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1月クールのGP帯(夜7~11時)ドラマの中で、4話目まですべて二桁を保っているのは3本。
「刑事ゼロ」「家売るオンナの逆襲」に並び「メゾン・ド・ポリス」だ。同ドラマは、ドラマの鉄板となる刑事モノ。しかも退職警察官5人がメインを張っているが、合計319歳というおじさまモノの要素もある。
彼らに囲まれ奮闘する新人警察官・牧野ひよりを高畑充希が好演しているが、事件モノなのにコメディという演出と、物語を通じて伝わるメッセージが秀逸だ。

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Japanese actress Mitsuki Takahata attends the 41st Elan d'or Award ceremony in Tokyo, Japan on February 2, 2017. (写真:アフロ)


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■それは"老害"から始まった!

ドラマのメイン舞台は、退職警察官だけが住むシェアハウス「メゾン・ド・ポリス」。
オーナーは伊達(近藤正臣・76歳)。住民は迫田(角野卓造・70歳)と藤堂(野口五郎・62歳)。さらにシェアハウス管理人が高平(小日向文世・64歳)。こうした老獪(ろうかい)で厄介なおじさんたちに後輩というだけでこき使われているのが、雑用係の夏目(西島秀俊・47歳)だ。5人の年齢は合わせて319歳になる。

主人公は新人警察官・牧野ひより(高畑充希)。
おじさま達の元敏腕ぶりに助けられ、事件を解決していくパターンが繰り返されている。確かに総計319歳は凄腕なのだが、現職の刑事たちには"老害"と映っている。ひよりは年寄りが暴走しないようお目付け役の位置づけでもある。

4話は子供対象の柔道教室から始まった。
指導者は迫田(角野卓造)。足腰に爆弾を抱えるため、夏目(西島)が駆り出されている。そして練習後に、女の子が迫田に質問に来た。
「老害ってなんですか?」「ママが"動けないのに威張っているのは老害"だって」
迫田の存在への痛烈な批判があるようだ。それでも「俺には俺のやり方がある」と、迫田は聞く耳を持たない。

■事件の展開

大学生がバットで殴打される事件が発生した。
幸い命に別状はないが、所属するバスケ部に復帰するには1年程度。迫田はひよりが事件の担当と知り、無理やり捜査に加わってきた。

大学生は毎日自宅の駐車場でバスケの練習をしていたが、騒音問題で仲の良かった同級生で、今は浪人生が疑われた。
しかし本当の問題は別のところにあった。
定年退職して妻とも離婚し、生きがいをなくしていた高齢者が、掲示板を立ち上げ「自分を殺してくれ」と依頼したばかりに、若者たちの間で事件が起きてしまったのである。

事件はリタイア組のおじさま方と、40代の夏目(西島)と、新人のひより(高畑)という3世代の連携で解決した。
そして今回最も関与した迫田は、事件のきっかけを作った高齢者を一喝する。
「会社に捨てられ、家族に捨てられ、独りぼっちになって、寂しくて仕方ないだけだろ」
「てめえのワガママに、若いやつらを巻き込んでいる"老害"だ」
「良い加減に受け入れろよ。次の連中に何かを残せなくなったやつにできるのは、黙って死ぬのを待つだけだ」
冒頭で出てきた"迫田は老害"が、事件の結末で見事に回収されるのである。

ところがお話はもう一つ。
今回頑張った迫田の息子が、実は事件に巻き込まれた大学生の同じバスケ部キャプテンであることを知り、ひよりは迫田に迫る。
ひよりの父は仕事に夢中で、家族は二の次だった。迫田と全く同じだ。
事故死してしまうが、6歳のひよりとの約束を破っての死だった。
「私との約束なんて、本当はどうでも良かったのかもしれない」
「いくら親子だって、ちゃんと口に出して言葉で伝えてくれないと何を考えているかなんてわからない」
「だから迫田さんは、家族にちゃんと気持ちを伝えた方が良いと思います」
事件の核心だった高齢者を叱った迫田に、"あなたも姿勢を正すべき"と説教したのである。

3世代が絡む同ドラマは、刑事モノの事件解決の面白さもさることながら、本当の魅力は三世代ならではの多様な考え方や視点を提示してくれる点だ。
現役で働く自分。退職した後の自分。家族を失った自分。その父を思う家族。
どの世代も過去や未来ではなく、現在を豊かに生きるためのヒントを得ることができ、現実をポジティブに変えるパワーをもらえるドラマとなっている。

今時の若者の状況と、老害と疎まれる高齢者の寂しさを絶妙に対比し、どうあるべきかを的確に主張した「メゾン・ド・ポリス」。3世代連携の新たな可能性を示す秀作と言えよう。
特に第4話は一見の価値あり。

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文・鈴木祐司次世代メディア研究所

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