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シンガー・ソングライターのビッケブランカが、前作アルバム『FEARLESS』から1年4ヶ月ぶりのセカンド・フルアルバム『wizard』を11月21日にリリースする。

ヒネリの効いたコード進行と、予測不能に動き回る、それでいてポップでキャッチーなメロディ、美しいファルセットからバリトンヴォイスまで使い分ける、マジカルなボーカル。そうした「ビッケブランカ印」はそのままに、今作ではキラキラのクリスマス・ソングからヘヴィロック、そしてEDMまで前作以上にさまざまなスタイルの楽曲が並ぶ。それでいて、決して散漫にならず「冬のアルバム」として統一感を醸しているところは、まさに「ポップスの魔術師(=Wizard)」の名にふさわしい。

来年早々からツアーも控えているビッケブランカに、アルバム制作について聞いた。

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ビッケブランカ、フルアルバム『wizard』を11月21日にリリース


【LIVE映像】ビッケブランカ 「TARA」(from 「ULALA TOUR 2018@SHIBUYA TSUTAYA O-EAST」) ※「wizard(CD DVD)」初回盤に収録>>

【ミュージックビデオ】ビッケブランカ、これまでの楽曲>>

■自分でテーマを定めないからこそ、選択肢も多いしフィールドが広いからいくらでも書ける

──ファースト・アルバム『FEARLESS』から、1年4ヶ月ぶりのセカンド・アルバムです。この間はビッケさんにとってどんな年でしたか?

ビッケ: まず、シングルを初めて出しました。それからツアーがあり、タイアップがあり、ちょっとずつ変化はしていて。緩やかな上り坂を、ゆっくりと歩いている感じです。

──曲作りも相変わらず順調ですか?

ビッケ: ファーストの頃と変わらないメンタリティで作りました。が、人間の経験値が多少上がって成長している部分はある......と言いたいですね。例えば歌詞のアプローチとか、サウンドのスケール感など、自然に、必然的に大きくなっているのかなと。

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ビッケブランカ、フルアルバム『wizard』を11月21日にリリース


──ファースト・アルバムの時は、特にコンセプトを決めず作りながら徐々にテーマが見えてきたとおっしゃっていました。今回はいかがですか?

ビッケ: 同じです。アルバムは12曲入りなんですけど、10曲目ができたあたりでアルバム名が見えてきました。「キロン」とか「Smash(Right This Way)」あたりですね。

──セカンドということで、プレッシャーみたいなものはありましたか?

ビッケ: 全然、何もなかったです(笑)。

──わりと、ファーストで持ち札を全て使ってセカンドはまっさらな状態から作り始める人って多いと思うんですけど。

ビッケ: 曲はいつも書いてばかりいるので、枯渇するということもないです。自分でテーマを定めないからこそ、選択肢も多いしフィールドが広いからいくらでも書けるというか。最初にテーマを決めてしまうと、「そこに定まる曲にしなきゃ」ってなりますけど、何も決めずに遊んでいるうちにいつの間にか曲になっていたという場合が多いですね。その方が自分自身も大らかでいられるし、楽曲も伸び伸びすると思っています。

■「多面性」って、何かを形容しているようで何も形容していないとも言えるんじゃないか? と思う

──『wizard』という名前には、どんな思いが込められていますか?

ビッケ: 今回セカンドということで、ビッケブランカの「V」を2つ並べて「W」。Wから始まったら面白いかなということを、曲がまだ1曲もそろってない時から何となく考えていて。で、そんなことも忘れながら曲を書きためていったときに、「『Wisdom』はどうだろう?」とレコーディングの後半にふと思ったんですね。いろんな楽曲の、いろんな歴史、音楽的なギミック、様式美、いろんな「智慧(ちえ)」が詰まってるという意味でもつじつまが合うかなと。

──なるほど。

ビッケ:でも、自分で「Wisdom」とか言って出すのもなんかどうなん? という気持ちもあって。

──(笑)。

ビッケ: そこからまたいろいろ考えて、「Wizard」という言葉の響きに惹(ひ)かれたんです。ビッケブランカ の音楽はよく「多様性」とか「二面性」とか、そういう形容詞で語られることが多いんですね。それはすごくうれしいことだし目指していることでもあるんですけど、同時に「多様性」って何にでも使える言葉だなとも思っていて。

──というのは?

ビッケ: 例えば、これと言った1本筋の通ったメッセージ性もテーマ性もなく、ただ漫然と作っただけの散漫なアルバムに対しても「多面性」という言葉で説明がつくじゃないですか。つまり「多面性」って、何かを形容しているようで何も形容していないとも言えるんじゃないか? と思うわけです。残念ながら、僕もまだその枠の中にいると自覚しているんです。ほんと、全てにおいてノンジャンルで好き放題作っちゃっているところがあるので。それでも有無を言わさないためには、このやり方をもっともっと突き詰めるしかないなと。」

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ビッケブランカ、フルアルバム『wizard』を11月21日にリリース


「じゃあ、そうやって「多様性」を突き詰めた上位互換のフレーズってなんだろう? って思ったら、「魔術師」とか「マジカル」とか、そういうことなんじゃないかと。だったら、「あらゆる魔法を使える一人の人間」という意味で、「Wizard」をタイトルに持って来ようと思ったんですよね。

──アルバム冒頭のタイトル曲では、ナレーションが入っていますよね?

ビッケ: はい。『魔女の宅急便』のジジの声役を務めていらした佐久間レイさんにお願いして、Wizardである僕をディスってもらいました(笑)。面白おかしく、僕のことを紹介してもらえたらいいなと。

■「今、世界中でこんなに天才が集結している場所って他にあるかな、僕も含めて?」

──実際、前作よりもさらに振り幅の大きな作品になりましたよね。クリスマスソングっぽいものからEDM、ヘヴィロック風の曲まであって。

ビッケ: そうですね。音楽性が大きく変わったというよりは、もともとやりたかった音楽がまだまだたくさんあって、まだやってなかったことに挑戦したという。

──逆に、やりたくないジャンルとか、やらないでおこうと決めているスタイルとかあります?

ビッケ: ないです。必要であれば、演歌でも作りますね(笑)。

──じゃあ、聴く音楽も特に苦手なものとかないんですか?

ビッケ: ジャンルとしてはないですけど、「精神性」としてはあるかもしれないです。あまりにもアングラ過ぎるものは聴かないです。「分かる人だけ分かればいい」というメッセージが伝わってくるものは苦手です。「分かって欲しい」「届いて欲しい」というメッセージがこちらに伝わってくる曲......ほとんどがそうなんですけど、そういうものならジャンルはこだわらず好んで聴きますね。

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ビッケブランカ、フルアルバム『wizard』を11月21日にリリース


──前作では、プリンスの影響でホーン・セクションを入れたとおっしゃっていました。今作を作るにあたって、何かインスパイアされた音楽などはありましたか?

ビッケ: 前作では、自分の中になかった音楽スタイルに関しては、ディレクターに教えてもらうなどしつつ学びながら取り入れていたところがあったんですよ。ホーン・セクションもその1つだったのですが、今作を作るときにはある程度の音楽的知識が頭に入った状態だったので、これといって影響を受けたりインスパイアされたりした音楽はなかったですね。もちろん、この先また分からないことは出てくると思うんですけど、今の段階で自分の中にある知識を総動員して作ったのが本作です。

──レコーディングには、前作に引き続き沖山優司(ベース)やあらきゆうこ(ドラム)、横山裕章(ピアノ)ほか、豪華なミュージシャンが参加しています。

ビッケ: ヤバイですよね。「今、世界中でこんなに天才が集結している場所って他にあるかな、僕も含めて?」って、レコーディングで集まるたびに思います。

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ビッケブランカ、フルアルバム『wizard』を11月21日にリリース


──(笑)。今回、チャレンジングだった曲、苦労した曲はありましたか?

ビッケ: 苦労した曲は1つもなくて。「Winter Beat」はかなり時間をかけましたけど、作業自体はとても楽しかったです。この曲が、今のビッケブランカにとって一番のトレンドなので2曲目にしました。冬っぽくて軽快なリズムで、自分でも驚くようなメロディの動きがある曲。途中の大胆なテンポチェンジや、楽器とメロディが掛け合いになっているところも気に入っていますね。

あと、「Smash」は「俺が本気で世界水準のEDMを作ったらどうなるだろう?」というテーマのもとに作りました。なので英語詞も、日本語的なアプローチで書いたというか。「わびさび」を英語で表現することに挑戦しています。

──例えば?

ビッケ: 英語だったら「I love you」「I needs you」「I want you」で済ませる言葉を、日本人はものすごく遠回しに言うわけじゃないですか。夏目漱石の「月が綺麗ですね」みたいな。そういうニュアンスを英語で書いているので、きっと外国人が聞いたら「So poetic!」って言ってくれそうな気がします。サウンドは、アヴィーチーやスクリレックス、マシュメロと並んでも引けを取らない音圧を目指しました。

──今作は、「Winter Beat」が象徴するように、とても冬っぽくてクリスマスにぴったりという感じです。ビッケさんは、クリスマス・ソングに何か思い入れってありますか?

ビッケ:クリスマス・ソングといえば、ユーミンの「恋人はサンタクロース」一択!って思うくらい大好きですね。とにかく僕は冬という季節が大好きなんですよ。冬生まれっていうのもあるかもしれないんですけど、街並みも好きだし、自分が着る服も好きだし。何もかもが好き。なので、冬っぽいアルバムが作れてとてもうれしいですね。

【LIVE映像】ビッケブランカ 「TARA」(from 「ULALA TOUR 2018@SHIBUYA TSUTAYA O-EAST」) ※「wizard(CD DVD)」初回盤に収録>>

【ミュージックビデオ】ビッケブランカ、これまでの楽曲>>

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フルアルバム『wizard』を11月21日にリリース

★タイアップ楽曲
「まっしろ」:日本テレビ系 水曜ドラマ『獣になれない私たち』挿入歌
「WALK」:アニメーション映画『詩季織々』主題歌
「Buntline Special」:アニメ『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』エンディングテーマ
「Black Rover」:アニメ『ブラッククローバー』4月クールオープニング曲

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ビッケブランカ、フルアルバム『wizard』を11月21日にリリース


【CD】
01 Wizard
02 Winter Beat
03 まっしろ
04 Lights Out
05 ウララ
06 Black Rover
07 Buntline Special
08 夏の夢
09 キロン
10 Smash(Right This Way)
11 WALK(long ver.)
12 Great Squall

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ビッケブランカ、フルアルバム『wizard』を11月21日にリリース


【DVD】
ULALA TOUR 2018@SHIBUYA TSUTAYA O-EAST
01 Get Physical
02 Natural Woman
03 Bad Boy Love
04 Your Days
05 TARA
06 Black Rover
07 Moon Ride
08 Slave of Love
09 ウララ

◆ビッケブランカ
愛知県生まれ。幼少期、読めない楽譜を横目に、妹のピアノに触れてみる。両親の影響で、日本のフォークと洋楽にも慣れ親しみ、小学校高学年で作曲を開始。中高時代は、黙々と楽曲づくりに励み、音楽活動を目標に大学進学のため上京。バンド活動でギター&ボーカルを経験した後、突如思い立ってピアノに転向。携帯電話を捨て、1年間ピアノに没頭した結果、持ち前の集中力と天性の才能で、楽曲制作能力が爆発的に開花し、ソロ活動をスタート。美麗なファルセットボイスと抜群のコーラスワークを、独創性に富んだ楽曲に昇華させ、ジャンルレスにPOPとROCKを自在に行き来する、新しいタイプのシンガー・ソングライター。人柄がにじみ出る、楽しく激しく盛り上がるライヴパフォーマンスも注目度が高い。座右の銘は「しなやかに凛と」。

(取材・文・撮影/黒田隆憲)

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