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綾瀬はるかが、初の母親役に挑戦する。
しかも単なる母ではない。バリバリのキャリアウーマンが、ビジネスのノウハウを駆使して、相手の連れ子に認めてもらおうという従来にない設定。
父親役は竹野内豊が演じ、一見いびつな夫婦だが、深い部分でどんな展開が待ち受けているのだろうか。
8歳の娘役を演じる横溝菜帆の繊細で天才的な演技にも、注目が集まる。

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Haruka Ayase attends the Elan d'Or Award ceremony on February 1, 2018, Tokyo, Japan. (写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)


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■設定と演技の妙

原作は桜沢鈴の「義母と娘のブルース」。
表面的には綾瀬はるか&竹野内豊の夫婦がメインに見えるが、ドラマタイトルからもわかるように、ドラマの主軸となるのは、義母と娘という新たな視点でストーリーが展開されようとしている。

現代の家族の形態は、子連れ再婚、養子縁組など、複合家族も珍しくない時代になってきている。それでも恋愛再婚でもなさそうな岩木亜希子(綾瀬はるか)と宮本良一(竹野内豊)は、なぜ結婚するのか。そもそも前提も不明のままドラマは始まる。

仕事一筋でやってきた亜希子は、大手企業の営業部長を務め、誰もが認めるキャリアウーマンだ。
仕事オタクの亜希子は、プライベートでも仕事用語を連発してしまう。
いっぽう良一の娘・みゆき(横溝菜帆)は、まだ8歳だが、亜希子は子供への接し方に精通していないのか、ビジネス上のクライアントとして対応してしまう。

これでは結婚が契約であり、利害関係でしか結ばれないビジネスに見えてしまう。
良一と亜希子のミーティングを兼ねたランチでも、ふと一瞬見せる亜希子の人間的な表情と、良一のふとした心の揺れなど、ただのビジネス契約で終わらない二人の意外な展開への期待も膨らんでいく。
そして、鍵を握る娘・みゆきの心の揺れ。かすかな動揺、少女の強さと弱さなど、繊細な表情を次々と見せ、感受性豊かな横溝菜帆の演技は、天才子役の到来を思わせ、間違いなくドラマの見どころとなっている。

■演出の妙

冒頭の和太鼓を使った、音楽の演出も面白い。
打楽器だけを使ったコミカルな効果音は、ポップなイメージのドラマによくあるが、和太鼓の堂々たる響きを単発的に使用することで、重さを与えずに、かつ軽くなりすぎない。むしろインパクトも与え、ドラマを生き生きと躍動させている。

ストーリーの展開とともに、みゆきの心の変化、亜希子の心理描写をシンセオーケストラの音色で、ストリングスがやさしく奏でるメロディは、間違いなく視聴者の心をつかんだことだろう。

この音楽を担当したのは、数々の映画、ドラマ、CM音楽を提供している高見優氏と若手実力派の信澤宣明氏だ。
シンセのオーケストレーションは、アカデミックな作曲を学んできた信澤氏の得意とするところであろう。
斬新で無駄を切り落とした潔い効果音は、嫌みがなく、実力派の作曲家がその技量と知識をひけらかすことなく、さっぱりとしていて爽快さを感じずにはいられない。
何より「ドラマ音楽とは、こうあるべきだ」などという固定観念のない音の色付けが、何とも聞き心地がよく楽しい。

亜希子の冷静で、仕事を成功させていくように物事を解決していくアプローチの仕方は、家庭生活では冷たいようだが、一つのライフスタイルとして確立されていて、無駄がなくシンプルで現代的だ。

ところが子供の心を開くには、真心がなければ伝わらない。もちろん亜希子に心がないわけではない。むしろ......、そう思わせるような細かな表情の変化、小さな目の動き、一瞬だけ緩む表情筋は、さすがにデビュー以来いろんなキャラクターを演じてきた綾瀬はるかならではの実力と言えるだろう。

しかも今回も、体を張った腹芸まで見せてくれた。
その斬新な演出も面白いが、綾瀬はるかの鍛えられた腹筋の美しさも、ファンへのサプライズギフトとなるだろう。

初回視聴率は11.5%。
TBS火曜10時枠としては、去年夏クールの「カンナさーん!」以来の二桁発進だ。しかも今回は、設定のユニークさ、ストーリー展開への期待、個性豊かな俳優たちの鮮やかな演技と、三拍子そろい見どころ満載だ。
同枠としては久々に、視聴率右肩上がり傾向のドラマの予感がある。今後のブレークに期待したい。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所

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