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テレビ東京・ドラマBizは、2018年4月から始まった新しいドラマ枠。
同局の夜10時には、「ガイアの夜明け」「未来世紀ジパング」「カンブリア宮殿」など、経済ドキュメンタリーが放送されている。ここに仕事をテーマにしたビジネスドラマが並び、月~木の夜10は、明日の仕事に向けた意欲向上の時間帯となっている。

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Yoko Maki, June 13, 2018, Tokyo, Japan(写真:アフロ)


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■物語の構造

ドラマBizとしてはこれまで、江口洋介主演「ヘッドハンター」、仲村トオル主演「ラストチャンス 再生請負人」、唐沢寿明主演「ハラスメントゲーム」が放送されてきた。演技派の円熟した男性人気俳優が主演を務めてきたが、今クールの「よつば銀行 原島浩美がモノ申す!~この女に賭けろ~」では、真木よう子が初めて女性の主役を担う。

共演は、丸山隆平・塚本高史・三宅弘城・西野七瀬・森永悠希・寺脇康文・片桐はいり・矢島健一・林泰文・古谷一行・柳葉敏郎と、そうそうたるメンバーが銀行組織の舞台を支えている。
男女平等と言いながらも、世界の中でもかなりの遅れを取っている「日本の男社会に喝を入れる!」と言いたいところだが、実際は女性の地位はまだまだ不安定なままだ。
そんな現実を偽りなく描いているこのドラマを見れば、現在の日本が良くわかる。
主人公の原島浩美も、新卒でよつば銀行に入行し本部勤務だったが、正義感からある事件で内部告発したことがきっかけで、問題のある支店に飛ばされてしまう。
しかし、そんなことでは動じない。どう見ても"KY"とも言える、マイペースな発言と大胆な発想と行動力で、業績不振を立て直していく。

■銀行という男社会

銀行の窓口業務は女性が多い。
ところが取締役など経営陣や管理職は、女性は少なく明らかに男社会という環境だ。そこで原島浩美は、物腰は柔らかく口調も穏やかだが、現実を冷静に見極め、誰もが言いづらい事実をはっきりと相手に伝える。「トラブルメーカー」と呼ばれ、頭取と副頭取の争いに巻き込まれながらも、自分の使命である業務を遂行する。果たして現実の世界で、本当にこんな女性行員がいるのかと思ってしまうような存在だ。

しかも度胸があるからと言って、権力社会のトップを牛耳る男たちが、一介の女性行員の意見を簡単に受け入れるなんて、そう簡単にはないだろう。
長くいれば"オツボネ"と呼ばれ、仕事ができて意見すると"キツイ女"と陰口をたたかれる。組織の中でキャリアアップしていくには、学歴や経歴だけではどうにもならないのが現実だ。では何が必要なのか。
それを原島浩美が教えてくれる。

■物語の魅力

コミュニケーション能力は本質的に女性の方が男性よりも優れていると言われる。これに加え、石橋をたたかない大胆な実行力。困難に挑戦し続ける粘り強さ。物事を冷静に捉える分析力。相手の希望や心に寄り添う優しさ。それら全てを調和させた提案をし、事態を解決に導いてしまう。

ここまで女性の長所ばかりに焦点を絞ると、男性陣から辛口コメントが飛んできそうだ。
確かに男性も悪党ばかりではない。原島浩美を支える支店長・山田太平(寺脇康文)の誠実さは、見ていてとても気持ちが良い。さらにスマートな同僚で営業課のエース・加東亜希彦(丸山隆平)の銀行員姿に、女性ファンの注目も集まる。
またこの冬に乃木坂46を卒業したばかりの西野七瀬も、銀行員の窓口係・松田葉子役で出演している。男性ファンも大いに喜んでいるだろう。

"できる女"を納得させる真木よう子の落ち着いた低い声と気品ある所作。さらに豊かな文学知識を示唆する知的な発言などは彼女ならではの演技だ。
そして柔らかな口調から一転して、「恐れながら申し上げます」から始まるトドメを刺す原島浩美節が始まる。さらに鋭いナイフでスパッと切ったようなテンポの展開と事態の収拾ぶり。スカッとする着地は何とも言えない読後感をもたらす。

業績不振の支店を立て直しは、本当にうまく行くのだろうか。
銀行トップの派閥争いに巻き込まれてしまった原島浩美は、どう立ち回っていくのか、実に楽しみである。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所

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