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主役は相葉雅紀と動物たち。場所は情緒豊かな神楽坂。
そう、この秋の金曜深夜は、"ほっこり癒やしの1時間"で、多忙な1週間の疲れをとる習慣が出来そうだ。
金曜ナイトドラマ「僕とシッポと神楽坂」は、そんな貴重な番組だ。

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イメージ画像(写真:アフロ)


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■キャスティング

相葉雅紀と言えば、金曜ナイトドラマ「マイガール」(09年秋)で、連続ドラマの初主演を果たしている。そして同枠「バーテンダー」(11年冬)での主役を経て、今回は7年ぶりに獣医師として同枠に戻ってきた。
すでに動物番組「天才!志村どうぶつ園」でレギュラー出演をしている相葉雅紀は、動物との接し方がとても優しい。話すことのできない動物たちも、彼にすっかり心を開いているように見える。動物好きの域をはるかに超えた、生き物たちとの信頼関係を築ける心の持ち主のようだ。

共演者は広末涼子のほか、趣里、ジャニーズWESTの小瀧望、渚(尼神インター)、矢柴俊博、大倉孝二、村上淳、かとうかず子、イッセー尾形といった豪華俳優陣がそろっている。
さらにマスコットキャラクターのような看板犬のダイキチと地域猫のオギをはじめ、かわいらしい動物たちが毎回たくさん登場する。

■物語の設定

高円寺達也(相葉雅紀)の職業は獣医師。小さな診療所の院長(イッセー尾形)が突然姿を消し、彼が診療所を任されてしまう。
神楽坂の風情ある路地と、歩きたいなと思わせる古い坂道。そこにいつもいる猫やいつも通る犬。この町ですれ違う人々の日常を、情緒豊かな詩に変えてしまう街である。
そんな風景が冒頭で流れると、まるで小さな映画館で見るワンシーンのようだ。

「僕とシッポと神楽坂」は、たらさわみち原作のマンガで、集英社クリエイティブ『月刊OfficeYOU』で連載され、今もなお続編とともに人気のある作品だ。

■スタッフの演出力

このマンガの世界を、深川栄洋監督は映画のような世界に変換させてしまう。映画『神様のカルテ』なども手掛けた深川は、温かな雰囲気の作風に定評があるが、今回の"ちょっと不思議な優しい物語"は、彼の魅力を改めて実感する出来栄えだ。
例えば今回では動物たちの目線で撮った低めの情景や、自然がもたらす光の調節が特徴的だ。カット一つずつが丁寧で、優しい風景が出来上がっている。

そして音楽は、林ゆうきが手掛ける。
2017年には「嘘の戦争」「ボク、運命の人です。」「愛してたって、秘密はある。」「植木等とのぼせもん」「今からあなたを脅迫します」の5本ものドラマ音楽を担当した、いま最も忙しく勢いのある劇伴作家だ。
メロディアスなアコースティックサウンドと、シンセを駆使したオーケストレーション。そこに自然の季節音や雅楽の楽器音が加わり、リズムベースを組み合わせるオリジナリティのある創作となっている。特に映像と音量のバランスは、天性のセンスとしか言いようがない。

■ドラマの静かな主張

今や動物と暮らす人は、3人に1人にまで増えている。
外飼いだったペットが減り、ペットではなく家族の一員として、飼い主と共に生きるという考え方が浸透している。
その一方、需要に応じてペット産業は発展し続けている。しかも小型犬の洋服は当たり前となり、ペット用ベビーカー、散歩用靴下まで存在するのは奇妙な現象だ。

そして簡単に飼えるからこそ起きる"ペットの置き去り"や、無責任な育児放棄ならぬ"ペット放棄"が後を絶たないのも現実だ。
どんな事情があろうとも、これらは「命と共に暮らす」という意識の欠落が招く犯罪である。

動物をテーマに描くからこそ、動物に関わる問題を否定的に取り上げることもできる。ところが同ドラマは、そうした対応を批判する一方ではない。
動物たちの傷ついた体と心にそっと寄り添う高円寺達也(相葉雅紀)を通して、生き物に優しく接することで、人間の側の心が温かくなることをじんわり伝えようとしている。結果として、改めてペットという存在について、多くの人に考え直してもらおうとしているようだ。

動物を飼っている人、動物が好きな人、あるいはペットをこれから飼おうという人は、"コウ先生"にたまらなく癒やされる。
金曜の夜に偶然見ただけという人も、気づいたら"来週の金曜日"を待ちわびているに違いない。
理屈抜きに相葉雅紀の優しさで、視聴者は優しいまなざしになるだろう。
"ほっこり癒やしの1時間"は、静かにブレークして行く予感に満ちている。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所

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