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 マンガ大賞2017を受賞した柳本光晴のコミック「響~小説家になる方法~」を実写映画化した『響 -HIBIKI-』(9月14日公開)。突然文壇に現れた15歳の天才女子高生小説家・鮎喰響(演:平手友梨奈)を巡り、多くの人々の人生が変化していくさまがダイナミックに描かれているが、本作で響の文芸部の先輩にして、自身も小説家を志す高校生・祖父江凛夏を演じたアヤカ・ウィルソンと、メガホンをとった月川翔監督が、作品に込めた熱い思いを語った。

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アヤカ・ウィルソンと月川翔監督『響 -HIBIKI-』(9月14日公開)


【予告編映像】欅坂46・平手友梨奈、北川景子、小栗旬が出演!『響 -HIBIKI-』>>

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■「やりたい」という心からの叫び

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『響 -HIBIKI-』(9月14日公開)
(c)2018映画「響 -HIBIKI-」製作委員会 (c)柳本光晴/小学館


――アヤカさんは学業に専念され、『パコと魔法の絵本』などの出演以来、久々の女優活動です。出演の経緯は?

アヤカ: 原作を読んだとき、ものすごく面白くて、凛夏という役に感情移入してしまいました。響ちゃんとけんかするシーンは、読みながら泣いてしまったぐらい。オーディションの話を聞き、どうしても「やりたい!」と思って受けました。

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アヤカ・ウィルソンと月川翔監督『響 -HIBIKI-』(9月14日公開)


――凛夏のどういったところに感情移入したのでしょうか?

アヤカ: 凛夏は、お父さんに認められたいという思いや、偉大な小説家である父を持つことのプレッシャーなどを感じながら生活していました。私も久々に映画界に戻ってくることに対して、周囲からどこまで成長できているか試されているような気持ちでプレッシャーがあって。周りから感じる、その心境は重なるなと感じました。あと、私自身も、不思議な子に魅力を感じて仲良くなりたいと思うことがあるので、凛夏が響ちゃんと仲良くなりたいと思う気持ちもすごく理解できました。

――オーディションでのアヤカさんはいかがでしたか?

月川: オーディションといっても、候補者と1対1で面談のような形で進めました。3時間ぐらい話をしたと思いますが、そのとき、ブランクが空いている時間をどのように過ごしてきたかを聞きました。アヤカさんの話が凛夏と重なると感じる部分が多かったんです。

――どういった部分が重なると?

月川: 凛夏は、表面上明るく振る舞っていますが、本当は屈折しているというキャラクター。彼女と話をしていて、映画の仕事をしていなかったときの時間を悔やんでいるように、僕には感じられたんです。そのときの感情が、凛夏の屈折した感じに近しいのかなと......。僕は響という存在が凛夏の前に現れたときに感じる"悔しさ"が、彼女の肝だと思っていたのですが、その部分がストレートに表現できるのではと思ったんです。あとは、面談が終わって部屋を出ていくとき「やりたい」って小声でつぶやいたんです。そのとき凛夏をやるのはこの人だと思いました。たくさんある仕事の一つではなく、このキャラクターに勝負を賭けてくるなと感じたんです。

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アヤカ・ウィルソンと月川翔監督『響 -HIBIKI-』(9月14日公開)


――月川監督の話を聞いていかがですか?

アヤカ: 怖いぐらい見透かされていたんですね(笑)。面談が終わって、エレベーターに乗った瞬間、涙が止まらなかったんです。本当に心の内から「やりたい」という思いが出てきたんでしょうね。ブランクが空いていたのは、学業に専念したいという思いがあったからで、後悔はしていないのですが、でもどこかで「もしこの業界でやり続けていたら......」という思いも拭い切れない自分もいました。

――でも女優の仕事を休むことなく続けていたら、凛夏という役には出会えなかったかもしれません。

アヤカ: 本当にそう思います。やっぱりこの仕事は縁なんだなと実感しました。

■一番高いところを目指すなら平手友梨奈とアヤカ・ウィルソンの組み合わせはベスト!

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『響 -HIBIKI-』(9月14日公開)
(c)2018映画「響 -HIBIKI-」製作委員会 (c)柳本光晴/小学館


――響役の平手友梨奈さんは映画初出演、アヤカさんも久々の女優業と、未知の魅力が多い組み合わせになりました。

月川: 響を平手さんにお願いすることになったとき、正直「絶対大変だな」と思ったんです。でもどうしても、平手さんで響を見たいという自分もいた。同じようにアヤカ・ウィルソンにしようと思ったときも、未知数だと思ったのですが、やっぱりこの2人で見たいという気持ちが勝ったんです。安定をとるなら別の人だったかもしれませんが、一番高いところに到達するためには、この組み合わせしかなかった。

――凛夏に対してどんな役作りをしましたか?

アヤカ: 漫画で描かれていない凛夏のバックグラウンドをどう補うか、例えばギャルっぽく見えるには、どうしたらいいかと思って、渋谷の109に行ってギャル見学をしたり、小説家になりたい女の子だから、たくさん本を読んできた子なんだろうということで、私も月に10冊程度本を読んだりしました。

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『響 -HIBIKI-』(9月14日公開)
(c)2018映画「響 -HIBIKI-」製作委員会 (c)柳本光晴/小学館


――天才小説家を映像で表現することは非常に難易度が高いと感じられましたが。

月川: 小説そのものを読ませるわけにはいかない。だからといって周りが天才だと言っているだけでは説得力がない。作者である響の一見破天荒に見える行動が、どれだけ納得できるか、また彼女と接した人が、彼女の作品を読んでどう変わっていくか、こうしたことの積み重ねで「彼女は天才だ」と感じさせることが重要だと考えました。

■月川翔監督「僕の転機となる作品。賛辞でも批判でも意見を聞きたい」

――出来上がった作品を見てどんな印象を持ちましたか?

アヤカ: しっかり凛夏の気持ちを伝えたいと演じたので、見終わった方から「凛夏に感情移入しました」という感想を聞くと、ホッとしました。自分で見ても、しっかりと凛夏の複雑な気持ちを演じ切れたと納得できる部分もありました。

月川: 僕の妻はものを書く仕事をしているのですが、「アヤカちゃんのシーンで2ヶ所泣いた」と話していました。凛夏に感情移入する人は多いのかなと思います。

――久々のエンタメ業界ですが、プロモーション活動を含め、戻って来た感覚はありますか?

アヤカ: 映画って撮影から公開までの間が長いですが、スタッフの皆さんと作っている期間を経て、出来上がって共演者の皆さんと久々に再会し、こうした取材やイベントなどで、作品の思いを改めて聞いたりすることはとても面白いです。この世界に戻ってきて良かったという思いは強いです。これからも女優として頑張っていきたいです。

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『響 -HIBIKI-』(9月14日公開)
(c)2018映画「響 -HIBIKI-」製作委員会 (c)柳本光晴/小学館


――さまざまなチャレンジが内在している本作ですが、月川監督にとっても公開が待ち遠しいのではないでしょうか?

月川: 今回の作品は、自分に正直にというか、誰に頼まれるわけでもなく映画を作り始めたときの感覚が呼び覚まされた感じがしています。出来上がった作品にもとても満足していて、受け取った人がどういった言葉でこの映画を語ってくれるのかとても興味があります。賛辞でも批判でもどんな意見でもいいので、全部聞きたいです。僕にとって転機となる作品と感じたので、東京芸大のとき師事していた黒沢清監督に卒業後初めて「観に来てください」と劇場鑑賞券とお手紙を送ったんです。そのぐらい、思い入れの強い作品になりました。

――最後に座右の銘をお聞かせください。

月川: 以前は「健康第一」と話していましたが、最近体調を崩して、より実感するようになりました。やっぱり健康が第一と思っちゃいますね。

アヤカ: あまり考えたことはないのですが、中学生のとき、学年全体のテーマとして「努力は必ず実を結ぶ」というのがありました。紙に書いて常に机に貼ってある言葉です。

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『響 -HIBIKI-』(9月14日公開)
(c)2018映画「響 -HIBIKI-」製作委員会 (c)柳本光晴/小学館


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平手友梨奈、北川景子、小栗旬、高嶋政伸、柳楽優弥、アヤカ・ウィルソンなど超豪華俳優陣が、『君の膵臓をたべたい』の月川翔監督の下に集結。

(取材・文・撮影:磯部正和)

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アヤカ・ウィルソン(あやかうぃるそん)
1997年8月3日生まれ、カナダ出身。3歳よりモデルとして活動し、2008年に映画『パコと魔法の絵本』でヒロイン・パコを演じ、日本アカデミー賞新人俳優賞を史上最年少で受賞。本作が久々の実写映画出演となる。

月川翔(つきかわしょう)
1982年8月5日生まれ、東京都出身。CMやミュージックビデオ、テレビドラマなどで活躍。2017年公開の『君の膵臓をたべたい』では、興行収入35.2億円を記録し、一躍注目を集める。2018年は本作のほか、『となりの怪物くん』、『センセイ君主』が公開されるなど、次世代を担う注目の映画監督だ。

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
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作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

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