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久々に帰ってきた北川景子「家売るオンナ」の第2弾「家売るオンナの逆襲」が好調だ。
近年の民放好調ドラマの序盤2話を振り返ると、同ドラマは今後も大いに期待できることがわかる。

まず初回で14%超となったドラマは、「SUITS/スーツ」のように2話で大きく下げない限り、平均視聴率も高水準となっている。
次に初回が10~13%台の場合、やはり2話で失速しない限り、平均も二桁をキープすることが多い。中には「逃げるは恥だが役に立つ」のように、2話で2%ほど上昇し、その後も右肩上りに上昇したドラマもある。
その意味で「家売るオンナの逆襲」は、前シリーズ「家売るオンナ」が2話で2%超下げながらも平均が11.6%と健闘した。内容が各段に進化した今回は、既に2話が初回を上回っており、3話以降いちだんの右肩上りが期待される。

サムネイル

主な連続ドラマの視聴率動向


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■強敵登場

第1シリーズの「家売るオンナ」は、視聴率もさることながら、アジアを中心にアメリカでも放送されるほどの大ヒットだった。今回題名を改めた「家売るオンナの逆襲」は、天才的に家を売りまくるオンナ・三軒家万智(北川景子)の大暴れだけでなく、"逆襲"という新たな切り口があり、前シリーズ以上のブレークが期待される。

そもそも万智を演ずる北川景子の徹底したキレのある演技と、目の覚めるようなカラフルなファッションスタイルに負けない美貌は、文句なく視聴者を楽しませてくれる。
斬新な手法とハートフルな辛口トークで、「私に売れない家はない!」と言い切り、客を見事に落としていく。
「ドクターX」に匹敵する痛快な物語となっている。

しかも今シリーズでは、無敵連勝の万智に最大のライバルが出現した。
それは大手不動産会社ではなく、フリーランスで組織に属さない不動産の貴公子・留守堂謙治(松田翔太)だ。万智の手法とはまた違ったスタイルで、次々と物件を売りさばいていく。
仕事は完璧で隙(すき)がない。ところが押すべきドアを引いてしまい戸惑うなど、不完全な完璧主義がどこか愛らしい。

■ドラマの奥行

初回は隠居生活に入る老夫婦や人気ユーチューバーに家を売る話だった。高齢期に入った夫婦のあり方や、表現者の生活・姿勢を見直す視点を提供していた。
第2話では、ネットカフェに暮らす人々の実態が出てきた。不動産業と全く関係のなさそうな世界を舞台に、暮らしの意味を突き詰めた点が斬新だった。
こうした意外に深いお話しに、ライバルが随所で絡むことで、ストーリーが重層的となった。しかも一癖も二癖もあるゲストが登場することで、物語の展開が各段とパワーアップされている。

加えて興味深いのが、仕事一筋の万智と課長の屋代大(仲村トオル)の結婚生活。未だ謎のままだが、ついに知られざる過去が明らかになりそうな兆しだ。
万智の過去を知っているのは、夫の屋代に加えて、なんとライバルの留守堂も生い立ちをほのめかす発言をした。

強烈なキャラクターの万智はインパクトがあるが、この極端さに慣れてくるとマンネリを覚えやすい。ところが同ドラマは、ヒューマンドラマの側面も持ち、さらに社会的メッセージがまぶされている。構成・演出の巧(たく)みさも人気の理由の一つであろう。

■ドラマの楽しみ方

どうやって三軒家万智は、今のキャラクターになったのか。
自分の美しさに気づいていないかのようなまっすぐな視線、ファッションは主張が強いし、思った意見もはっきり言う。
ところが我が強いように見えるが、自分のプライベートについては語らず、自己主張するわけでもない。ただ"家を売る"ためだけに全てがあるような姿勢は、何かを隠すためのようでもあり奇妙だ。

そんな疑問を抱く視聴者に気づいたのか。意図的な構成かは定かではないが、バーで留守堂が「三軒家万智は、以前、ホームレスだったこともある」と漏らした。
今シリーズの大きな鍵を見せられたような印象だ。
さて、どうやってその過去を描いていくのか、見守っていきたいところだ。

「家売るオンナ」第一シリーズに引き続き、第二シリーズも盛り上げているのは得田真裕氏の音楽。キレのあるモダンなアルゼンチンタンゴを大胆に使用し、またヴァイオリンの音色を最も生かしたハンガリーのチャールダーシュのスタイルをふんだんに使用し、映像に動きとリズムを与えている。
これまで多くのドラマでさまざまな"課長"を演じてきた仲村トオルだが、彼の引き出しの多さと良さを、哀愁漂う民族音楽が最大限に引き出している。
ドラマの展開を楽しみながら、個性豊かな美しいヴァイオリンの音色と、タンゴのリズムを味わうのも、このドラマの楽しみ方といえるだろう。

ストーリー・役者の演技・演出・音楽と、条件がそろった同ドラマ。
右肩上りのブレークドラマとなる予感がしてならない。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所

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