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去年4月クールに大ブレークした「おっさんずラブ」。
そのヒットを創った貴島彩理プロデューサーが手掛ける"おっさん"第2弾が、金曜深夜ドラマ「私のおじさん」だ。
前作はおっさんのBLという斬新な切り口の作品だったが、今回のおじさんは妖精になってしまった。またしても奇想天外な攻めで来た。

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Kenichi Endo at the Shin-toyosu Brillia Running Stadium on April 10, 2017, Tokyo, Japan.(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)


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■ドラマの設定

主演は岡田結実。
2017年に役者デビューし、初々しさ弾ける若手女優だ。岡田が演じる一ノ瀬ひかりは、結婚をアテにしていたが、あっさりと婚約を破棄され、急きょ就活をするものの、やっとの思いでたどり着いた就職先は、しけたバラエティ番組を制作する会社だった。
そこでひかりは新人ADとして採用されたが、会社はパワハラありのブラックな職場。奮闘の日々が始まった。

ある日突然、"謎の妖精おじさん"(遠藤憲一)が現れた。他人には見えないが、ひかりにだけ見えるおじさんで、ひかりやみんなが言えない声を代弁する。
遠藤憲一といえば超実力派のコワモテ俳優。悪役のイメージが強かったが、17年7月クールの「愛してたって、秘密はある。」では、厳格な父で検察官役を演じるなど、悪を追及する側も増えている。
見事な演技と雰囲気は、彼にしか出せない空気がある。鈴木保奈美や福士蒼汰との共演も、見ごたえがあった。ただしさまざまな役を演じて来ているとはいえ、妖精の雰囲気は皆無に等しい。ところが今回、妖精役に抜擢(ばってき)されてしまったのは、意表を突く面白い設定だ。

なぜか毎回スーツ姿で現れ、ひかりの仕事場や会社、はたまた家の中と、どこでも出没する。
毒舌なコメントを容赦なく言い放ち、ひかりが言えないことやツッコミもやってくれる。さらに時には慰めてくれる不思議な存在でもある。
新人ADのひかりは、友達にも職場の同僚にも自分の言いたいことを言えない。周りに気を使ってはいるものの、的外れだったり、空回りしてしまうタイプだ。
「仕事なんて、どうしようもないことの繰り返し」とおじさんが口にするが、働く若者へのメッセージが込められていると感ずる。

■社会人入門ガイドブック!?

仕事を始める時、進路を決める時、好きなことや興味があることを仕事にできたらいいが、夢を持たない若者が増える中、新成人はどうやって仕事に生きがいを見いだせるのだろうか。
どんな仕事でも、決して楽な仕事はないし、疲れない仕事もない。最初から好きな仕事・やりがいのある仕事に就ける人もごくわずかだろう。でも何かを始めなければ、そして始めたのならそれを思いっきり一生懸命やってみなければ、好きかどうかもわからない。
うまくいかないこともある。それを誰かのせいにしたくなるのは、自分の能力が足りてないから。それを真摯(しんし)に受け止め、自ら変わっていくことが、成長につながるのだろう。
決してパワハラを肯定するわけではないが、ブラック企業についても、社会現象のブームにのってそこだけに敏感になってしまうのはナンセンスだ。
"おじさん"はつらい時に慰めてくれ、一緒に飲みにも行ってくれる。間違った時には、教え諭してくれもする。さらに第2話ではひかりにとって、いつの間にかおじさんは"なくてはならない存在"となり、当たり前のコンビに進化していた。
岡田結実×遠藤憲一の凸凹コンビが、社会の現実をどう泳ぐべきか、ノウハウをコミカルに伝えている。

ちなみに第2話では、ゲストに高橋ひとみが登場し、ラストでヲタ芸を披露するという展開になる。
その前のテストでの、青木さやかvs.岡田結実のヲタ芸もキョーレツだ。「そこまでするか!」というほどの体を張った、捨て身の女優魂はすごいの一語に尽きる。

音楽は、数々のヒットドラマを手がけてきた木村秀彬。
豊富な音楽知識と、視野の広い枠にとらわれない自由な作風とアレンジが特徴。シーンを都会的に仕上げたり、センチメンタルなシーンも臭くなりすぎずに感じさせる演出は、さすがと言える。
気になる謎の妖精"おじさん"の正体は、これから明かされていくのだろうか。それともバーチャルな世界のまま楽しませてくれるのだろうか。
一ノ瀬ひかりと共に成長したいと考えている若い視聴者が目に浮かぶ。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所

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