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 2017~18年、出演作が次々に公開を迎え、女優として大きく飛躍した池田エライザ。『一礼して、キス』では、恋に奥手な弓道女子高生、『ルームロンダリング』ではこじらせ女子、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』はクールな女子高生、そして最新作『億男』(10月19日公開)では、男性を「億男」「雑魚」と分類するパーティー好きな女性・あきらを演じている。作品ごとにさまざまな顔をみせる池田に、本作の魅力や近年の躍進などパーソナルな話を聞いた。

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池田エライザ 出演映画『億男』(10月19日公開)


【予告編映像】大友啓史×川村元気×佐藤健×高橋一生『億男』>>

■お金がテーマの作品「人とお金ってすごく密な関係」

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大友啓史監督×川村元気×佐藤健×高橋一生『億男』(10月19日公開)


――お金がテーマの作品ですが、どんな部分に惹(ひ)かれましたか?

池田: もともと人とお金ってすごく密な関係だと思っていて、そんな歴史を調べるのも好きだったんです。あと、親がバブルがはじけた時代を生きて、家族なのに私とお金の価値観が違うのも面白いなと思っていました。この作品も、お金が天使のように見えるときと、怪物のように見える瞬間があったりして、とても興味深く脚本を読むことができました。

――初の大友組はいかがでしたか?

池田:大友監督はすごく熱を持っていらっしゃる方です。エキストラで参加されている方にも、一人一人なぜこの場にいるのかを説明するなど、すごく丁寧に空間を作り上げてくださるので、私も自分の役柄に集中できました。

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大友啓史監督×川村元気×佐藤健×高橋一生『億男』(10月19日公開)


――あきらという役は、佐藤健さん演じる一男にとって、すごく重要な役割を果たす女性でしたね。

池田:あきらは、すごく好奇心がありつつ物事を俯瞰(ふかん)で見ることができるバランス感覚を持った女の子。そのバランスを、どの場面でみせたり、隠したりするかさじ加減が難しかったです。あきらの内側を見せすぎると、飄々(ひょうひょう)とした良い部分がなくなっちゃうし、でも隠しすぎると、なにも考えていないように見えてしまう。難しいぶん、やりがいはありましたし、楽しかったです。

■10代からの変化――いまは自分の発信するものを面白がってもらえたらうれしい

――ここ1~2年出演作品が続いていますが、ご自身のなかでなにか変化を実感できる部分はありますか?

池田:10代のころって見え方をすごく気にしていて、求められていることに対して応えていきたいという思いが強かったです。でもいまは自分が発信するものに対して、面白がってもらえたらうれしいなという気持ちに変化してきました。同時に、現場でご一緒する人たちと同じ作品を作っていくという工程がとてもいとおしく感じています。そこで巡り合った人たちと、またどこか違う形で会えたらなという気持ちが、縁として続いているのかもしれません。

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池田エライザ 出演映画『億男』(10月19日公開)


――役柄も多岐に渡り、さまざまなエライザさんが楽しめますね。

池田:役柄を通して私という人間を見る人も多く、世間のイメージと自分の私生活のギャップが面白いと感じることが増えています。純粋に楽しんでいます。

――役のイメージが本人のイメージとリンクして見られるというのは、役者としては大成功じゃないのですか?

池田:私生活も役柄のようだと思っていただけるぐらい演じ切れたというのは自信につながったりしますね。

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大友啓史監督×川村元気×佐藤健×高橋一生『億男』(10月19日公開)


■少額のお金とカバン一つで上京

――人とお金の関係に興味があるとおっしゃっていましたが、池田さん自身、いまと昔でお金に対する考え方は変わりましたか?

池田:学生時代はわりと苦労せずに過ごすことができたのですが、この仕事を始めて上京するとき、少額のお金とカバン一つで東京に出てきたんです。住んでいた部屋も、5畳ぐらいで玄関を開ければ下水の臭いがするような場所で、物を置くようなスペースもなかったんです。10代のときにこうしたお金の価値観を作ったので「そのときの自分を忘れない」という思いを常に持っています。いまでも物持ちもいいですし、考え方は変わっていないと思います。

――なぜそのような、お金に対する価値観を植え付けたのでしょうか?

池田:シンプルにお金がなかったということもありますが、ぬるま湯って心地が良いじゃないですか。そこに胡坐(あぐら)をかいてはいけないということを本能的に感じていたのかもしれません。

――這(は)い上がろうというハングリー精神もあったのでしょうか?

池田:そこまで野心的ではなく、どちらかというと、お金がないことが自分にどういう影響を与えるのかという人間論みたいなものに興味があったんです。

――いまでも結構質素な生活を?

池田:少しずつ生活は変わってきている部分もあると思いますが、見失ってはいけないものは理解していると思います。でも、一人旅とか海外に行くときは、結構奮発するので、自分の好きなものにお金を使える瞬間の喜びもちゃんと学んでいると思います。

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池田エライザ 出演映画『億男』(10月19日公開)


――女優、モデル業ばかりではなく、音楽活動や執筆など、幅広いジャンルで活躍されていますね。

池田:好きなことをやらせていただいているということに尽きると思うんです。「これをやったら格好いいかも」みたいな邪な気持ちではじめるものって長続きしないんです(笑)。歌も母親が歌手だから、私もいつのまにか好きになって歌うようになっていたというのが始まり。子どものころは「どうやったらうまく歌えるんだろう」とか「私の歌を聴いてお母さんは泣いてくれるのかな」とか思いながら練習していたんです。本が好きなのも父親の影響です。たまたまそういうものが仕事につながっていくというのは幸運だと思います。

――ビジョンみたいなものは持って生活しているのですか?

池田:人によると思うのですが、私は目標を定めると、そのことに対して価値観を作り上げてしまって視野が狭くなっちゃうんです。だから「好き」や「探求心」を大切に、あまり方向を定めないで進んでいく方がいいですね。

――最後に座右の銘を教えてください。

池田: 座右の銘ではないのですが、ランドセルを背負っている感覚とか、彫刻刀のセットを持っている感覚とか......そういうリアルなものを忘れない気持ち。人ってなんとなく過去を美化してしまうじゃないですか。そこに頼るのではなく、事実を大切にしていこうということは心掛けています。

【予告編映像】大友啓史×川村元気×佐藤健×高橋一生『億男』>>

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お金とは何か? 幸せはどこか? 愛、友情、3億円。すべてを失った男の、お金と幸せの答えを探す"地獄めぐり"が始まる――。
大友啓史×川村元気×佐藤健×高橋一生が仕掛ける、新感覚マネーエンターテインメント。出演はそのほか、黒木華、池田エライザ、沢尻エリカ、北村一輝、藤原竜也。
映画『億男』は10月19日公開。

(取材・文:磯部正和/撮影:ナカムラヨシノーブ)

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池田エライザ 出演映画『億男』(10月19日公開)


池田エライザ(いけだ・えらいざ)
1996年4月16日生まれ、福岡県出身。09年、ファッション誌「ニコラ」の第13回モデルオーディションで、1万4000人のなかからグランプリを獲得し、同誌の専属モデルとしてデビュー。女優としては2011年公開の『高校デビュー』でスクリーンデビューを果たすと、『映画 みんな!エスパーだよ!』(15年)ではヒロイン・美由紀を演じ注目を集める。2017年公開の『一礼して、キス』で映画初主演を務めると、2018年には『伊藤くん A to E』や『となりの怪物くん』、『ルームロンダリング』、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』など出演作が相次いでいる期待の若手女優だ。

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