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TBS日曜劇場「ブラックペアン」が、今クールの最後に登場した。
日曜劇場初主演の二宮和也が、「患者を生かし、医者を殺す」天才外科医のダークヒーローを熱演する。
日本アカデミー賞最優秀男優賞を初め数々の賞を受賞し、その演技力は揺るぎないものとなっている。今回は初の外科医役への挑戦だが、さらにダークなイメージを担い、新たな二宮和也像が話題となっている。

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イメージ画像 (写真:アフロ)


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■ドラマの魅力

共演者には、今最も勢いのある竹内涼真・NHK朝ドラでヒロインを演じた葵わかなを初め、内野聖陽・小泉孝太郎・市川猿之助・志垣太郎ら、いずれも味のある豪華メンバーがそろった。

音楽は、木村秀彬が手掛ける。去年の「小さな巨人」では迫力とインパクトの音楽で魅了し、「コウノドリ」では人間的で叙情性の高い音楽で作品に大きな花を添えた。この「ブラックペアン」でも、作曲家としてのクオリティと視聴者をドキドキさせる世界に導いてくれている。 

そして、なんといっても原作に着目しなければならない。
『ブラックペアン1988』は海堂尊の原作で、2007年に発行された長編小説だ。
一人の研修医が二人の医師との関わりで成長していく姿を描いた群像劇で、山本周五郎賞を受賞している。
小説作品がすでに素晴らしいのは言うまでもないが、作者の海堂氏が現職の医師であるという点も注目だ。
国立の放射線医学の病院の病理医で、国立大学付属病院医学部の講師も務める。医学界、医師界の一般人の知りえない世界と現場を知り尽くした医師であるからこそ描ける。しかもエンターテイメントとして、作品に反映する力量のある著者である。

『最後の晩餐』で知られる画家のレオナルド・ダ・ヴィンチは、絵画だけでなく音楽・建築・解剖学・天文学などあらゆる分野で活躍した。その膨大な知性という意味で、海堂氏には相通ずるものがある。
15世紀から21世紀に至るまでの医療の発展は、きっと今レオナルドが現れたら、それはそれは驚くだろう。そして、止どまることのない発展と進化を続ける医療の世界で活躍する医師が、小説家としてもアウトプットをし続ける。海堂氏のすごさは、この「ブラックペアン」で改めて実感できる。

■初回の実績

初回では出演者全員の圧巻の演技が炸裂(さくれつ)し、あっという間に放送時間が終わってしまった。
しかも冒頭は、竹内涼真のまっすぐな瞳のドアップから始まった。ファンサービスとも言えるカットだが、その寄りの絵から一気に引いて、病院の上空から眺める桜に覆われた情景となった。何とも壮大で気持ちの良い絵作りだ。
東京湾を旋回して病院を映したキムタク主演の「A LIFE」の冒頭に似ているが、"これが定番"と言われれば納得感たっぷりのカットで、視聴者の心を一気に掴(つか)む。

ちなみに初回の視聴率は13.7%。今クールGP帯(夜7~11時)放送の民放全14ドラマの中では3位。
ただし1位「特捜9」16.0%と2位「未解決の女」14.7%は、テレビ朝日が得意とする刑事モノで、中高年の固定客を抱えての高視聴率である。新作で若年層もしっかり狙った上での13.7%は"お見事"といわざるを得ない。
事実、初回放送の前後24時間でカウントすると、「ブラックペアン」についてのツイート数は58136件。若年層をターゲットにした「花のち晴れ」の51590件を大きく上回った。絶対数としても若年層をしっかり捉えていたと推測される。
ちなみにテレ朝の刑事ドラマは、「特捜9」11142件、「未解決の女」6896件、そして「警視庁・捜査一課長」に至っては4891件だ。いかに「ブラックペアン」が幅広い層に見られ、話題になっていたかがわかる。

■ドラマの構図も伝統芸

権威と派閥を描くドラマは、これまでに医療界では「白い巨塔」を初め、銀行を舞台にした「半沢直樹」、刑事モノでは「小さな巨人」など、さまざまな名作が生まれて来た。
社会に所属する大半の視聴者が、「個人と組織」あるいは「個人と社会」という関係にあり、ゆえに自分と重ねて見ることができる。これらのドラマが共感を呼び大きな成功につながったゆえんで、今回の「ブラックペアン」でも、そのツボはしっかり押さえられている。

国立大学付属病院VS地方私立病院という舞台で、"力と金"が動く裏社会を大胆に描き、心臓外科という華やかな世界の現実を鮮烈に描く。
研修医の瀬良雅志(竹内涼真)が患者と医師の関係をつなぎながら、医者としてどう成長していくのか。そしてヒューマンドラマを匂わせつつ、ダークヒーローを演じる渡海征司郎(二宮和也)の過去が視聴者の好奇心を引っ張る。さらに名医・佐伯清剛(内野聖陽)との絡みと今後の展開も見逃せない。
以上のように見どころが満載で、ヒット作が多い日曜劇場の一角を成すことは、一話を見ただけで確信できる。第2話以降がとても楽しみだ。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所

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