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今作で17シーズン目を迎えている長寿シリーズ「相棒」。
初回視聴率は17.1%と、2018年秋ドラマトップの好スタートを切った。2クールドラマで既に16話まで放送されたが、平均視聴率は15.5%で、直近3シーズンが平均で15.2~15.3%だったので、いずれも上回りますます盛んといった感じだ。もちろん、今年1月クールの連続ドラマと比べても断トツの1位である。

サムネイル

ドラマの男女年層別接触者比率~『今日から俺は』『相棒』『大恋愛』~


■意外に若年層が見ている

視聴率で絶好調だが、実際に見た人の評価はどうだろうか。
番組の満足度を独自に調査しているエイト社「テレビ視聴しつ」の調査では、去年10月から今年1月まで、毎月の評価を集計している。
それによると、4カ月の平均満足度は4.06。ドラマ全体の中での順位では、10月3位・11月6位・12月4位・1月2位と、極めて高い評価が続いている。

テレビ朝日がGP帯(夜7~11時)に放送する連続ドラマ3枠は、ミステリーや刑事ものが多く、しかも複数年に渡るシリーズものが多いため、中高年の視聴者が大半と思われがちだ。
ところが「テレビ視聴しつ」の調査では、必ずしも高齢層に偏っているわけではないことがわかる。
例えば去年10月クールで最も話題になった2ドラマ「大恋愛」「今日から俺は!!」と比較してみよう。

戸田恵梨香とムロツヨシが演じた「大恋愛」は、若年性アルツハイマー病に侵されながらの恋愛を描いていたが、視聴者の4分の3近くは女性で占められていた。
いっぽうヤンキーギャグ漫画を原作とした「今日から俺は!!」では、殴り合いなど暴力シーンが頻繁に出てくるだけあって、男性が半分近くを占めた。
ところが最も男性の占める割合が高いドラマは、実は「相棒」だった。53%を超え、「今日から俺は!!」に6%ほどの差をつけていた。

年齢層でみても、10代と1層(20~34歳)で約4割を占める。
「今日から俺は!!」が49%、「大恋愛」が47%なので、「相棒」も結構若年層に見られていることがわかる。特に男10代とM1(男20~34)で4分の1を占める状況は、特筆すべき状況と言えよう。

■視聴者の声

満足度が高く、若年層が意外に多い「相棒」。では、人気の理由をどこにあるだろうか。

「安定の面白さ」(39歳女性)
「いつもの雰囲気で安定して面白い」(44歳女性)
「安定感抜群」(28歳男性)
「安定した楽しさ」(35歳男性)

やはり感想の中で多く出てくるのが"安定"という言葉。それを多くの視聴者はポジティブにとらえている。ところが17シーズンにも及ぶ長期シリーズのため、"マンネリ"という言葉もなくはない。

「近頃はマンネリ感がちらつく...長期化すれば仕方がないか」(58歳女性)
「最近は少しマンネリなのが残念」(39歳男性)
「マンネリ感が強くなってきている。以前に比べ、面白くなくなってきている」(57歳男性)
「マンネリ化を打開しようとして逆に迷走している気がする」(27歳男性)

ドラマが始まった10月調査での感想で比率をみると、「安定」という言葉でポジティブに反応したのは21票で9%。いっぽう「マンネリ」という言葉でネガティブだったのは7票で3%。
ただしネガティブ意見の中でも"少し""ちょっと"マンネリや、マンネリが"ちらつく"程度にとどまる声が多く、開始から18年を経てもここまで高評価なのはさすがと言うべきだろう。

■第16話のみどころ

今回は特命係の杉下(水谷豊)と冠城(反町隆史)が、参事官の中園照生(小野了)に呼び出され、突然「捜査権」を与えられる。刑事部長の内村完爾(片桐竜次)が殺人事件の被疑者として逮捕されたためだった。
内村は黙秘を続けており、2人は「マスコミに漏れる前に極秘に真相を解明しろ」と命じられた。

殺されたのは人権派の弁護士。
内村は河川敷で遺体の傍らにたたずむ姿を警官に目撃されていた。その警官の腕を振り払ったため、現行犯で逮捕されてしまった。
2人の間に何らかのトラブルがあり、内村が弁護士を呼び出したと見られていた。

まもなく被害者の靴底や着衣からローズ系の香水に使われる成分が検出された。
右京は近くの線香工場へ向かう。その工場では殺された弁護士の紹介で雇い入れた元受刑者・須藤修史(佐野泰臣)が働いていた。しかも事件翌日から無断欠勤しており、連絡もつかない。

第16話は、ここから真犯人を追及する。
完全黙秘の内村刑事部長の真意は何か。そして今回の弁護士殺害と、12年前の通り魔事件に深い関係が潜む。交錯する正義の先に、思わぬ真実が浮かび上がる巧妙なストーリーとなっているが、やはり"安定の面白さ"と言われるだけあって、意外な展開がきちんと計算されている。
長寿なのに人気の秘訣(ひけつ)は、どうやら意外性が次々に進化しているあたりにありそうだ。

文・鈴木祐司次世代メディア研究所

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