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土屋太鳳をはじめ女子高生たちが夢に向かって邁進(まいしん)する物語「チア☆ダン」。
視聴率も放送後のツイート数も、決して良い数字ではない。ところがツイートの内容を見ると、「ほんと毎回泣く」「めっちゃ泣いたわ」など、感動で涙した人が続出していたことがわかる。
同ドラマで人はなぜ泣くのか。そのメカニズムを考えてみた。

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土屋太鳳/The 40th Elan d'or Award ceremony in Tokyo, Japan on February 4, 2016.(写真:田村翔/アフロ)

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■涙腺崩壊者 続出!

放送前後24時間でのツイート数を見ると、全ドラマの中でも下位グループに位置している。
それでも、つぶやきの内容は絶賛するものが圧倒的。例えば8月31日放送の8話については、こんな誉め言葉が並んだ。

「最高すぎる! 毎回泣けるってなんだよー」
「正直一番期待値低かったけど、今一番楽しみかも」
「めっちゃ感動!! 涙涙の回でした」
「チアダン見ててさ~、親が泣いてて気まずい(笑)」
「毎週毎週なんでこんなに泣けるんやろか」

どうやら多くの視聴者にまでは届いていないドラマのようだ。青春ドラマゆえに、中高年にはあまり関心を持たれておらず、これが視聴率に反映しているのだろう。
それでも見た人を高い確率で感動させる、力のあるドラマのようだ。

「忘れた事や置いてきた事を思い出させてくれるドラマ」
「想いを言葉にする事の大切さを改めて感じました」
「観てたら学生時代やり直したくなってくる」

これらのように、大人になって分別もつき、しがらみに囲まれるなかで斬り捨ててきた熱い思いを、見る者の心に蘇(よみがえ)らせるのだろう。
そのメカニズムとして、このドラマには人を説得する会話が随所に出てくる。「あの時はこう言えば良かった」「こんな風に振る舞えば、相手にわかってもらえた」など、それまでの人生での反省シーンを振り返らせてくれるから、多くの人が感動するのではないだろうか。

■人が動く瞬間

同ドラマでは、人が考えを改め、新たに動き出すシーンがいろいろ出てくる。
そもそも"「ジェッツ」に入って全米優勝!"という夢を持っていた主人公・わかば(土屋太鳳)は、高校受験に失敗し、平凡な高校生活を送っていた。
そんな彼女の心を動かしたのは、転校生・桐生汐里(石井杏奈)であり、わかばの夢を叶(かな)えていた姉(新木優子)だった。

ロケッツが部員8人を集め正式な部となったのも、不登校気味だった茉希(山本舞香)と学級委員長(佐久間由衣)を、最後の最後で動かしたから。その際わかばが全校生徒を一喝して叫んだ言葉「人の夢を笑うな」は秀逸だった。

そして最初の大会で大失敗をした8人。打ちのめされた彼女たちを立ち直らせたのは顧問(オダギリジョー)。一人一人への語り掛けは、見る者の心に染み入る言葉の連続だった。

その後も、人を動かすシーンが次々に出てくる。
親友だったのに、いつのまにか対立してしまったチアリーダー部のキャプテン(堀田真由)。彼女との溝を埋めて、チアリーディングに参加させるまでのプロセスは、容易にできることではない。かくして部員は20名となり、いよいよ夢の実現に向け本格的に始動した。

ところが顧問が事故にあい、部は存続の危機に陥る。
廃部を迫るメンバーの父親。しかし教頭の心を動かし、部はピンチを逃れる。

そして7話では、妙子(大友花恋)の父が腰を痛め、お店を手伝わなければならなくなる。練習の遅れから、妙子と周りとのズレが目立つようになり、メンバーは彼女の離脱を考えるようになった。ところがわかばは、「悩むところが違ってた、レベルの足りない仲間を切るんじゃなく......」と、皆で協力して遅れを取り戻す道を選び、全員の心を一つにまとめる。

■8話の見どころ

毎回問題が起きては克服してきた同ドラマ。
8話では、ロケッツ立ち上げの張本人・汐里(石井杏奈)が暴力沙汰を起こし、身を引くと言い出した。下敷きとなるのは、スーザン・ボイルが歌う「You'll never walk alone(君はひとりぼっちじゃない)」。
この回については、以下のようなツイートが印象的だった。

「#ウェルカムピンチ の話。"ピンチはチャンス"ってよく言うけど、それより更に前向きな言葉だね」
「めちゃくちゃ感動したし、何より教頭先生がかっこよかったのだ!」
「想いを言葉にする事の大切さを改めて感じました」

視聴率という量的評価だけでは、同ドラマの価値は正しくは測れない。感動という質的評価を、客観的にどう行うか。その必要性を痛感する出来のドラマと言えよう。
感動で見る者の心を洗ってくれる「チア☆ダン」は、いよいよクライマックスを迎える。

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文・鈴木祐司 次世代メディア研究所

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