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来年、デビュー30周年を迎える東京スカパラダイスオーケストラが、アニバーサリー第一弾として両A面シングル「メモリー・バンド / This Challenger」を9月26日にリリースする。

本作は、彼らがゲストボーカルを迎えずにリリースする"歌モノ"のシングルとしては、2011年3月の「Break into the Light ~約束の帽子~/The Sharing Song ~トリコのテーマ~」以来、何と7年6カ月ぶり。しかも、「銀河と迷路」の再来を思わせるようなメロディアスな楽曲「メモリー・バンド」と、ライブやフェスで盛り上がること必至の楽曲「This Challenger」という、"現在進行形のスカパラ"を象徴するような内容となっている。

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東京スカパラダイスオーケストラ、両A面シングル「メモリー・バンド / This Challenger」を9月26日にリリース


そこで今回は、2曲のボーカルを担当した谷中敦(バリトンサックス)、沖祐市(キーボード)、加藤隆志(ギター)、そして茂木欣一(ドラムス)の4人に、本作の制作エピソードについてはもちろん、4人にとって、バンドとは? スカパラとは? そんな壮大なテーマついても尋ねてみた。

【ミュージックビデオ】「メモリー・バンド」(両A面シングル「メモリー・バンド / This Challenger」より)>>

【ミュージックビデオ】これまでの楽曲ほか>>

■ すごくメロディを大事にした「メモリー・バンド」、もう1曲は"スカバンド"っていうのを意識したものに

──ゲストボーカルを迎えない、歌モノのシングルというのは7年6カ月ぶりです。このタイミングでまた自分たちで歌おうと思ったのは?

茂木: 7年6カ月ぶりか、改めて考えるとすごいね(笑)。でも、来年でスカパラがデビューして30年という話もあり、改めて自分たちの立ち位置を確認するというか。スカパラはこのところずっとフィーチャリング・ボーカルが続いていて。僕らは常にチャレンジ精神いっぱいで取り組んでいるつもりなんですが、外側から見てるとだんだんその状況って慣れてくるところあるじゃないですか。「はいはい、またフィーチャリングね」的な。それに、フィーチャリング・ボーカルっていうのは、その人も責任を負ったりプレッシャーに感じたりするところもあって。だったら改めて僕ら9人だけで、責任持って音源を出してみようと。そういう気持ちが「節目」というタイミングもあり、沸々と湧き上がっていたのかもしれないです。

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東京スカパラダイスオーケストラ、両A面シングル「メモリー・バンド / This Challenger」を9月26日にリリース[CD+DVD]


──両A面というのは最初から決まっていたのですか?

加藤: これは欣ちゃん(茂木)の強い要望だったんです。まずは「メモリー・バンド」が候補に挙がったんですけど、実は沖さんが書いたこの曲のモチーフって何年も前から温めていたもので。僕らにとって、大事なタイミングで使いたい楽曲だったんです。で、今回は僕ら9人だけでシングルを出すと決まった際に、「このタイミングしかないだろう」ということでまず決まりました。

で、「銀河と迷路」の時もそうだったんだけど、久しぶりにメンバーでボーカル・オーディションをやったんです。「この楽曲に一番合う声は誰かな?」って。それで欣ちゃんと沖さんのツイン・ボーカルが決まって。そこからカップリング曲を考えたんだけど、「メモリー・バンド」がすごくメロディを大事にした楽曲だったから、もう1曲はライブとかフェスとか「スカバンド」っていうのを意識したものにしたいなって。それで選曲している中で、僕の作った「This Challenger」が決まったんです。それでこの2曲を並べてみたときに、どちらも今のスカパラを象徴していると思って両A面という形にしました。

■ 人間って裏腹なところがあるからね。弱さは優しさでもあり、強がりは寂しさでもある(谷中)

──「メモリー・バンド」の歌詞はどのようにしてできたのですか?

谷中: バンドそのものについて書いてみようかなと。バンドって思い出と共にあると思うんです。大学の頃、高校の頃に好きで聴いていたバンドとか、今聴いても当時のことを思い出すじゃないですか。友達の顔が浮かんできたりして、バンドも音楽も、思い出を「束ねる」ものなのかなという意味での「バンド」でもあるんです。

──ああ、なるほど!

谷中: スカパラの場合は、脱退したメンバーや亡くなったメンバーもいたし、メンバーチェンジを何度も繰り返してきたバンドなので、一体自分たちはどういう存在なんだろうと思うこともあるんです。もちろん、バンドは夢を与える存在でもあるけど、僕たちにとっては人生そのもので。夢であり、人生であり、たくさんのことが起きて、いろいろな人が入れ代わり立ち代わり関わっていくという、このスカパラという存在について、もう一度考えてみようと思ったんです。それはスカパラだけじゃなく、いろいろなバンドを見ても思うことなんだけど。

──この曲の"楽しすぎて泣いた"というフレーズがグッときますね。

谷中: 人間って裏腹なところがあるからね。弱さは優しさでもあったり、強がりは寂しさだったり。そういう部分を包み隠さず出せるのが音楽なのかなっていう気もしますし、今の時代はより必要なんじゃないかと。そういう意味で、音楽はこれからも僕らにとって大事なものであり続ける気がしますね。

■ 今のスカパラを表現するなら......「先生のいないクラス」

──ちなみに、皆さんがアマチュアの頃に心のよりどころだったバンドというと?

谷中: 僕はヴェルヴェット・アンダーグラウンドやドアーズかな。あとザ・フーとか。高校生の頃よく聴いていました。

加藤: 僕はザ・スミスとブルーハーツが青春でしたね、世代的にも。後に甲本ヒロトさんと一緒に音楽をやれる(2006年「星降る夜に」)なんて、当時は思ってもみなかった。鳥取の田舎に住んでいた高校時代、学ランを着たままブルーハーツのライブを初めて見に行ったこととか、まだヒロトさんには話せてないですけど(笑)。

沖: 僕はチープトリックとか洋楽のバンドから始まって、カリスマ的に好きだったのはプリンスですね。プリンスの前にはもちろんジェームス・ブラウンもいるわけだけど、世代的にはやっぱりプリンスが大きいかな。しかも亡くなったら神様みたいな存在になっちゃったなあと。ちなみにプリンスは『1999』の頃から『サイン・オブ・ザ・タイムス』あたりまでが特に好きでした。

茂木: 僕は高校の3年間、佐野元春さんのコピーバンドをやってたんです。
そのバンドの名前が「くだもの」っていうバンド名だったんだけど、
今回、「メモリー・バンド」のミュージックビデオを作っているときも、共演した高校生たちを見ながら「くだもの」だった頃の自分を思い出しましたよ。

(一同笑)

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東京スカパラダイスオーケストラ、両A面シングル「メモリー・バンド / This Challenger」を9月26日にリリース[CD only]


加藤: なんか、欣ちゃんの話を聞いていたら、今回のジャケットの写真がクラスメートみたいに見えてきたな(笑)。

茂木: 確かにね。スカパラってほんと、いろいろなキャラがいるから。

加藤: それに、例えばフロントマンがバチッと決まっているわけでもなくて、これだけ人数がいるのにみんなイーブンな関係というか。そういうところもクラスメートっぽいのかもしれない。外から見たときに、僕らのことあまり知らない人たちは「スカパラ」という総体で見てるというか。「誰々が歌っているバンド」とか、「誰々というギタリストがいるバンド」みたいに、特定のメンバーが際立っている感じがしないと思うんです。

──確かに。

加藤: そうやって考えるとスカパラって面白いですよね。会社でもないし国でもない、家族でもないし友達でもない......(笑)。すごく不思議な感じがする。もしかしたら、強烈なフロントマンやリーダーが入れば、会社っぽくなるのかもしれないけど。

谷中: 物凄く個性豊かで、協調性もあまりないような人たちが組んだ方が、バンドは面白かったりもするからなあ。

加藤: ホント、スカパラってなんだろう......さっきの話でいうと、「教室」みたいなもの?「先生のいないクラス」というか(笑)。

谷中: 「先生のいないクラス」っていい言葉だね(笑)。しかも、今の話を聞いてて思ったけど、スカパラって若いですよね。「This Challenger」で僕は、"This tiny Challenger Is trying to be a Champion So please stay with me I'm gonna be the one that you love(このちっぽけなチャレンジャーが きっとチャンピオンになるから どうか一緒にいてくれないだろうか)?"という歌詞を書いて、若い人たちへエールを送るつもりだった。でも、実は自分自身もいまだにチャレンジャー気分でいますからね、来年デビュー30年を迎えるというのに(笑)。「スカパラって、先生のいないクラスだね!」なんて、無邪気に言い合えるのが素晴らしいなと思います。

加藤: 僕ら、毎年必ず海外へ行くのも、新しいお客さんに見せるとか、キャリアが通用しないところで勝負するとか、そういうチャレンジ精神があるからだと思うんです。

谷中: そうだね。今までの自分のキャリアや肩書が通用しないところへ行くことで、人間は成長するんだと思います。今まで自分が培ってきた、ノウハウでなんとかなるような場所から離れたときに「自分って何だろう?」と思うし、本当に自分が持っているものは何かを確認できると思うんです。本当の意味で「人生の時計」は進んでいるんだろうか? とかね。だから、バンドとしていろいろな場所へ行くことが、成長につながっているのかも知れないと、いま話しながら改めて思いました。

両A面シングル「メモリー・バンド / This Challenger」を9月26日にリリース。

【ミュージックビデオ】「メモリー・バンド」(両A面シングル「メモリー・バンド / This Challenger」より)>>

『CD』
01 メモリー・バンド
02 This Challenger
03 白と黒のモントゥーノ Organ Soul ver. Live at SHIBUYA CLUB QUATTRO (from 2018 TOUR「SKANKING JAPAN」"燃やせ、揺らせ"編)

『DVD』
01 メモリー・バンド Music Video
02 「GLORIOUS」プレミアムライブ at 東京キネマ倶楽部

【ミュージックビデオ】これまでの楽曲ほか>>

◆ 東京スカパラダイスオーケストラ
ジャマイカ生まれのスカという音楽を、自ら演奏する楽曲は"トーキョースカ"と称して独自のジャンルを築き上げ、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、南米と世界を股にかけ活躍する大所帯スカバンド。現在のメンバーは9人。1989年インディーズデビューし、来年30周年を迎える。
座右の銘は「無謀にもノーボーダー」(4人)

(取材・文/黒田隆憲)

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作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

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