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唐沢寿明主演の「ハラスメントゲーム」。
視聴率こそ5%ほどとパッとしなかったが、回を追うごとに視聴者の満足度は高まっていた。特に10代男とF2(女35~49歳)が急伸したのは意外だった。男たちを中心に描く経済ドラマなのに、意外な層に訴求していたようだ。
そしてラストは、こうした層の心を動かした唐沢寿明の魅力が遺憾なく発揮された回だった。

サムネイル

『ハラスメントゲーム』の満足度


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■珍しい層からの支持

テレビの視聴状況を調べる「テレビ視聴しつ」(eight社)は、GP帯(夜7~11)に放送される主な番組の視聴者満足度を5段階で評価している。
今年4月にテレビ東京が立ち上げたビジネスドラマ枠"ドラマBiz"の第3弾「ハラスメントゲーム」は、序盤こそ3.91と、今期の全ドラマ(大河・朝ドラなどを含む)の中で9位とまずまずのスタートを切った。
そして中盤以降、その満足度を4.00と高めるのに成功していた。

ドラマのメインターゲットとなるM2(男35~49歳)やM3(男50歳以上)は、序盤も中盤も4.0ほどで大きな変化はなかった。
ところが男10代が4.0から4.33、F2(女35~49歳)が3.74から4.0に急伸させたのが大きかったようだ。
企業内の物語だが未就業の男10代に訴求した。また主婦の多いF2が面白いと思ったようだ。
同じ"ドラマBiz"枠の第1弾「ヘッドハンター」(主演・江口洋介)や、前作の第2弾「ラストチャンス 再生請負人」(主演・仲村トオル)と比べ、幅広い視聴者層にリーチする進化を遂げていた。

■視聴者の声

経済ドラマとして新たな層を獲得している最大の功績は、同じ企業物語でもスーパーという女性や10代にも身近な会社を舞台にした点にある。

「スーパーのことだから興味深い」(56歳女性)
「スーパーの内情がよくわかり面白い」(69歳女性)
「身近に起こりうる問題で親身に感じられる」(59歳女性)
「なかなか身近な問題と思いながら見ている」(28歳女性)

そしてF2は、ドラマとしての切り口や展開も高く評価したようだ。
「脚本が良いと思う」(43歳女性・満足度4)
「ストーリーが面白い」(46歳女性・満足度5)
「唐沢寿明の良さが存分にいかされている」(38歳女性・満足度4)
「働く男の格好よさが伝わります」(35歳女性・満足度5)

また同ドラマは、単なるエンターテインメントでなく、社会的意義もあったと言えそうだ。「現代社会における問題を鋭く突きながら面白くて良い」(38歳男性・満足度5)という言葉が象徴的だが、10代にも企業や社会に関心を持たせることに成功している。
「いろんなハラスメントがあるんだって知れて面白い」(18歳女性・満足度5)
「現代の社会をとらえていて好き」(17歳男性・満足度4)
「現代の会社の闇みたいなのが面白い」(19歳女性・満足度4)

■最終回の魅力

毎回、数々のハラスメント問題を、意外な手法で解決してきた主人公・秋津(唐沢寿明)。
最終回は横手(加藤雅也)による買収に向けた攻撃と、田端(迫田孝也)によるカスタマーハラスメントで、マルオーは大揺れに揺れた。
今回も奇想天外な手で秋津は問題解決を図るが、特に最終回は意味深い言葉やシーンがいくつもあった。

横手は以前、マルオーでイチゴの売り切れを見て、なんと無駄なビジネスをしているんだと思った。
「私は無駄がどうしても許せない性分なんです」
ところが秋津は効率だけを追求すると、スーパーは成り立たない。
「手にとって誰かに、どれがおいしいの、どうやって使うのって、尋ねてものを買う場所も必要」
「いらっしゃいませ、そう言えることってなかなかいいもんですよ」
街は街としてどう成立するのか。仕事のやりがいとは何か。秋津の深い考え方が滲(にじ)み出ており、その正論こそが人を動かすことを示す。

そしてラストシーン。
再び地方に飛ばされることとなった秋津と、コンプライアンス室で唯一の部下だった高村(広瀬アリス)の別れの場面だ。
いつも通りの軽口が飛び交うが、本心とは真逆の攻撃的な言葉の応酬が、二人の信頼関係の深さを示唆してしみじみする。
そして秋津が高村に投げた最後の言葉。
「先輩はクズ中のクズだ」
これを抑制された笑みで返す高村。

「ハラスメントゲーム」は、ハラスメントを単純に否定する物語ではなかった。
"クズ中のクズ"も生きて行ける人間社会を希求する"クズ中のクズ"ドラマとしてわれわれの記憶に残るだろう。ぜひ続編を見てみたい。

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文・次世代メディア研究所

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