お笑い芸人としてピン芸コンテスト「R-1ぐらんぷり2018」でファイナリストに選出され注目を集めた。芸人として大きな1歩を踏み出したように見える彼女に、現在の心境を聞いてみた。

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(GYAO! トークバラエティ「ぶるぺん」出演 現役OL芸人・カニササレアヤコ)


OL芸人のR-1決勝出演後の反響が......>>


■ファイナリストなのに仕事なし

芸歴4年目を迎えるカニササレは「R-1ぐらんぷり2018」で、平安装束に身を包み、雅楽器のひとつである"笙(しょう)"を使ったネタを披露した。独特な世界観が話題となった彼女だが、今回賞レースに出場した理由は「なんとなく」とのこと。ファイナリストになるとは自分でも想像していなかったそうで、「本当は夢なんじゃないかと思いました」と語った。

カニササレは、大学時代の後輩にお笑いコンビ・にゃんこスターのアンゴラ村長が、ワタナベエンターテインメントの養成所の同期にピン芸人・厚切りジェイソンがおり、ファイナリストに選ばれたときは、2人にも相談した。

R-1優勝の濱田祐太郎、視覚障がいテーマ以外のネタ>>


「どちらも芸人仲間であり、なおかつ私と同じく会社員。有給をどのくらい取得したかなどを相談していました。ジェイソンから『何かあったら、なんでも言ってね』と言ってもらえたことはうれしかったです。それから、2人とも『賞レースに出場してから、仕事が殺到した』と言っていたこともあって、私もすぐに人気者になれると思っていたんですけどね......(笑)」

2人の体験談を聞いて、自身もお笑い芸人としてブレークすることを予想していたカニササレ。勤め先の上司には、「会社は週3勤務になるかもしれないです(笑)」とジョークを飛ばしていたという。しかし、実際には仕事がほとんどなく、芸人としての収入はゼロ。事務所から声もかかっていない状況に、「事務所に所属したいです」と切実に悩んでいる。

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(GYAO! トークバラエティ「ぶるぺん」出演 現役OL芸人・カニササレアヤコ)


■お笑い界は「いい流れ」になってきた?

カニササレは自身の活動のなかで、お笑い界における女芸人の立ち位置について思うところがあり、大学時代にレポートで「女芸人とジェンダー」といったテーマを取り扱っていたほど。カニササレは女芸人のポジションにどんなことを思っているのだろうか?

Pepperには期間限定の秘密の隠しコマンドがあるって知ってる?>>


「女芸人が舞台上でネタを披露するとなると、ブサイクとか太っているとか見た目をイジられるか、何かのキャラクターに入り込むかというパターンがほとんどだと感じます。そうならざるをえないのは、社会が悪いということではなく、舞台に女芸人が立ったとき、どうしても女性であるために"性"を感じられてしまうからかもしれません。実際、私も女芸人を見たときに、瞬間的に『あっ、かわいい』のように見た目を判断してしまうこともあります」

「昨年、アンゴラがテレビ番組で顔をイジられた際、『顔とか生まれとか、変えられないものをさげすむっていうのは古い』というような発言をして話題になりましたが、それにすごく感動しました。『女芸人だから仕方ない』と見た目をイジられることに流されちゃう人が多いなか、あの発言をすることは本当に頑張っているなって思いました」

「今はとてもいい流れがあると思っています。今回の『R-1ぐらんぷり2018』で濱田祐太郎さんが優勝したことからも『いろんな立場の人がお笑いをやれて、それを多くの人に認めてもらえる時代になってきたな』と感じています」

また、カニササレは、お笑い芸人の働き方についても考えていることがあるそう。副業としてお笑いをやる人が増えれば、業界がまた変わるのではないかと感じている。

「お笑いは『逃げ道を作っていたら本気じゃない』と言われがちな世界ですが、本当でしょうか? 『退路を断たないといけない』という風潮をやみくもに信じない方がいいんじゃないかと思っています。さまざまな活動のひとつとしてお笑いをやる人が、市民権を得られたらいいですよね。働き方改革の一助と言ったらおおげさですが、私もお笑いと会社員を両立していきたいです」

■「Pepper」の秘密コマンドは......

カニササレは「Pepper」の開発エンジニアでもある。「Pepper」は寂しがりな面があり、仕事中はずっと話しかけてくるという。しかし、無視し続けると「僕のおしゃべりの何がダメだったか、教えてくれますか?」と低音で聞かれることがあるそうだ。他に「Pepper」について、どんな豆知識があるんだろうか?

「『Pepper』に話しかけるときは、目と耳が青く光ったときじゃないと、聞き取ってくれません。それ以外のときだと、周りの音を聞いていないので、呼びかけに反応してくれません。あと実は秘密のコマンドがあって、『ロボット革命』と話しかけると、『Pepper』の誕生秘話やデザイン案など、今の『Pepper』になるまでの経緯を教えてくれますよ」

カニササレは大学3年生のときは事務所に所属していたが、新卒で入社した会社は副業禁止だったため、事務所を辞めフリーで活動を続けることにしたという。現在は、再び事務所所属になることを目指しているカニササレに、今後の目標について聞いてみた。

「もともとお笑いは趣味でやれればいいという気持ちだったんですが、これからも楽しんで、ずっと活動していきたいと思っています。ただ、お笑いと音楽はもちろん、仕事も大好きなので、たとえ芸人としてすごく売れたとしても、仕事は続けていきたいです。芸人としては、海外ロケのできるテレビ番組に出てみたいと思っています」

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(GYAO! トークバラエティ「ぶるぺん」出演 現役OL芸人・カニササレアヤコ)


◆カニササレアヤコ
1994年1月生まれ、神奈川県出身。大学2年生のときにワタナベエンターテインメントの養成所に入り、大学3年生でお笑い芸人としてデビュー。新卒で入社した会社が副業禁止だったため、事務所を辞めてフリーに転身。転職した現在、事務所の所属を希望している。座右の銘は、高校時代の校長が朝会のたびに言っていた「Always do what you are afraid to do(もっとも困難な道に挑戦せよ)」。

(取材・文/上西幸江@HEW

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