ここから本文です

この秋のドラマシーズンでは、多くのドラマが10月中旬までに始まり、ストーリー前半のクライマックスを迎えている。そんな中、テレビ朝日の土曜ナイトドラマ「あなたには渡さない」が、遅めのスタートを切った。
主なキャストは木村佳乃・水野美紀・田中哲司・萩原聖人。40代の男女が繰り広げる、大人の"こってり濃厚"なラブ・サスペンスの開幕だ。

サムネイル

Japanese actress Yoshino Kimura speaks during the Short Shorts Film Festival & Asia 2018 (SSFF) Award Ceremony at Jingu Kaikan on June 17, 2018, Tokyo, Japan.(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)


【無料配信】「あなたには渡さない」最新話を配信中>>

■4人の曲者

木村佳乃は、バラエティ・ドラマ・映画・CMと、その活躍は止まることを知らない。
愛人とともに妻を殺害しようと企てる夫と、夫の浮気に気付いている妻との波乱のストーリーが展開された「僕のヤバイ妻」(16年春)。次々に暴かれて行く本性を好演した木村は、強烈な存在感を見せつけた。また日テレの人気番組『イッテQ』では、女性芸人を食ってしまうほどの体を張った演技を披露し、バラエティに欠かせない存在になり始めている。

水野美紀も、ドラマ・映画・舞台などに引っ張りだこ。
最近では「黒い十人の女」(16年秋)・「奪い愛、冬」(17年冬)・「FINAL CUT」(18年冬)と、どろどろした展開のドラマに頻繁に出演している。
また前クールの「ラストチャンス~再生請負人~」では、仲村トオルと共演し、変わらぬ美しさとたおやかな演技で、視聴者を魅了している。
今回の「あなたには渡さない」では、初っ端から強かで美しい愛人・矢萩多衣役で登場し、不倫相手の妻・通子(木村佳乃)に強烈な宣戦布告を突き付けている。

ストーリーの舞台となるのは、高級かっぽうの料亭「花ずみ」。その板長を務めるのが、通子の夫・旬平(萩原聖人)。なんとなく演じているように見えるが、優柔不断のような煮え切らないウジウジとした男を見事に演じている。

そしてストーリーの主軸となる四角関係の、最後の鍵を握るのは中堅建設会社社長・笠井芯太郎(田中哲司)。通子の兄の友人でひそかに彼女への思いを抱えていた"いかにも"的な存在だ。

■才能が凝縮

"土曜の深夜"という放送時間もあってか、初回からストーリーは強烈だ。
「あなたには渡さない」というタイトルからも、「男をめぐる女同士の戦いなのでは?」と予想できるが、なんと冒頭から通子が、夫・旬平の愛人・矢萩多衣と会うことになる。しかも会って早々、愛人であることを告げられ、「ご主人をいただきに参りました」と宣告される。
話の展開が早すぎる。ここまで番組が始まってわずか6分、はっきり言ってすごいインパクトだ。

このストーリーの原作は、連城三紀彦氏の小説「隠れ菊」。90年代に刊行された作品だ。
好評を博しドラマ化され、1回目は96年に「ゆずれない夜」として、2回目は2016年に小説のタイトルのまま「隠れ菊」として放送された。
連城三紀彦氏の小説は、ミステリーやサスペンスが多い。恋愛絡みのストーリーにも、スパイスの効いた演出と、視聴者の心を掻(か)き立てる躍動感、そして本をどんどん読み進めて行きたくなるような話の構築力がある。原作のすばらしさが、ドラマの面白さに直接つながっているのが魅力だ。

音楽の演出も面白い。
提供するのは、ドラマからアニメまで、幅広いジャンルを操り、数々のドラマ・舞台・アニメを手掛けている沢田完だ。「14歳の母」「ドクターX」「不機嫌な果実」「奪い愛、冬」と聞けば、音楽を思い出す人も少なくないだろう。
迫力あるオーケストレーションは、女同士の戦いのシーンでは、そのキレの良い音楽とピリピリしたシーンの緊迫感が、面白いほどにマッチしている。

木村佳乃も水野美紀も、妻であり母でありながら美貌をキープし、40代の成熟した女性の魅力に満ちている。女性としての香りと味を放ち、そして夜叉(やしゃ)・鬼畜へと急変する二人の演技が楽しみだ。
「ご主人をいただきに参りました」と平然と言い放つ水野美紀。
平凡な主婦から"戦うおかみ"に武装していく木村佳乃。
二人の女の間や周囲を、右往左往するであろう二人の男の逡巡(しゅんじゅん)と諦念。
四人の俳優たちとともに、物語はどう料理されていくのか。最後まで目を離すことができない作品であることは、間違いない。

【無料配信】「あなたには渡さない」最新話を配信中>>

コラムニスト:はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所

Facebookコメント
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。
PR

最新記事

rss

もっと見る

本文はここまでです このページの先頭へ