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綾瀬はるか主演の「義母と娘のブルース」。
いよいよ終盤だが、8話までの視聴率の軌跡を見ると、2年前の「逃げるは恥だが役に立つ」とますます酷似して来た。ほぼ右肩上がりと絶好調の要因を振り返っておきたい。

サムネイル

『逃げ恥』と『ぎぼむす』の視聴率比較


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■視聴率の動向

まず両ドラマのライブ視聴率。
初回は10.2%対11.5%と、「ぎぼむす」が「逃げ恥」を1.3%上回った。ところが2~5話では「逃げ恥」が逆転。その差は大きくても0.8%差、うち2回は0.2%以下という大接戦だった。
そして6~7話で「ぎぼむす」が再逆転したが、さらに8話で再々逆転が起こっている。二転三転の大接戦は、終盤までもつれこんでいる。

ところがタイムシフト視聴を含めた総合視聴率となると、少し風景は異なる。
初回で「ぎぼむす」が上回った点は同じだが、2話以降は一貫して「逃げ恥」が先行している。その差も2~6話では2~3%台と、やや差が開いた。
「ビジネスの論理を家庭に持ち込む」「ぎぼむす」の斬新さは強いインパクトを持ったが、「逃げ恥」の「契約結婚から入りながら、実生活の中で感情が変化していく」ロマンチックかつドラマチックな展開は、やはり強かったと言わざるを得ない。
ともに上質な社会派ラブコメディではあるものの、自分の都合に合わせてじっくり見るタイムシフト視聴では、「逃げ恥」に軍配が上がったようだ。
ところが8話では、その総合視聴率も再び差が1%未満となってきた。終盤での「ぎぼむす」の巻き返しも侮れない。勝負は最後までもつれ込みそうだ。

■綾瀬はるかの魅力

「ぎぼむす」の粘り強い視聴率動向は、主演する綾瀬はるかの魅力に寄るところが大きい。
そもそも駆け出しの頃にヒロインに抜擢(ばってき)された「世界の中心で、愛をさけぶ」(04年夏)で、白血病の演技のため、実際に7kg痩せてみせるガッツをみせた。また治療の副作用を表現するため、躊躇(ちゅうちょ)することなく頭をツルツルに剃(そ)ってしまった。こうした体を張った演技は、衝撃をもって視聴者に迎えられていた。
今回の物語の中でも、公衆の面前で土下座したり、おなかに落書きをした腹芸を披露するなど、見る者をハッとさせる演技は初期の頃と変わらない。

大河ドラマ「八重の桜」では、26歳の若さで主役に抜擢された。
米俵を軽く持ち上げる腕力で、性格は自由奔放かつ男勝りという役だった。戦場では男装してスペンサー銃で戦うなど、勇猛果敢な一面をみせた。
16年から18年にかけて放送された大河ファンタジー「精霊の守り人」では、役はより過激に進化した。野獣の決闘のような迫真のアクションシーンは、視聴者を完全に黙らせた。

そして去年秋クールの「奥様は、取り扱い注意」。
身体能力の高さを示す綾瀬のアクションは、ハリウッド映画のワンシーンのような、洗練された動きへと進化した。しかも普通の主婦が持ち合わせる常識が欠如したキャラクターを好演した。的外れなエッチ路線も加わるなど、絶えず進化する演技は鮮度を保ち続けた。

■「ぎぼむす」での魅力

体を使ったアクション芸は、「ぎぼむす」では言葉の格闘技へと進化した。
ビジネスでの交渉シーンやプレゼンコンペ、PTAでの権威的な主婦たちとの舌戦、そして事なかれ主義の教師たちへの説得などだ。言葉を使った格闘では、微妙な間合いや存在感がものをいう。ビジネスライクで沈着冷静な演技は、綾瀬が新たな境地をさらに開拓したように見える。

こうした綾瀬の進化が、ドラマの視聴率にも反映している。
今回の「ぎぼむす」は、初回から8話まででライブ視聴率が4%も上昇した。タイムシフト視聴も含めた総合視聴率でも、3.4%の上昇だ。
綾瀬が次々に見せる新たな側面が、視聴者を逃がさず、評判が新たな視聴者を集めるゆえんだろう。
実は綾瀬が主演する近年のドラマの多くは、初回より2話以降で数字が上がり、クール平均が高くなるケースが増えている。「ホタルノヒカリ2」「今日は会社やすみます。」「奥様は、取り扱い注意」などだ。
いずれも上昇幅は1割を超えている。今や数少ない数字を持っている女優と言えそうだ。

■終盤への期待

「ぎぼむす」6話以降の第2部では、娘・みゆき(上白石萌歌)を育てると共に、主人公・亜希子(綾瀬はるか)は麦田章(佐藤健)をパン職人として育てている。
みゆきは自分の才能をどう発揮するか。ビジネスマインドも含め、着実に成長を始めている。
消費者に受け入れられるパン職人とは何か。章は初めて一人前の社会人になろうとしている。

この成長とともに、ドラマの視聴率も上昇ペースを速めている。
人の成長・自立という要素と、ちょっと風変わりな恋愛要素が加わり、より多くの人がドラマに引き寄せられているのかもしれない。
このあと登場人物はどう成長し、ドラマ自体の人気もどこまで上がるのか。「逃げ恥」の時のように20%の大台突破はあるのか。
最終回に向け、いよいよ見どころが増えている期待作と言えよう。

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文・鈴木祐司 次世代メディア研究所

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