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有村架純が中学教師役で、"禁断の愛"に挑戦するTBSドラマ「中学聖日記」。
"禁断の愛"といえば、1993年に大ヒットした、野島伸司原作の「高校教師」が思い出される。真田広之と桜井幸子のもどかしい関係に、胸キュンした10~20代は既に30~40代。四半世紀を経て、平成最後の"禁断の愛"に、視聴者はどう心を撃たれるだろうか。

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Kasumi Arimura, Feb 4, 2016 : The 40th Elan d'or Award ceremony in Tokyo, Japan on February 4, 2016. (写真:田村翔/アフロ)


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■思春期の物語

「生徒と教師」という、決して許されない関係だからこそ、恋愛の渦に飲み込まれ、理性を保とうとすればするほど、感情と欲が恍惚(こうこつ)とあらわになり、恋を破滅へと導いていく。
去年の秋ドラで井上真央が演じた「明日の約束」でも、高校生男子が井上真央演ずる学校の心理カウンセラー教師に、恋心を抱いていた。しかも"毒親"との関係に悩みながら、物語の序盤で自殺するという危うい思春期の心を扱っていた。
今回の「中学聖日記」は、恋愛対象がさらに若年化した。女性教師と男子中学生の恋は、果たしてどんな展開を見せるのか。「高校教師」に並ぶ、劇的なドラマが待ち受けているのだろうか。

■第1話の概要

主演の有村架純は、2013年の連続テレビ小説「あまちゃん」で大ブレイク。
舞台や映画に出演し、『ビリギャル』ではアカデミー賞主演女優賞を受賞した。さらに『ストロボエッジ』との2作品でブルーリボン賞主演女優賞を獲得し、2016年の紅白歌合戦では司会を務めるなど、わずか3年で国民的な女優に上り詰めた。

今回の第1話では、新人教師・末永聖(有村架純)が、中学3年のクラスの担任になった始業式から始まり、3年1組の生徒、黒岩晶(岡田健史)が聖に「先生、好きになっちゃいました」と告白したところで第2話へと続く。
ストーリー設定が学校ということもあり、展開は淡々と進んでいく。それでも所々に共演者のインパクトある演技がちりばめられ、程よいスパイスとなっている。

■キャスティングの妙

子星中学の教頭・塩谷三千代(夏木マリ)は、身も心も昭和のオールドファッションをまとい、聖の服装・行動・指導の仕方などへ痛烈なダメ出しをする。
「いくら注意しても、し足りない。危ういんです。中学生は!」
この夏木マリの演技が強烈で、「今どきいる?」と思わせるが、どこか本当にいそうな感じが子星中でマストな存在となっている。

またプライベートなシーンでも、聖の教育実習時代の指導担任だった先輩・丹波千鶴(友近)と聖の現実的な女子トークも、親近感が湧いてくる。

さらに一番のキーパーソンとなりそうなのが原口律(吉田羊)。意味深でミステリアスなキャラクターと、ストーリーにがんがん絡む存在感がすごい。
「"好き"と"幸せ"は、両立しないということ」
このセリフは妙にインパクトがあって、今後のストーリー展開を期待させる名ゼリフだ。しかも吉田羊の口から出てくると、その価値に大きなアルファが加わる。

そして何より、聖を好きになった黒岩晶を演じる岡田健史に注目したい。
新人デビュー作となる今作品だが、セリフでの表現はまだ伸びしろがありそうだ。しかも目線・口元の動き・しぐさなどセリフのない時の演技で、初々しさと青年期のモヤモヤした言葉にならない葛藤を実にうまく表現している。
実際には19歳の元野球少年で、役柄の15歳という設定にしては骨格が出来上がりすぎている。中学生特有の少年のあどけなさが足りないといえば足りないが、もどかしい感じのピュアな演技で、じゅうぶんカバーされていると言えよう。

■演出の妙

演出する音楽も、クオリティが高く面白い。
提供した作曲家は、ヨーロッパでも評価が高い小瀬村晶氏と、前クールの「義母と娘のブルース」でも楽曲提供した信澤宣明氏だ。
田舎の中学校・生徒・校舎と自然が多いシーンでは、チェロやピアノなどのアコースティックな楽器の音色で、シーンと登場人物の気持ちに透明感を与えている。
いっぽう聖の知らないところで、ネットに悪質な書き込みをしたり、家を出た晶の父の秘密が見え隠れするダークな部分になると、シンセやエレクトロを駆使した空間的音楽で、見えない闇に広がりをもたせている。
この対局した2面性が、ドラマに表情を与え、見る者を楽しませている。

正統派の新人教師・聖は、婚約者を裏切ってまで、どうやって禁断の愛に落ちていくのか。
まだかわいいベールをまとっている有村架純の変わっていく姿を追いかけ、待ち受けるカタストロフの瞬間に期待したい。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所

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