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絢香が約3年半ぶりのオリジナルアルバム『30 y/o』(読み:サーティー・ワイ・オー) をリリースした。映画『人魚の眠る家』の主題歌「あいことば」や初の卒業ソング「サクラ」、三浦大知、KREVAとのコラボレーション楽曲も収録された今作は30代となった絢香が"未来"を見据えて放つ作品。時代の変化に対し、デジタルの良さもアナログの良さも知る世代からのメッセージも盛り込まれている。誇らしく強く歩んでいきたいという絢香の思いとは?

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絢香が約3年半ぶりのオリジナルアルバム『30 y/o』をリリース


【ミュージックビデオ】絢香 「あいことば」MUSIC VIDEO (映画「人魚の眠る家」主題歌)>>

【予告編映像】篠原涼子 西島秀俊 出演の映画『人魚の眠る家』>>

■時間ってアッという間に過ぎていくんだなって

――5枚目のオリジナルアルバム『30 y/o』は"時間と変化"をコンセプトに制作されたということですが、時の流れや変わっていくことを意識したのは30才という年齢と関係がありますか?

絢香: あります。30才という節目を迎えて、より意識するようになりました。18才でデビューしてからの濃い月日を思っても、時間ってアッという間に過ぎていくんだなって改めて感じたんです。時間には限りがあるので、その中で"自分はこれからどういう歌を歌っていきたいんだろう"、"どう生きていきたいんだろう"って、これからのことをすごく考えるようになりました。

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絢香が約3年半ぶりのオリジナルアルバム『30 y/o』をリリース


――以前から30才を大きな節目だと考えていたんですか?

絢香: またひとつ大人になるというか、地に足が着くイメージはありました。1人の女性として自分が選択してきたことを誇らしく強く歩んでいきたい、と感じていたタイミングでもあったので構想を考えていたというよりも"曲を書きたいな"、"アルバム出したいな"と思った時期が節目の年と偶然、重なったんです。

――アルバムは収録曲の中でも明るいトーンの軽快なナンバー「カラフル!!」で幕を開けます。今を"色のない時代"と表現して"私らが色になる"と歌われていますが、この曲が生まれた時のエピソードを教えてください。

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絢香: 「カラフル!!」はホントに前向きな曲ですね。"自分史上最高の人生に幸あれ"という歌詞が出てくるんですが、最高な人生にするのも全ては自分次第だなって。その中で、いちばん伝えたかったのは大サビのメッセージなんですが、私たち30代って古き良き時代と新しい時代のはざまに位置している感じがするんです。例えば、私が学生の頃はまだ携帯も普及してなくて、家の電話で友達と遊ぶ約束をしていたし、公衆電話から家に電話をかけていたんです。その後、どんどんいろいろなものが進化していく時代の良さや便利さも感じているし、今は情報があふれているから検索すればすぐに答えが出てくる。でも、その反面、時代の進化と共に「個性」が薄れていく時代なんじゃないかなって。私は今後、AIの時代になったとしても絶対に人にしかできないことや伝えられないものがあると信じてる。色のない時代の中、デジタルとアナログの両方の良さを知っている私たちが、昔からある大切なものを忘れないで新しい色を加えていこうよって、そんなメッセージも込められています。

――絢香さん世代から未来に向けて発信した曲ですね。

絢香: 時代の変化に対応しつつ、普遍的なものを取り入れられるのが音楽だし、今回のアルバムでいうと「サクラ」や「コトノハ」(NHKドラマ10『ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~』の主題歌)、「あいことば」(映画『人魚の眠る家』の主題歌)は人間が生きている限り、100年たっても変わらない感情を表現した曲だと思います。

■「あいことば」は映画があったから生まれた特別な曲

――『人魚の眠る家』の主題歌「あいことば」は絢香さんの切実で愛のある歌に泣かされる曲です。台本を読んでいるときにメロディが浮かんできたということですが、どんなところに心をギュッと掴(つか)まれましたか?

絢香: 映像が頭に浮かんでくる台本だったので、映画を1本見た感覚に近かったんです。読んでいる内に頭の中にイメージがバーッと出てきて、書き上げるまで早かったです。意識不明の状態になってしまった娘と"何としてもこの娘を守るんだ"って奇跡を信じる母の思いが描かれた、考えさせられる素晴らしいこの作品を読んだときに、実際には触れられないし見えないけれど、心で感じてつながれる...そんな言葉を捜していました。そこで出てきたのが最初の"透明な愛言葉"というフレーズです。

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絢香が約3年半ぶりのオリジナルアルバム『30 y/o』をリリース


――そういう愛情表現も今の絢香さんだからこそだと思いますが。

絢香: 心から深く愛する存在と別れた後の世界にも、希望や救いを求められたらな...そんな言葉で描きたいなと思いました。愛することや生きることについて改めて深く考えさせられたし、映画があったからこそ生まれた曲です。感謝していますし、私にとってすごく特別な曲になりました。

――映画のシーンがインサートされているミュージックビデオには雨が降る中、窓辺で歌う絢香さんが映し出されていますが、リクエストしたことは?

絢香: 私が歌うリップシーンは、幻想的な世界観にしたいと思ったので"水と光"というイメージだけ監督に伝えました。映画のシーンをミュージックビデオに入れるのは初の試みだったんですけど、より曲の持つメッセージが伝わると思ったので歌っている場面は具体的ではなく世界観を重視しました。

■未来を考えるヒントやキッカケになってくれたら

――アルバムは「Woman」から「ディジー」、「365」の流れも印象的でした。
「Woman」には女性がもっと活躍する時代になったら世界も変わるというメッセージが込められているんですよね。

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絢香が約3年半ぶりのオリジナルアルバム『30 y/o』をリリース


絢香: そうですね。昔に比べると女性もどんどん前に出ていく時代になりましたけど、私のまわりだけを見ても育児に追われて自分の夢ややりたいことをあきらめている女性の話を聞いたりするので、仕事と育児の組み合わせを女性がもっと自由に選べるようになったら、もっと良い世の中になっていくんじゃないかなって。強く前に進んでいきたい女性の思いを代弁しています。
「ディジー」は「カラフル!!」に通じるメッセージがあってライブ感のあるアレンジ。「365」も「ライブでみんなで歌える曲になったらいいな」と。大サビにゴスペル調のテイストを入れられたのも気に入っています。「パマラ」と「365」はKan Sanoさんというアレンジャーの方に初めてお願いしたんですけど、新しい風を吹かせてくれて。

――いろいろ新発見があったんですね。

絢香: 楽しかったし、今回は枠にとらわれずサウンドも含めて振り幅の広い楽曲を入れられたんじゃないかと思います。

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絢香が約3年半ぶりのオリジナルアルバム『30 y/o』をリリース


――KREVAさんとコラボした「Glory」もまさにそうですものね。

絢香: そうですね。ヒップホップの曲を作るのも初めてでしたけど、すごく新鮮で楽しかったし、学ぶことが多かったです。これからも怖れずにチャレンジして新しい世界を広げたいなと思いました。アルバムには"未来"というワードがいくつか出てくるんですが、聴く人の未来を感じられて、これからのことを考えるヒントになったり、何かしらのプラスになってもらえたらこんなにうれしいことはないですね。

――最後に12月からスタートする全国ツアーについてメッセージを。

絢香: 今回はピアノ、ギター、パーカッション、チェロという編成のバンドと回るんですけど、ずっとやってみたかった編成なんです。私のライブはクリックもイヤモニもないし、同期もいっさい使わないのでその日、その日のテイクが毎回、生まれる。アルバムの曲もあらためてアレンジされるので"ライブ感"を存分に味わってもらえると思うし"気持ちいいな"と感じてもらえる内容にしたいですね。

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【ミュージックビデオ】絢香 「あいことば」MUSIC VIDEO (映画「人魚の眠る家」主題歌)>>

【予告編映像】篠原涼子 西島秀俊 出演の映画『人魚の眠る家』>>

(取材・文/山本弘子)
(撮影/ナカムラヨシノーブ)

◆絢香
1987年12月18日生まれ。大阪府出身。2006年2月「I believe」でデビュー。
「三日月」がオリコンウィークリーチャートの1位を記録し、ファーストアルバム『First Message』がミリオンセラーとなり、紅白歌合戦への出場も果たす。2年の活動休止期間を経て2012年に復帰。2014年にNHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」の主題歌「にじいろ」をリリースし、ロングランヒット。2016年にデビュー10周年を迎えベストアルバム『THIS IS ME~絢香 10th anniversary BEST』を発表し、全国アリーナツアーを開催した。最新アルバム『30 y/o』を掲げての全国ツアー「絢香"30 y/o"Tour 2018-2019」を12月から開催。座右の銘は「感謝の気持ちを忘れずに」。

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作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

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