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1月クールの各ドラマが、いよいよ終盤に入った。
その中で目立つのは、平均視聴率が9%以上11%未満の"アラ10"ドラマ群。常盤貴子主演「グッドワイフ」・高畑充希「メゾン・ド・ポリス」・錦戸亮「トレース~科捜研の男~」などがある。
ただし、これらは皆序盤で12%前後を出しながら3話以降で失速し、7~8話ではいずれも一桁となっている。ところが杉咲花「ハケン占い師アタル」だけは、第7話でも二桁と気を吐いている。
序盤では地味に見えたが、今はやりの"働き方改革"に対して、一つの考え方を示す重いメッセージが根強い人気の秘訣(ひけつ)のようだ。

サムネイル

"アラ10"ドラマの視聴率動向


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■仕事に正解はない!

イベント会社に派遣社員として入った的場アタル(杉咲花)。
社会人としての経験が皆無だったため、正社員の指導の下、雑用係として働くことになった。ところがアタルが所属するDチームは、部長の代々木匠(及川光博)から無理難題を押し付けられる。部長に振り回される課長の大崎結(板谷由夏)が、なんとかチームをまとめよう奮闘する中、アタルの占いでダメダメだった各メンバーが次第に働き方に目覚めていく物語だ。

第1話では、自分で決断できない神田和実(志田未来)がアタルの占いで裁かれる。
「要するに......あんたには愛がないんだよ」「一番大切な愛が欠けてんの! 自分に対する愛」と言い放たれ、自分の決断に自信を持って、明るく前に進んでいけるようになった。

第2話では、コネ入社のおぼっちゃまで、ヤル気はあるが実力が伴わない目黒円(間宮祥太朗)がターゲット。「純粋すぎて邪気も悪意もなく、中身が空っぽ」だと言われてしまうのだ。しかし、「今までどおり諦めずにいたら、必ず誰かが手を差し伸べてくれる」とも言われる。かくして紆余曲折(うよきょくせつ)を経て、大人へと一歩前進していった。

第3話は、入社して1年目の新人・品川一真(志尊淳)。上司のパワハラが嫌で辞めようとしていたが、アタルに「この世に何が正解か分かって生きている人なんて、一人もいない」と言われる。そこから"今できる、逃げない仕事への向き合い方"を覚えていく。

■大切なのは逃げないこと

第4話以降は、品川を追い詰めた上野誠治(小澤征悦)が「過去の栄光にしがみついていないで、いま手のひらに残っているものを大切にしろ」と言われる。
入社12年目の正社員・田端友代(野波麻帆)は、仕事・家庭・恋愛がうまくいかないのは全部自分"以外"のせいと考えているが、「幸せは自分でつくるものなんだよ」と諭される。

そして第6話では、いつも皆に優しい課長・大崎(板谷由夏)がターゲット。自分を"偽物のリーダー"として悩む彼女に対して、アタルは「本当のリーダーとは、悩んで悩んで、悩み抜く人間」と諭す。
結果として、今まで言いなりになってきた部長の命令に、初めて背くことが出来るようになった。

かくしてチームの"迷える子羊たち"は、一人ずつ自分の仕事に覚醒していく。
残るは代々木匠部長(及川光博)だったが、第7話で「この世に才能のない人間なんて一人もいないんだよ。どんなにつらくても諦めずに努力し続けることを"才能"って言うんだから」と言い放たれる。
若い頃の情熱を諦め、ヒラメ社員として生きてきたが、ようやく次のステージに進めるようになる。

■"働き方改革"の本質

同ドラマは普通の会社にありがちな人間関係を描き、チームの各構成員の人間性を順番に掘り下げてきた。
視聴者の誰かに当てはまりそうなさまざまなシチュエーションを背負った登場人物たち。同じオフィスに集い、一緒に働きながら、派遣社員の隠れ占い師・的場アタル(杉咲花)により次第にポジティブな姿勢に変わっている。

"働き方改革"が言われるが、それは単に労働時間やハラスメントに絡むルールなど、表面的・形式的な問題ではない。
最も大切なのは、一人一人が生き生きと仕事にまい進し、やりがいを感じられること。その前提は、ドラマを通じてアタルに各メンバーが言われているような、"自分で決める""人のせいにしない""悩み抜く""諦めない"など。
つまり気持ちの持ち様こそが"働き方改革"で肝要な点だ。

さて職場の各メンバーを変えてきたアタルだが、本人と母との関係が残された。
気持ちの持ち様の原点は、親との関係にある。ここにどんな落とし前をつけるのか、いよいよドラマとして最大のみどころに差し掛かって行く。

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文・鈴木祐司次世代メディア研究所

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