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石原さとみ主演のラブストーリー「高嶺の花」がスタートした。
今年1月クールの「アンナチュラル」では、数々のドラマ賞主演女優賞を受賞した。毎年行われる"なりたい顔No.1"のランクイン上位の常連。そして映画、ドラマ、CMなどに引っ張りだこの石原さとみが、現代版"美女と野獣"のラブストーリーに挑戦する。

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Satomi Ishihara attends a press event for the new Prius PHV on February 15, 2017, Tokyo, Japan.(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)


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■石原さとみ×野島伸司

ドラマは、漫画や小説などの原作はなく、野島伸司のオリジナル書き下ろしだ。
90年代のトレンディドラマ時代に、中高生の自殺・いじめ・教師と生徒の恋愛など衝撃的なテーマを取り上げ、ダイレクトで強烈にまっすぐなメッセージを発して来た脚本家である。

「101回目のプロポーズ」(91年)「愛という名のものに」(92年)「ひとつ屋根の下」(93年)「ひとつ屋根の下2」(97年)などの大ヒットドラマも書いている。
同時に「高校教師」(93年)「人間・失格~たとえばぼくが死んだら」(94年)「未成年」(95年)「聖者の行進」(98年)など、社会問題をえぐる鋭い作品も残してきた。

美しい言葉を巧みに操り、ドラマ主題歌の歌詞をドラマのストーリーとリンクさせ、さらに強烈なキャラクターを作り上げる作風は、賛否両論あるものの、その才能は誰にもまねのできない強い光を放ってきた。
そして今回は、「野島伸司さんの脚本でラブストーリーをやりたい」とずっと言い続けてきた石原さとみの念願が叶(かな)った作品でもある。

■脚本の力

月島もも(石原さとみ)の父は、華道月島流の家元である市松(小日向文世)。
警察沙汰になり迷惑をかけたと謝りに来たももに、「まず家元である前に、おまえの父親だ」と声をかける。
風間直人(峯田和伸)は、商店街にある自転車店主。家庭でも学校でもうまくいかないひきこもり中学生・堀江宗太(舘秀々輝)を見て、「あれだけ憎んじゃったら、人じゃ救えない」とつぶやく。
商店街のスナック喫茶で、ももは過去の結婚失敗談を暴露する。結婚相手に二股をかけられ、その相手の女性が妊娠した。「花も命も、はかないものは大切。何よりも尊重されるべき」は、その時ももがもらした言葉。
野島伸司のセリフには、力がある。シリアスなシーンでなくても、どこか胸に響き、心に残る言葉となっている。

登場人物にはそれぞれのキャラクターがあり、性格も職業もステイタスも異なるが、一人一人が思い通りにならない現実と葛藤しながら、まっすぐに前を向いて生きている。
しきたりと伝統、でき婚、バツイチ、ひきこもり、親の介護。
ストーリー構成の中に、いくつかのモチーフがちりばめられ、バラバラのパーツとして存在しながら、関連性を持ち、登場人物とストーリー展開にうまく絡まっている。

そして名言になりそうないくつかのセリフも、それぞれ役者がポツリポツリと発しながら、見ている者へボディブローのようにメッセージが伝わる。
こういうところに野島伸司の脚本パワーがある。ただの純愛ラブストーリーで終わらない面白さが隠されているのである。

■音楽の力

音楽演出も巧みな技を披露している。
ロック×現代クラシックの掛け合わせは、ベートーベンをロックで聞くような古典を新しく聞く面白さがある。
日本の伝統の一つである華道をビジネスとして、若者へ広めるために、新興流派・宇都宮龍一(千葉雄大)は、華道をパフォーマンス、エンターテイメントとして営業し、生徒を集めている。
そのパファーマンスに出演するのは、ホストのようなイケメン華道家をハードロックにのせて踊らせる。
伝統をぶっ壊し、ビジネスとして扱う。伝統に泥を塗る冒涜とも言われるそのやり方は、手段を選ばない。
このシーンにチョイスされた音楽が、ハードロックでなかったら、中途半端にぶっ壊れず生ぬるいシーンになっていただろう。
また、月島家でのシーンを美しいピアノ三重奏で演出し、ヴァイオリンとチェロの美しい音色で抽象的に風景を創り出すような音楽は、劇中音楽のクオリティをはるかに超えている。
ラストの家元のお披露目の場では、和太鼓とロックをリンクさせ、迫力とキレのある音楽で魅了する。

音楽は上野耕路の提供で、日本を代表する偉大な作曲家・伊福部昭の影響を受けている。
伊福部昭は日本の音楽らしさを追求した民族主義的な力強さを強調した作曲家だ。その影響を受けた上野の音楽には、ドとファを組み合わせた4度の和音を多く用いられている。日本の雅楽や伝統音楽のキャラクターと、演奏する楽器の選び抜かれたセンスを生かしたモダニズム。なんとも美しい世界が紡ぎだされている。
ドラマの放送前から、既にサウンドトラックが発売されているのも頷(うなず)ける。

伝統と社会のさまざまな問題をちりばめた、現代の美女と野獣ストーリーは、どんな世界へと広がっていくのか、2話以降の展開から目が離せない。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所

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