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3年前に日本中を涙と感動に包んだ日曜劇場「下町ロケット」。
初回視聴率は16.1%で始まり、2話以降は全て初回より高く、しかも右肩上り基調と好成績をおさめた。
今クールの「下町ロケット」も、初回は13.9%とまずまずの出だしだった。やっぱり今回も期待できそうだ。

サムネイル

Hiroshi Abe, The 30th Tokyo International Film Festival, Opening Ceremony at Roppongi Hills in Tokyo, Japan on October 25, 2017.(写真:2017 TIFF/アフロ)


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■盤石の体制

主演の阿部寛がストーリーを力強く引っ張る。
そして土屋太鳳・竹内涼真・立川談春・安田顕・徳重聡・和田聰宏・今野浩喜・中本賢・谷田歩・朝倉あき・倍賞美津子と、共演者は新人からベテランまで強力なメンバーがそろう。
さらに佃製作所チームと家族に加え、杉良太郎・神田正輝・吉川晃司・木下ほうか・尾上菊之助・イモトアヤコ・池畑慎之介・恵俊彰・中村梅雀・古舘伊知郎ら、そうそうたる顔ぶれも控える。勢揃(せいぞろ)いの超豪華キャストで、日曜劇場に大輪の華を咲かせる幕開けとなった。

「半沢直樹」(13年夏)をはじめ、「ルーズヴェルト・ゲーム」(14年春)・「下町ロケット」(15年秋)・「陸王」(17年秋)と続く大ヒット作品の数々。言うまでもなく、池井戸潤のオリジナルワールドだ。
しかも伊與田英徳プロデューサー・福澤克雄ディレクターのコンビが、全作品を主導してきた。今回の「下町ロケット」も、まったく同じスタイルで、感動作となることは間違いなしだ。
しかも音楽も、「半沢直樹」から日曜劇場を盛り上げて来て、池井戸ワールド演出のためには欠かせない服部隆之が提供している。
フレージングの長いオーケストレーション。
気迫あふれる躍動感あるメロディのアレンジ。
殺伐とした緊張感の中に深みを加えた音色。
効果音を巧みに操り、映画音楽からゲーム・ドラマ・アニメとどんな分野でも活躍して来た才能と豊富な知識が、今作でも魅力的な音楽としてちりばめられている。

■「下町ロケット」の見どころ

前シリーズでは、"佃エンジン"と呼ばれるロケットエンジン用バルブシステム開発で成功した。しかもそのバルブシステムを生かした人工心臓弁"ガウディ"を製作し、技術の高さを証明した。
その「佃製作所」が、今回の第2シリーズでは、時代の移り変わりに苦しみながら、会社存続をかけ新たな領域へと挑戦していく。
それは、ロケットで成功した宇宙から、農業用トラクターの"トランスミッション開発"という、天から大地へと舞台を移した闘いだ。

日本を代表する大企業・帝国重工の純国産ロケットを打ち上げる「スターダスト計画」に携わる優秀な社員が集まるシーン。会社カラーの赤いユニフォームを着た社員たちが勢揃(せいぞろ)いし、社長に敬意を払うシーンは、あまりに統制的な映像で、一瞬ドキッとするが、とにかく迫力がすごい。
冒頭のシーンで、このインパクトをドーンと与える演出は、脚本家・池井戸潤と出演者・スタッフすべての気迫が感じられる。現場の緊迫感が、まさに画面からあふれ出ているようだ。

エンジンの部品やシステムなど、技術的な知識になじみのない視聴者には、簡単に理解しづらい分野である。それでもドラマの中で図解解説が簡潔に行われ、「なるほど!」と思った瞬間、すでにこのドラマの面白さに引き込まれている。

■池井戸ワールドの魅力

阿部寛を演じる佃航平の存在感。
太い幹のような揺るぎない信念と夢を持ち続け、実現するために努力を惜しまない。その行動力と決断力は、「こんな会社で働けたら......」と、日本の会社員に夢を抱かせてくれる。
その佃製作所で働く技術者たちは、自分たちの仕事に誇りを持って、研究と技術向上に邁進(まいしん)している。その生き生きと働く姿も、毎日を平凡に過ごし、我慢と忍耐の仕事を続けている庶民にとっては、勇気と希望というスパイスを与えてもらえ、新たな一週間の活力となるだろう。

"最大のピンチに立たされても、夢を持ち努力し続けることで光は見える"
「下町ロケット」の流れをくむ「陸王」(昨秋)では、日本の美しい景色をストーリーの重要なポイントに充てる構成のおもしろさがあった。きっとハッピーエンドになるのだろうと予測できていても、その結末に至るまでのプロセスが見もの。もがき苦しみながら前進する主人公とそのチームたちに、視聴者は共感し、応援しながら、いつの間にか自らチームの一員となってドラマを楽しんでしまう。
そんな池井戸ワールドの魅力は、日本人の国民性と社会のあり方を象徴しているのではないだろうか。
ドラマワールドに、どっぷりつかるのもよし、また違う視点で日本を眺めるのも楽しい。
日曜劇場は、また2018年の年の瀬に向かって、大いに盛り上がることだろう。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所

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