ここから本文です

 川口俊和のベストセラー小説を、「アンナチュラル」や「Nのために」などの人気ドラマの演出を務めた塚原あゆ子監督が映画化した『コーヒーが冷めないうちに』(9月21日公開)。本作で、過去に戻ることができる喫茶店「フニクリフニクラ」で働く女性・時田数を演じたのが、映像業界で引っ張りだこの女優・有村架純だ。

サムネイル

有村架純、『コーヒーが冷めないうちに』(9月21日公開)


 近年、作品ごとにさまざまなキャラクターを演じ分け、高い評価を受けてきた有村が、本作では店に訪れるワケありのお客さんに寄り添うという"受ける"芝居を披露し、また新たな一面を見せた。「断る理由はありませんでした」と笑顔を見せた有村が、魅力いっぱいだったという塚原監督との撮影や、女優としての現在を語った。

【予告編映像】「コーヒーが冷めないうちに」>>

【ミュージックビデオ】主題歌を書き下ろした、YUKI「トロイメライ」>>

----------------------
■塚原あゆ子監督は、女性も男性も惚(ほ)れる人

サムネイル
「4回泣ける」と話題の映画『コーヒーが冷めないうちに』(9月21日公開)


――非常に高い人気を誇る原作の映画化でしたが、有村さんはどんなところに惹(ひ)かれましたか?

有村: すごく話題になっている原作の実写化で、私に声を掛けていただけることが、まず光栄でした。もともとヒューマンストーリーが好きだというのもありますが、今回メガホンをとるのが、塚原監督だと聞いて、さらに『映画 ビリギャル』でお世話になったプロデューサーの方も、この作品に携わっていたので、「ぜひ、やらせてほしい」と思いました。

――塚原監督は、初の映画監督でしたが、現場をともにしてどんな印象を持ちましたか?

有村: すごく男前で潔い方です。それでいて、乙女なところもあってチャーミング。カッコカワイイ監督で、女性も男性も惚(ほ)れてしまうような方です。役者に寄り添ってくださる監督で、これまでもそういう監督はたくさんいましたが、より一歩さらに近づくみたいな方なので、演技をするうえでも、非常に助けられました。

サムネイル
有村架純、『コーヒーが冷めないうちに』(9月21日公開)


――具体的にはどんなところが寄り添ってくれるのでしょうか?

有村: 役を作るうえで「こういう風な感じはどうだろう」とその都度アドバイスしてくれます。監督のなかにしっかりと絵が出来上がっているのでしょう。例えばコーヒーを注ぐときのカット割もしっかりある。そのイメージを分かりやすく現場で伝えてくれるんです。

――ドラマでは活躍されていましたが、初の映画監督でした。そのあたりは?

有村: あまりドラマだから、映画だからという意識はなかったです。ただ、現場に割本が置いてあったりするのは、映画の現場では珍しいことなので、驚いているスタッフさんもいましたね。でもドラマ、映画のそれぞれの良さがしっかりコラボされた作品になっていると思います。

■主演でありつつ"受ける"芝居......正解が出ない難しい役

――数という役は、主人公でありながら、お客さんの聞き役という立場でした。なにか意識したことは?

有村: 主演でありつつ、喫茶店のなかでは主役ではないので、前に出ないぶん、どこまで引いてよいのか、やりながらなかなか正解が出ない難しい役柄でした。お店に来るお客さんは、自分より大先輩の方が多く、その方たちを包み込むような母性を、"受ける"お芝居のなかでどうやって表現したらいいのか、とても考えました。

サムネイル
「4回泣ける」と話題の映画『コーヒーが冷めないうちに』(9月21日公開)


――難役だったとのことでしたが、塚原監督は有村さんを「役者になるべくしてなった人」「核のある、非常に骨太な役者さん」と絶賛しているのを資料で読みました。

有村: そういった言葉をいただけることは素直にうれしいです。でも自分のなかで消化しないようにしています。すごく励みになるし、噛(か)みしめるのですが、そこで安心したらいけないと思うんです。危機感は常に持っていますし、瞬間だけ喜んで、あとは現実に戻ります。

――危機感とは?

有村: まだまだ自分に足りないものがたくさんあることをわかっているので、言葉に喜んでばかりいてはいけないぞという感覚です。

――本作はどんな課題を持って臨んだのでしょうか?

有村: 数は感情が大きく動くわけではないので、存在感をどこまで表現できるかということを意識しました。

――連続テレビ小説「ひよっこ」から映画『ナラタージュ』、そして秋から放送のドラマ「中学聖日記」など振り幅の広い役柄を演じていますが、ご自身のなかでなにか意識していることはありますか?

有村: 大きな幅を持たせるために、次々に役柄をガラっと変える必要はないのかなと思っています。でも当然似たような役柄をやり続けるのは不可能だし、飽きもきてしまう。作品の違うものを、少しずつ、広げては戻っての繰り返しで、いつの間にかどんな役でもこなせる女優になっているのが、理想的だなとは思っています。

■「ときのトンネルをくぐる」...時空を行き来するシーンは注目

――出来上がった作品を見て、どんな感想を持ちましたか? 原作は「4回泣ける」と言われているベストセラー小説でしたが。

有村: 初見はどの作品でも、自分の演技が気になって客観的に見ることができないのですが、それでも泣いてしまいました。涙もろいのかもしれませんが、人が涙を流しているところを見ると、もらい泣きしちゃうんです。感情が伝わるから人は涙を流すわけで、この作品も何度となく涙が出る場面はありました。

サムネイル
有村架純、『コーヒーが冷めないうちに』(9月21日公開)


――時空を行き来する場面は、非常に幻想的でした。CGかと思っていたら実際に撮影されたと聞き、驚きました。

有村: 台本には「ときのトンネルをくぐる」と書かれていて、どうやって表現するんだろうと思っていたんです。そうしたら塚原監督が、ものすごいアイデアを考えていて、みんな驚きました。水を大量に使う撮影で、いったんはプロデューサーから「危ない」ということでNGが出たのですが、いろいろ工夫を凝らしてやってみたんです。

――有村さんも水のなかにもぐっての撮影とお聞きしました。

有村: もぐりました。私、実は泳げないのです。それほど長い時間でもないから大丈夫かなと思っていたのですが、とても怖かったです。久々にビビりました(笑)。

――最後に座右の銘を教えてください。

有村: 好きな言葉は「美しい唇であるためには美しい言葉を使いなさい。美しい瞳であるためには、他人の美点を探しなさい」という言葉です。オードリー・ヘプバーンの言葉なのですが、このお仕事って多くの人と出会います。そのなかで「この人苦手だな」という人もいると思うのですが、そんなとき嫌なところを探すのではなく、良いところを探して好きになれれば、良い連鎖が生まれると思うんです。

サムネイル
有村架純、『コーヒーが冷めないうちに』(9月21日公開)


・・・・・・・・・・・・・・・・
あの日に戻れたら、あなたは誰に会いに行きますか?
「4回泣ける!」と口コミで広がり、本屋大賞にノミネートされた話題の小説がついに映画化。舞台は、とある街のとある喫茶店。店内の【ある席】に座ると、望んだとおりの過去に戻ることができるという。誰もが一度は経験のある「もしも、あの時に戻ることができたら......」という<後悔>の思い。そんな<後悔>を抱えた客たちが、今日も店を訪れる――。
『コーヒーが冷めないうちに』は9月21日公開。

・【感涙エピソード】「反抗期の息子が見てみたい母の顔とは」>>

・【感涙エピソード】突然逝った夫に...妻が伝えたいヒトコト>>

・【感涙エピソード】ガンと闘った父...離れて暮らす娘の後悔>>

・【感涙エピソード】今も心の支え。幼い頃に旅立った兄へ>>

(取材・文・撮影:磯部正和)

有村架純(ありむら・かすみ)
1993年2月13日生まれ、兵庫県出身。2010年女優デビューすると、2013年放送の連続テレビ小説「あまちゃん」で、小泉今日子演じる天野春子の若き日を演じ、人気を博す。2015年公開の『映画 ビリギャル』では、金髪女子高生を演じ、第58回ブルーリボン賞主演女優賞をはじめ、数々の賞を受賞。本作以降も、映画『かぞくいろ -RAILWAYS わたしたちの出発-』や『フォルトゥナの瞳』などの出演作が控えている。

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

Facebookコメント
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。
PR

最新記事

rss

もっと見る

本文はここまでです このページの先頭へ