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「限界を超えて、共に駆けろ!!!」というキャッチコピーが、作品のたぎるような熱さを表現している映画『OVER DRIVE』(6月1日公開)。自動車競技「ラリー」を題材にした本作でメガホンをとったのは『海猿』シリーズや『MOZU』シリーズを手掛けた羽住英一郎監督。そして彼のもとに集まった俳優たちも、トップドライバーに新田真剣佑、チーフメカニックに東出昌大など熱いメンバーたちばかり。

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自動車競技「ラリー」を題材にした映画『OVER DRIVE』(6月1日公開)


そんなラリーに賭ける熱い思いを描いた本作の羽住監督、東出、そして紅一点として男の世界で居場所を見つけるエージェント会社の女性を務めた森川葵が、作品の見どころを余すところなく語った。

【予告編映像】『OVER DRIVE』(6月1日公開)>>


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■モータースポーツの世界を、プロフェッショナル&リアルに突き詰めて描こう

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自動車競技「ラリー」を題材にした映画『OVER DRIVE』(6月1日公開)


――羽住監督はモータースポーツがお好きとお聞きしていますが、本作のメガホンをとる際、心掛けたことを教えてください。

羽住: おっしゃるとおり、モータースポーツが好きで、その視点から魅力的な部分はたくさん語れるのですが、モータースポーツ好きの人だけをターゲットにしては、映画は成立しないので、あまり興味がない人に、どのように魅力を伝えるのかということは悩みました。でも最終的には、思い切りプロフェッショナルに振り切ってしまおうと思ったんです。多少わからないことがあっても、リアルに突き詰めていくことで、携わっている人が一生懸命やっている世界なのだということが伝われば、そこには感情移入してもらえると思ったんです。

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自動車競技「ラリー」を題材にした映画『OVER DRIVE』(6月1日公開)


――その意味では、出演者にもプロフェッショナルな動きや行動を求めたということですね?

羽住: もちろん本物にはかなわないのですが、そこはこだわりました。車一台購入して、それをバラバラにしたり、組み立てたりということはメカニック役の人たちにはできるように準備してもらいました。一方で、葵ちゃんの役は、まったくラリーを知らない立ち位置だったので、役柄のまま「ラリーを知らない女性」を意識してもらいました。

――東出さんと森川さんは、どんなお気持ちで役柄に臨んだのでしょうか?

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自動車競技「ラリー」を題材にした映画『OVER DRIVE』(6月1日公開)


東出: 専門的な役柄だったので、最初はカメラの前に立つのが怖かったです。でも物語に出てくる、車が水没するエピソードや、(北村匠海演じる)新海彰の「子供の頃からラリーのことだけを考えていた」というセリフは、ドラマティックだけれど現実にもあることだと感じたので、一つのことに夢中になり、バカになり切って愚直に作品と向き合うことで、見ている人に伝わるんだろうなという思いでやりました。

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自動車競技「ラリー」を題材にした映画『OVER DRIVE』(6月1日公開)


森川: 「『OVER DRIVE』という映画をやります。ラリーという題材です」という話を聞いたとき、正直「ラリーってなんですか?」という感じでした。動画も拝見したのですが、本当に接する機会がなかったので、その世界がわからなかったんです。でも、本場でラリーを見させていただいて、その世界をゼロから知っていく面白さを感じました。私が演じた遠藤ひかるという役柄を通じて、ラリーを全く知らない人も、魅力を感じていってもらえたらと思って臨みました。

■森川葵は人たらし!?

――男だらけの現場のなかで、本当に紅一点でしたね。

森川: 最初は悩みました。特にメカニックチームは練習をかなり積んで現場のコミュニケーションも出来上がっていたので......。でもひかるという役も私と同じ境遇だったので、目の前にあることをまずはしっかりやろうという思いで入っていきました。

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自動車競技「ラリー」を題材にした映画『OVER DRIVE』(6月1日公開)


――東出さんは森川さんが現場にスムーズに入っていくためにアシストされたのでしょうか?

東出: もともと以前から交流があったのでスムーズかなとは思いますが、葵ちゃんは人を惹きつける魅力を持っているので、現場で「お嬢」と呼ばれるまでに時間はかかりませんでした(笑)。僕が手を差し伸べるまでもなく、すんなりとチームの一員になっていました。

森川: いやいや、東出さんがいてくれたからこそ、安心できた部分は大きかったです。

■みんなが一体となって"バカ"になれた現場

――羽住監督作品は、重厚で骨太の作品が多い印象を受けます。

羽住: そういうものが好きということもあります。映画って女性が観に来てくれないとヒットしないと思うのですが、「女性ってこういうのが好きでしょ」というものより「こういう人間って格好いいと思う」というものを描いた方が、ついてきてくれるような気がしています。

――撮影現場はハードだったのでしょうか?

羽住: 撮影中よりも、準備の段階で俳優の方たちには頑張ってもらったと思います。メカニックチームには、徹底して車に触ってもらいましたし、ドライバーには、WRC(世界ラリー選手権)のドライバーの写真を見せて、その人たちの体を作ってきてほしいとはお願いしました。その準備ができてしまえば、あとはスタッフがしっかりとした世界観を作ってくれるので、撮影ではみんなバカになって盛り上がっていった感じです。

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自動車競技「ラリー」を題材にした映画『OVER DRIVE』(6月1日公開)


――撮影でバカになれた象徴的な出来事はありましたか?

羽住: 朝日を狙うシーンがあるのですが、そこは夕日で撮っていたんですね。まさに一瞬を撮らなくてはいけないので、段取りを含めて何日もテストをしていたんです。でもなかなか夕日が出ずに、ようやくチャンスが訪れた日があったんです。一番きわどい、海に沈みかけている夕陽をバックに葵ちゃんを撮るカットの時に、タグボートがやって来て背景に映り込んでしまって、慌てて、場所を変えようと僕らキャメラ周りのスタッフと葵ちゃんで走ったんです。われを忘れてボートが映り込まない位置まで走ってきたのですが、振り向いたらキャメラ後ろで葵ちゃんの目線で芝居を付き合う東出くんをはじめ、メカニック役の皆も息を切らしてついてきていた。本当に「みんなバカだな~」ってね(笑)。はたから見たら、そのカットを撮るために右往左往しているんですからね。でも最高でした。

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自動車競技「ラリー」を題材にした映画『OVER DRIVE』(6月1日公開)


東出: みんな良い画を撮りたいという目的意識があったので、誰がなにを言うこともなく、動いていましたね(笑)。現場が一体になってアクシデントを乗り越えるという体験は、他ではあまり感じたことがなかったです。羽住組に参加して、いろいろな人から「むちゃな演出はあったのですか?」と聞かれるのですが、全然なかった。本当に羽住組に参加できたとこは俳優として"誉れ"でした。

■俳優さんにがっかりさせたくない

――羽住監督が俳優と向き合ううえで大切にしていることはありますか?

羽住: 完成した映画で俳優さんを、がっかりさせてはいけないと思っています。それは、地方ロケに参加してくれたエキストラさんなども同じ。みんな作品を楽しみにして演じてくれているので、監督としてしっかりしたものを作らなくてはと思います。

――羽住監督から見た東出さん、森川さんの魅力は?

羽住: やっぱりバカになれるところですね。北九州で1カ月におよぶ合宿状態での撮影でしたが、本当に作品にしっかり向き合って、バカになってくれました。本当にすてきでしたよ。

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自動車競技「ラリー」を題材にした映画『OVER DRIVE』(6月1日公開)


――そんなに盛り上がった撮影だったのですか?

森川: 今回はチームの人たちが本当に仲良くなっていたので、うらやましいなという思いが強かったです。なので、いつも以上に今回の現場は前のめりにいこうという気持ちでした。最終的には私もバカになれたと思います(笑)。

――そういう現場ははじめてでしたか?

森川: いつもはどこか「演じるキャラクターのお芝居をしている」という感覚があるのですが、今回は「みんなと一緒に盛り上がりたい」という気持ちが強く、お芝居というよりは、そこにいる一人の人間として、同化していた気がします。完全に"ひかる"としてそこにいたような気がします。

東出: 新しい世界を知るというのは、素晴らしいことだなと思いました。バカを経験して、車の見方も変わりましたし、自分自身も新しい発見がたくさんありました。本当にのめり込みましたね(笑)。元々はあまり車に興味がなかった僕でもかなりはまったので、車離れが叫ばれている昨今ですが、ぜひ先入観なしで見てほしいです。

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自動車競技「ラリー」を題材にした映画『OVER DRIVE』(6月1日公開)


――最後に座右の銘や大切にしていることを教えてください。

羽住: 映画の観客って、何かしら興味があるから能動的にその映画を選んで観に来ていると思うのですが、僕はそういう観客はもちろんですが、例えば映倫の方とかチェックのために仕事として見る方も楽しませたいという思いで映画作りをしています。

東出: 作品ごとに思いはいろいろありますが、人生のテーマという意味では「情けは人のためならず」という思いを大切にしています。

森川: 私は考え過ぎないこと。すごくネガティブ思考なので、考え過ぎちゃうとマイナスに持っていかれてしまうんです。だから考え過ぎずに「やれる、いける、できる」と思いながら日々過ごしています。

(C)2018「OVER DRIVE」製作委員会
(取材・文:磯部正和 撮影:中村好伸)
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羽住 英一郎(はすみ・えいいちろう)
1967年3月29日生まれ、千葉県出身。2004年『海猿 ウミザル』で劇場映画監督デビューを飾ると、そのシリーズをはじめ、『暗殺教室』シリーズ(15,16年)、『MOZU』シリーズ(14,15年)など、数々のヒット作品を世に送り出す。

東出 昌大(ひがしで・まさひろ)
1988年生まれ、埼玉県出身。2012年、映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビュー。2014年に『クローズEXPLODE』で映画初主演を務めると、『寄生獣』(14年)、『アオハライド』(14年)、『GONIN サーガ』(15年)、『デスノート Light up the NEW world』(16年)、『関ヶ原』(17年)、『散歩する侵略者』(17年)などの注目作に立て続けに出演。『聖の青春』(16年)では第40回日本アカデミー賞優秀助演男優賞などを受賞。待機作に『パンク侍、斬られて候』(18年)や『菊とギロチン -女相撲とアナキスト-』(18年)、『寝ても覚めても』(18年)、『ビブリア古書堂の事件手帖』(18年)がある。

森川 葵(もりかわ・あおい)
1995年6月17日生まれ、愛知県出身。2010年雑誌「Seventeen」専属モデルとして芸能界デビューし、2012年よりドラマや映画など活動の場を広げる。『渇き。』(14年)、『劇場版 零~ゼロ~』(14年)、『チョコリエッタ』(15年)、『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(16年)、『花戦さ』(17年)、『恋と嘘』(17年)、『先生!、、、好きになってもいいですか?』(17年)、『嘘八百』(18年)など数々の話題作に出演する若手注目女優だ。

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

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