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池井戸潤作品のヒット作「下町ロケット」続編の勢いが止まらない。
「大企業」VS「下町の中小企業」という構図の中で、叩(たた)き上げのサラリーマンたちの血と涙と汗の戦いぶり。8話までの平均視聴率は13%。世のサラリーマンを初め、全国各地の視聴者に人気を集めている。
阿部寛の主演の他、吉川晃司・森崎博之・尾上菊之助・安田顕・立川談春・土屋太鳳・竹内涼真など、そうそうたる共演者がドラマを盛り上げている。

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Hiroshi Abe, October 25, 2017(写真:2017 TIFF/アフロ)


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■最終回に盛り上がる池井戸ドラマ

池井戸潤原作×TBS日曜劇場といえば、13年「半沢直樹」、14年「ルーズヴェルト・ゲーム」、15年「下町ロケット(第一期)」、17年「陸王」に続いて今回と鉄板コンテンツ。
去年の「陸王」では、役所広司率いる老舗足袋屋「こはぜや」の存続をかけた、努力と涙の結晶の物語だった。最終回には5%ほど視聴率を上げていた。15年の「下町ロケット(第一期)」でも、終盤は5%ほど数字は上昇した。14年の「ルーズヴェルト・ゲーム」は3%ほど。そして13年の「半沢直樹」に至っては、最終回が初回の倍以上という盛り上がりだった。

今期の「下町ロケット(第二期)」は、宇宙から大地へ舞台を移し、泥臭く、熱い男たちの魂を描いている。そして佃(阿部寛)の佃製作所は、大企業だけでなくライバルの中小企業も相手に奮闘する。物語は最終回のゴールが見え始め、いよいよヒートアップしている。

■帝国重工の蹉跌(さてつ)

第8話では、無人農業ロボットの開発をめぐり、岡山で開催された農業イベント"アグリジャパン"で、大手トップの大企業・帝国重工の「アルファ1」VS下町の中小企業が作るトラクター「ダーウィン」の直接対決となった。
「ダーウィン」の発表で、一躍話題の的となった中小企業ギアゴーストに先を越された佃製作所。佃は帝国重工のやり方を苦々しく思いながらも、その開発に協力する北海道農業大の教授・野木博文(森崎博之)と共同開発を進めている。
その佃がアグリジャパンで目にした結果とは......。

帝国重工の新社長候補・的場(神田正輝)は、豪腕で独裁的な手腕でグイグイと企画を進めてきた。ところがここで、大きくつまずくことになる。
製品の致命的な欠陥。さらに突然リークされたスキャンダル。

会社が大きくなればなるほど、内部の組織は複雑になり、派閥間のあつれきや出世争いでのポリティカルな問題が発生する。結果として、モノ作りは本来の目的を見失ってしまうこともあるのだろう。
現代の大手自動車メーカーにリコールが後を絶たなかったり、多くの業界で不正検査が発覚したりするのも、その典型かもしれない。

「大きければ良い」「強く早いことは善」というアメリカ的な発想は終わった。「作れば売れる」という大企業の奢(おご)りも、時代状況が見えない以上、もはや通用しないのである。

農家の担い手は減少のいっと。もはや日本の農業は危機状態にあり、値段の安い輸入作物も増加し続けている。素材の良さと味や安全にこだわった、有機野菜も増えている。ただしこれらの作物は大量生産が難しいため、個人農家が栽培している零細な体制であることが多い。

農作業の効率を上げるための"無人農業ロボット"なのだが、帝国重工の提案した製品は大型だった。馬力もスピードも文句のつけようがない。ただし作業の荒さが目立つし、安全性に欠けるというデメリットは致命的だった。

日本製品の良さは、どこへ行ってしまったのだろう。
繊細で、丈夫で、多少のデザインがヨーロッパの洗練されたものに劣ったとしても、それを覆すほどの安全性・使いやすさ・耐久性などがあった。だからこその"Made in Japan"の信頼と保証だったのではないのか。
そんなメッセージが、第8話には込められていた。
「アルファ1」が粗雑な仕上がりと、致命的な欠陥をイベント会場で露呈させた時の、帝国重工・的場(神田正輝)とその取り巻きの歪(ゆが)んだ顔ほど痛々しいものはない。

改めて中小企業の技術者が手がける日本製品の技術の高さを見せつけられ、快感とともに企業社会のあり方を考えさせられる内容だった。
しかし、ここでギアゴーストに感心している場合ではない。
佃製作所は、どう巻き返すのか。利用される一方の野木教授を、佃はどう救うのか。

次々と試練が降り注ぐ池井戸ワールドを、阿部寛はどう乗り切っていくのか。
一体どのプロセスを経て、至福の最後を迎えるのだろうか。
やはり今回の池井戸×日曜劇場も、最終話まで目が離せない。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所

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