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 『転々』や『図鑑に載ってない虫』、『亀は意外と速く泳ぐ』など、個性的な人物と奇想天外なストーリーが特徴的な三木聡監督の最新作『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(10月12日公開)。本作で、声帯ドーピングで禁断の声を手に入れたロックスター・シンを演じた阿部サダヲと、そんなシンに大きな影響を与える、歌声が小さすぎるストリートミュージシャンふうかに扮(ふん)した吉岡里帆が、規格外の作品の撮影秘話を大いに語り合った。

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『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(10月12日公開)


・【特別映像】キャスト紹介『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(10月12日より全国公開)>>

・【特別映像】楽曲紹介『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(10月12日より全国公開)>>

・【ミュージックビデオ】作曲はHYDE(L'Arc~en~Ciel)&作詞はいしわたり淳治「人類滅亡の歓び」>>

・【ミュージックビデオ】作詞作曲あいみょん「体の芯からまだ燃えているんだ」>>

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■阿部サダヲ&吉岡里帆 初共演! 互いに持っていたイメージにギャップが

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『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(10月12日公開)
(C)2018「音量を上げろタコ!」製作委員会


――お二人は初共演とのことでしたが、お互いどんな印象を持っていましたか?

阿部: 皆さんが思っている印象と同じだと思いますよ。かわいらしくてフワフワした感じの人かなと......。でも実際会うと、しっかりされているんですよね。良かったぁと思いました(笑)。

吉岡: 私は『舞妓Haaaan!!!』とか阿部さんの出演作品を劇場で鑑賞していたので、コメディの王様というイメージがありました。会えたらうれしいミーハー心をくすぐるような方だなと。絶対楽しい現場になるだろうなと思いつつ、でも『おまえ面白くないからしゃべるな』みたいなことを言われたらどうしようってドキドキしていました。

阿部: そういう人に見えたの?(笑)

吉岡: 実際はとても楽しい方でしたが、もしかしたら「面白くないやつが現場来ちゃダメだろう!」みたいな感じもあるのかなと、心の片隅で思っていました(笑)。

■鬼才・三木聡監督ワールド全開な完全オリジナル作品

――三木監督の現場はいかがでしたか?お二人とも初めてですよね?

阿部: 最初に吉岡さんと本読みでご一緒して、立ち稽古してから現場に入ったのですが、いきなり現場じゃなくて良かったです。正直、最初三木さんの脚本読んだとき、わけわからないところがありまして......。吉岡さんもそうだと聞いて、すごくホッとしました。

吉岡: 私も、「どういうこと?」という部分がたくさんあって。でも阿部さんはきっと完璧に把握されているはずと不安でした。なので同じ気持ちだったことはすごくうれしかったです。

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『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(10月12日公開)
(C)2018「音量を上げろタコ!」製作委員会


阿部: でも作風からメチャクチャアドリブとか多いのかなと思っていたら、立ち稽古もちゃんとやりましたし、すごく脚本に忠実なんです。すごく練られて作られていることに感動しました。

吉岡: 本当に、間とか距離感とか感覚的なところもすごく大切にされていて、ある意味でシビアな現場でした。やっていると、三木監督の頭のなかに近づきたいっていう使命感が芽生えてくるんです。作品に対する情熱がすごくて、明確な世界が見えてくるので、演じていてとても楽しい時間でした。

――三木監督の世界に合わせていくのは難しい作業でしたか?

阿部: 難しいけれど、それが楽しいんですよね。簡単なことより、難しいことの方が面白いじゃないですか。三木監督が7年もかけて練られたものが、そんな簡単にできるわけないし。監督が笑ってくださるのを一番の楽しみにやっていました。

吉岡:スタッフさんもツボってくれるとうれしくなっちゃいます。

阿部: でも、ずっと見ていてカットがかからないのはきついですよね。カットがかからなさすぎて溺れて死にそうになった事ありましたからね。

吉岡: 撮影中に人が生死をさまよっていて、それを笑えるってすごいことですよね。

阿部: ホント、自分じゃなかったら笑えるんだけれど、詳しく話したくないぐらい辛かった(笑)。

吉岡:撮影初日のシーンで、阿部さんが体を張っているのを見ていたので、こっちも全力でいかなければと気合が入ったのは事実です。しっかり阿部さんの横に並んで走り切るんだという気持ちは強くなりました。

■「やらない理由を探してんじゃねーよ」など、心に響くセリフの数々

――お二人は対峙(たいじ)するシーンが多かったですが、お互いになにか意識していたことはありましたか?

阿部: 相性もあるのかもしれませんが、前準備がいらずに「おはようございます」からそのまま入れました。

吉岡: 本当に「今日寒いですよね」なんて話からスッと入れました。お互い作品を心から楽しめている感じだったので、阿部さんがゲラゲラ笑っているだけで、作品の世界に入れるんです。本当に楽しい現場でした。

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『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(10月12日公開)
(C)2018「音量を上げろタコ!」製作委員会


――ふうかは声が小さいという特徴を持った役柄でした。すごく難しかったのではないですか?

吉岡: 大声を出してはいけないというのは、鎖をはめられているような気分でした。大きな声を出すことで伝わることもあるじゃないですか。劇中、腹が立つセリフを言われても、小さい声でしか応戦できない。最初は戸惑いました。でもそのフラストレーションが、最後に向けて昇華されていくためのエネルギーになっていったのかもしれませんね。

――劇中、心に響くセリフが数多く出てきますね。

阿部: ロッカーという役を借りて発しているからストレートなことを言っても違和感がなかったというのはありました。「やらない理由を探してんじゃねーよ」とか、すごくちゃんとしたメッセージですよね。

吉岡: 「やらない理由を探してんじゃねーよ」は三木監督自身が、娘さんに伝えたいメッセージらしいんです。「好きなことやっていいんだよ。怖がるなよ」ってとても愛情に溢(あふ)れた言葉ですよね。三木監督が一歩踏み出せない人たちにエールを送っているのかなと感じました。

――「やらない理由を探してんじゃねーよ」という言葉、これまでのご自身の人生に当てはまる場面はありましたか?

阿部: 部活かな。野球部に入っていたのですが、素振りをしない理由を探すのはうまかったですね(笑)。いつか左打ちになるかもしれないから......とか。だから野球はダメだったんでしょうね。でも芝居を始めてからは、ないですね。どちらかというとダメでも「やっちゃえ」みたいな。役も断ったことないです。ただ、プロモーションとかで、たまにとんでもないことさせられたりするじゃないですか。そんなときはやらない理由を探しちゃいます(笑)。

吉岡: 私も、むちゃぶりが結構苦手ですね。だいたいやってしまうのですが、できるならやらない理由を探して断りたくなってしまいます(笑)。

■おじさんと若い女の子の、バディものロックコメディ

――非常にエッジの効いた作品ですが、どんなところに惹(ひ)かれましたか?

阿部: こういうロックコメディってなかなかないのかなと。しかも、おじさんと若い女の子のバディものって結構珍しいと思うんです。あとは破天荒ながら、登場人物がしっかり成長していくんです。ふうかとか、ずっと見ていたから、最後に向かっていく過程はすごく感動しました。

吉岡: 本当に長い時間かけて構想して、練りに練っている三木監督のオリジナル脚本というのが最大の魅力だと思います。皆さんがこれまで耳にしたことがないようなセリフも聞けると思います。

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『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(10月12日公開)


――これまでの作品のなかでも、かなりインパクトがある役だと思いますが、それぞれ自覚している俳優としての強みがあったら教えてください。

阿部: 俳優をやる前、いろいろな仕事について、いろいろな人に会っていたことかな。こうした普通の経験はどこかにいきていると思うんです。昔は、役者って複雑な環境に育った方がいいのかなと思っていて、なんでこんな普通の家庭に育ったんだって、親を恨んだことはあったんですけれどね(笑)。

吉岡: 自分と関わった人、作品に対してものすごく自信が持てることです。いつどんなものでも、自分が携わった作品は「最高」と思えるんです。

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『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(10月12日公開)


――最後に座右の銘を。

吉岡:「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ。」という小林一三さんの言葉が好きです。どんなに小さなことも全力でやった人は、必ず報われるということです。

阿部: いいね、そういうしっかりしたものあると。俺はなんだろう。「マウンドは俺の縄張りだ」かな。この間、甲子園で活躍した金足農業高校のピッチャーの吉田君が言っていました。

・・・・
この声に、世界がヤラれるっ! ありきたりな常識を覆す、爆音!爆上げ!ハイテンション・ロック・コメディ!! 主演は阿部サダヲと吉岡里帆。千葉雄大、麻生久美子、松尾スズキなどクセが強すぎる大人気個性派俳優も集結。W主題歌は"HYDE&いしわたり淳治""あいみょん"の書き下ろし楽曲。三木聡監督の完全オリジナル作品として、三木ワールドが炸裂している。
『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』は、10月12日公開。

・【特別映像】キャスト紹介『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(10月12日より全国公開)>>

・【特別映像】楽曲紹介『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(10月12日より全国公開)>>

・【ミュージックビデオ】作曲はHYDE(L'Arc~en~Ciel)&作詞はいしわたり淳治「人類滅亡の歓び」>>

・【ミュージックビデオ】作詞作曲あいみょん「体の芯からまだ燃えているんだ」>>

(取材・文:磯部正和 写真:ナカムラヨシノーブ)
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阿部サダヲ(あべ・さだを)
1970年4月23日生まれ、千葉県出身。1992年より松尾スズキ主宰の大人計画に参加。同年に舞台「冬の皮」でデビュー。2007年には『舞妓Haaaan!!!』で映画初主演を務めると、第31回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。その後も数々の映画やテレビドラマに出演。2017年公開の『彼女がその名を知らない鳥たち』では第60回ブルーリボン賞主演男優賞を受賞。2018年12月18日~30日、スパイラルで開催の「30祭」に出演。詳細は大人計画HPにて。http://otonakeikaku.jp/

吉岡里帆(よしおか・りほ)
1993年1月15日生まれ、京都府出身。大学在学中から小劇場の舞台や自主映画で女優活動を行なう。2015年公開の福田雄一監督作品『明烏』でヒロイン役に抜擢(ばってき)。また連続テレビ小説「あさが来た」(15~16年)でメガネが特徴的な田村宜を演じ、一躍知名度を上げる。その後はテレビドラマ、映画に引っ張りだこの若手実力派女優だ。

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
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