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東野圭吾のベストセラー小説を、堤幸彦監督で映画化した『人魚の眠る家』(11月16日公開)。本作で、不慮の事故により「意識不明のまま、回復の見込みがない」と宣告されてしまった娘の両親を演じた篠原涼子と西島秀俊。ともに子を持つ親としてどんな気持ちで作品に臨んだのだろうか。二人が率直な胸の内を明かした。

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東野圭吾のベストセラー小説を、堤幸彦監督で映画化『人魚の眠る家』(11月16日公開)


【予告編映像 1】『人魚の眠る家』(11月16日公開)>>

【予告編映像 2】『人魚の眠る家』(11月16日公開)>>

【ミュージックビデオ】絢香 「あいことば」MUSIC VIDEO (映画「人魚の眠る家」主題歌)>>

■「娘の事故、迫られる究極の決断」......シビアな題材への向き合い方

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東野圭吾のベストセラー小説を、堤幸彦監督で映画化『人魚の眠る家』(11月16日公開)
(C) 2018「人魚の眠る家」製作委員会


――東野圭吾さんの非常に骨太な原作の映画化でしたが、どのような気持ちで作品に入っていったのでしょうか?

篠原: 原作に力があり感動しました。最初に堤幸彦監督とお話したとき、「薫子は芯の強い女性なので、そこさえブレなければ、あとは篠原さんのやり方でやってください」とおっしゃってくれたんです。自分自身も母親としてやりがいを感じ、早く演じてみたいという思いが強かったです。

西島: 台本を読んで、これまでの難病を描いた作品とは少し違うなと思いました。サスペンスとしての面白さがあり、最後は感動が待っている。一方で、深い人間ドラマが描かれていますので、どうやってそれを演じたらいいのか、ハードルの高さに臆する瞬間もありました。ただ、僕自身がこれまで経験してきた人生が、反映されるような役作りができるかもしれない、自分が生きてきたことがプラスになるかもしれないという思いがあり、ぜひ参加したいと思いました。

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東野圭吾のベストセラー小説を、堤幸彦監督で映画化『人魚の眠る家』(11月16日公開)
(C) 2018「人魚の眠る家」製作委員会


――篠原さんは楽しみと話されていましたが、非常にシビアな展開になっていきますが気負いはなかったのですか?

篠原: 私も母親として自分自身のプライベートを重ね合わせるというよりは、薫子という一人の女性として捉えている感じでした。もちろん、子供に対する声掛けや、抱きしめ方などは、実体験が参考になっている部分はあります。

――どのように役へのアプローチをしていったのでしょうか?

篠原: 西島さんとは何回もお仕事をご一緒していますが、お互い結婚もして親になった状態で共演するのは初めてだったので、もし自分たちが今回の状況になったら......みたいなことは話し合ったりしました。実際、脳死のお子様がいるご家庭を訪問させていただき、その子の雰囲気や家庭の様子などを伺う機会もいただきました。もちろん体温も感じたし、成長も感じられるんです。でも演じているときは「自分だったらどうするんだろう」ということではなく、薫子の気持ちに寄り添うことを心がけました。

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東野圭吾のベストセラー小説を、堤幸彦監督で映画化『人魚の眠る家』(11月16日公開)
(C) 2018「人魚の眠る家」製作委員会


西島: 僕も「実際自分の子供が厳しい状況に置かれたらどういう行動をとるんだろう」ということはいろいろと考えました。作品にはフィクション的な要素もあり、人としての範囲を超えてしまっているのかなと思う部分もありましたが、親が子を思う気持ちは理解できましたし、個人的には共感する部分が多かったです。

■西島秀俊は篠原涼子に振り回されっぱなし!?

――お二人は久々の共演ですが、いかがでしたか?

西島: 篠原さんと共演するときは、いつも僕は振り回される役なんです(笑)。最初(『アンフェア』)は撃ち殺されているし、2度目(『溺れる人』)では、篠原さんがアルコール依存症になる役で、メチャクチャな目にあっています。今回も罵倒されるシーンがありましたよね(笑)。

篠原: 確かに、西島さんと共演すると、好き勝手できてすごく気持ちいいんです(笑)。

西島: 今回はお互い結婚して子供がいるなかでの共演でしたが、女性として、人間として深みがどんどん増しているような印象を受けました。篠原さんは役として演じていたと話されていましたが、演技を超えた存在として撮影現場にいるような感じがして、圧倒されっぱなしでした。

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東野圭吾のベストセラー小説を、堤幸彦監督で映画化『人魚の眠る家』(11月16日公開)


篠原: 西島さんも役としても一人の人間としても、どんどん深みが増してらっしゃるなと感じました。対峙(たいじ)して勉強になるという方はたくさんいるのですが、一緒にお芝居をすると自分もうまくなれると感じる人です。

■堤組のプロフェッショナルさに脱帽

――堤幸彦監督とのお仕事は二人とも初めてとのことですが、いかがでしたか?

篠原: とてもユーモアのセンスがある方で、現場の雰囲気を大切に考えてくださる監督だなと思いました。演出も丁寧で「こんなにもいっぱい引き出してくださるんだ」と思うぐらい、次から次へとアイデアをいただきました。

西島: 今回はほぼ順撮りでした。しかも朝現場に入ると、昨日までのシーンの編集が終わっていて、音楽まで入ったものを見せてくださるんです。それを見ながら気持ちを高められるのは、すごくやりやすかったです。あとは非常に待ち時間が短く、気持ちが切れる瞬間がなかった。堤組は夜中まで撮影してハードな現場だといううわさを聞いていたのですが、かなりスムーズな現場で、一度しか起きない感情をしっかり捉えていただけるすごいチームでした。

――細かいカット割りもあまり映像にはありませんでしたね。

西島: カット割りに関しては、クランクイン前に「あまりカット割りせず空気を撮りたい」とおっしゃっていましたね。

篠原: 特徴的だったのは本読みですね。ワンシーンごとに堤監督が、ロケーションや設定などを細かく説明してくれるんです。ビックリしましたし、一気に通しで読むより緊張がほぐれてよかったです。

――子役たちとはどうやって過ごしていたのですか?

篠原: すごく子供らしい子たちでしたね。(事故にあってしまう娘役の)瑞穂は寝たきりの役でしたが、普段はとても元気で明るい女の子。実際のうちの家庭は男の子だけなので、女の子もかわいいなと思いました。息子役の生人は男の子で、接し方は慣れているので、いつも抱っこして癒やされていました。あと西島さんがものすごく面倒見が良くて、子供たちとずっと遊んでいるのがすごいなって。瑞穂はパパのことが大好きになってしまったようで、私と西島さんが話しているのを見ると、ライバル意識を燃やしていました(笑)。

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東野圭吾のベストセラー小説を、堤幸彦監督で映画化『人魚の眠る家』(11月16日公開)


西島: 家族になろうという意識を持たなくても、家族のような感じになれたのは良かったですね。坂口(健太郎)くんなんて僕ら家族の一員じゃないのに、一緒になって遊んでいましたからね。この家族の雰囲気が作品に良い影響を与えていたと思います。

――松坂慶子さんや田中泯さんのベテランとの共演も見どころですね。

篠原: 松坂慶子さんのヒット曲である「愛の水中花」の動画をずっと見ていたんです。とても露出度の高い色っぽい衣装について「どんな気持ちで歌っていたんですか?」なんていろいろと聞いちゃいました(笑)。とても静かで穏やかなお母さんなのですが、いざスイッチが入るシーンがすごいなと思いました。

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東野圭吾のベストセラー小説を、堤幸彦監督で映画化『人魚の眠る家』(11月16日公開)


西島: 泯さんは今回父親役としてご一緒しましたが、『メゾン・ド・ヒミコ』でご一緒以降お話しする機会がありまして。泯さんは世界的なアーティストで、お話ししているとすごく楽しいのですが、どこか超越した方ですね。

――非常にシビアな内容を含んでいる本作ですが、どのような視点で見るといいのでしょうか?

篠原: ただ悲しくて切ない、終わりが見えない作品ではなく、ミステリーとしてハラハラドキドキできる映画です。また悲しい話かもしれませんが、家族が一丸となって希望に向かっていく姿は勇気をもらえます。いろいろな考え方や解釈があるので、この映画を見て「これだ」という答えを見つけ出すことは難しいかもしれませんが、きっとなにか気づきがあると思います。

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東野圭吾のベストセラー小説を、堤幸彦監督で映画化『人魚の眠る家』(11月16日公開)


西島: この映画で描かれているものは究極の母の愛です。また東野さんの作品だけあって、先が読めないサスペンスの要素も色濃く出ています。「どうなるんだろう」と思いながらも、誰もが納得する場所に結論があり、すごく感動できるエンターテインメント作品になっているので、誰でも楽しめると思います。

【予告編映像 1】『人魚の眠る家』(11月16日公開)>>

【予告編映像 2】『人魚の眠る家』(11月16日公開)>>

【ミュージックビデオ】絢香 「あいことば」MUSIC VIDEO (映画「人魚の眠る家」主題歌)>>

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「答えてください。娘を殺したのは、私でしょうか」
愛するわが子の悲劇に直面し、究極の選択を迫られた夫婦――。それは、愛か欲望か? 明かされる真実、想像を絶するクライマックス。衝撃と感涙の東野圭吾ミステリー誕生。
堤幸彦監督、出演は篠原涼子、西島秀俊、坂口健太郎、川栄李奈、山口紗弥加、田中哲司、田中泯、松坂慶子。
映画『人魚の眠る家』は、11月16日(金)公開。

(取材・文:磯部正和/撮影:ナカムラヨシノーブ)
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篠原涼子(しのはら・りょうこ)
1973年8月13日生まれ、群馬県出身。1990年アイドルグループ・東京パフォーマンスドールのメンバーとしてデビュー。1994年、小室哲哉プロデュース作「恋しさと せつなさと 心強さと」をリリースすると、累計200万枚を超える大ヒットを記録する。同時に女優としての活動も力を入れ、2001年には蜷川幸雄演出の「ハムレット」で舞台初出演。その後も、映画・ドラマで数々の作品に参加。2018年は、13年ぶりの舞台「アンナ・クリスティ」で主演を務めるほか、映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』でも主演を務めた。座右の銘は「初心忘れるべからず」。

西島秀俊(にしじま・ひでとし)
1971年3月29日生まれ、東京都出身。1994年の「居酒屋ゆうれい」でスクリーンデビュー。規模の大小に捉われず、さまざまな映像作品に参加し、俳優としてのキャリアを積む。座右の銘は「回り道を恐れない」

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
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