ここから本文です

倖田來未が繰り広げるライブ・エンタテインメントへのクリエイティヴ評価は高い。昨年、全35公演全国ホールツアーとして行われた『KODA KUMI LIVE TOUR 2018 -DNA-』(2019年3月20日 DVD & Blu-ray、ライブ音源リリース)では、"DNA"をテーマに驚きのVRゲーミフィケーションなステージが繰り広げられた。チャレンジングな内容はもちろん、オーディエンスへの気配り&おもてなし感としても最先端を走っている印象だ。アグレッシブな姿勢で、エイベックスサウンドを牽引する倖田來未に話を聞いた。

サムネイル

倖田來未、『KODA KUMI LIVE TOUR 2018 -DNA-』2019年3月20日 DVD & Blu-rayリリース


■ レディー・ガガさんは音楽に真正面な人、そんな姿勢を見習わなきゃなって

―― 先日、インスタグラムでレディー・ガガさんと一緒に写られていて驚きました。

倖田: 次の作品に向けて、先日インプットする時間として、ラスベガスにレディー・ガガさんのライブを観に行ってきました。その時に有難いことにバックヤードまでご招待いただきました!

―― 取材で以前もガガさんにはお会いされてましたね?

倖田: そうなんです。昔、ガガさんが初めて日本に来たときにファッション誌『ViVi』で対談させて頂いて。その時、彼女は本当にデビューしたばっかり。でも、あの頃から変わらないというか、すごくピュアな心の持ち主で。今回も、思ったことをライブ中ストレートに言っていました。すごく音楽に真正面な人だなって。そんな姿勢を見習わなきゃなって刺激を受けて帰ってきました。

サムネイル
倖田來未、『KODA KUMI LIVE TOUR 2018 -DNA-』2019年3月20日 DVD & Blu-rayリリース


―― ちなみに、僕が倖田來未のコンサートにハマったのは、実は少し遅くて2014年からなんですよ。その後、毎回参加してすごい刺激を受けています。

倖田: おお、『KODA KUMI LIVE TOUR 2014~Bon Voyage~』ですね。

■ 家族で楽しめるライブ、視覚で楽しめるエンターテイメントも常に追求

―― ですです。ライブ・エンタテインメントとして完成度が高くて、ライブ演出のすごさはもちろん、オーディエンスへの細やかなホスピタリティもあり。それこそキッズへ、耳を爆音からいたわるためにイヤーマフを無料で貸し出していたり。

倖田: ありがとうございます。イヤーマフはね、2005年~6年に"second session"って12週連続CDシングルリリースをやっていた頃にはじめていて。当時は、託児所も用意していたんです。自分に子どもが生まれて思ったんですけど、時と場合によってはコンサート中も、子どもと一緒に観たい、楽しみたいと思いました。なので、ライブ中に耳を守るためのイヤーマフは必需品だなって感じたんです。

――なるほど、ファン目線からの気づきなんですね。即実行されているスタンスに感動します。

倖田: 夏のロックフェス『SUMMER SONIC』に子どもを連れていった時に一緒に楽しみたい、楽しみを分かち合いたいって思ったんです。そんな体験もあって、自分のコンサートでは必ずグッズを作ってお子様にはプレゼントするっていうこともやっていて。自分が親になって感じることもすごくありましたし、昔から子どもが好きだったので家族で楽しめるライブを目指したかったんです。曲を知らなくても観てるだけで楽しい、みたいな。視覚で楽しめるエンターテイメントを常に追求していきたくって。それが、昨年の全国ツアーでの演出にも繋がっています。

サムネイル
倖田來未、『KODA KUMI LIVE TOUR 2018 -DNA-』2019年3月20日 DVD & Blu-rayリリース


―― 今年、3月20日にライブDVD、Blu-ray、そしてライブ音源として『KODA KUMI LIVE TOUR 2018 -DNA-』がリリースされますね。それこそ、2017年はツアーで47都道府県をまわっていて。それに続いて昨年は35公演という、かなりの公演数で。

倖田: でも、早かった、あっという間で。私のなかでは「もう終わり?」みたいな。けっこうすごい数なんですけどね。春には春でファンクラブツアーもあって、1日2公演の日もありましたが、体力は全然大丈夫でした。

―― ダンスはどんどんアグレッシブになってきているのに、すごい体力と集中力ですよね。

倖田: そうなんです! アグレッシブになってるよね。もう36歳なんですけど、どんどんダンスも高度になっていて。去年と今年はセルフプロデュースもしてるんです。演出も人任せじゃなくて自分でやろうって。やっぱり人間は限界を超えてからが勝負っていうか。セットリストもそうなんですけど、特にダンスがハードな3幕目なんかは2,3曲をやったら息切れしています(苦笑)。

■ 限界を超えたあたりからお客さんがグッとくるんですよ

―― 1幕目はコンセプチュアルに映像や演出にこだわり、2幕目がバラード、そして3幕目はより歌って踊るダンサブルな構成で。

倖田:気持ちは伝わるもので、限界を超えたあたりからお客さんがグッとくるんです。ダイエットと一緒で、しんどいなって思ってからが脂肪が燃焼する勝負になるのと一緒で。チケット代以上の価値を皆さんに感じてもらいたいんです。

サムネイル
倖田來未、『KODA KUMI LIVE TOUR 2018 -DNA-』2019年3月20日 DVD & Blu-rayリリース


――今回も、プロジェクションマッピングなど映像とリンクする"VR"的な没入感高いスペシャルな演出に驚かされました。

倖田: YKBXさんという素晴らしい映像クリエイターに参加してもらって。それこそ、「Dance In The Rain」での360°ミュージックビデオをやってもらった方ですね。今回でいえば、LEDとマッピングの関係値みたいな。要はどうすれば立体的に観えるかってことですね。その辺を彼は熟知しているので、ぜひ一緒にとオファーさせて頂きました。

―― VRスコープみたいなゴーグル風メガネ!?をつけながら、ダンサブルに歌唱されていて。

倖田: 踊ってましたね。

―― あれは、ちゃんと透して見えるんですか?

倖田:見えるんです。表にLEDを貼り付けてるんですけど、基本的に内側からは見えてますよ。


■ 倖田來未のDNAを感じてもらえるような表現をしたい

―― 様々なアイディアを実現するにあたって、どんなコンセプトを考えられていたのですか?

倖田: 今回は、アルバムタイトルでもあったのですが"DNA"をテーマにしていました。前回だと"W FACE"をテーマにinsideとoutsideの倖田來未を表現したり。"DNA"ということなんで、倖田來未のDNAを感じてもらえるような表現をしたいと考えたんです。倖田來未のDNAに入りこもうって思ったときに、VRを通じてわたしの頭のなかに入り込んでもらうっていう設定で。そこから、どんどん自由度の高いゲーム的な世界に入り込んでいくという。

―― 計算された素晴らしい映像美で。

倖田: はじめはVRで3次元、そして4次元的な演出で。でも、2次元になってストリートファイターみたいな演出でダンサーソロをやってもらったり。どんどんアナログになっていくんです。デジタルな表現を活用しながらも、人間味が増していくっていうコンセプトでやりたいなって。バラードに行く前、ダンサーによるパフォーミングは、どんどんステージをクリアしていくように見せたいとか。かなり密に監督と話して、映像表現にもこだわって作りました。

―― 「HAIRCUT」という曲では、過去のツアー衣装? ウィッグを付けてヘアカットして。演出によるインパクトがすごく強くて。

倖田:それこそ、デビューして5年くらい下積み時代があって。その時に勉強としていろんなアーティストさんのライブを観させて頂いたのですが、かっこよすぎて悔しくて......。その時の悔しさが忘れられなくて......。その後、わたしも大きな規模でコンサートをできるようになって、同時に、いろんな技術が発達していたんです。今回は、LEDとプロジェクションマッピングを駆使することで、奥行きのある映像トリックを取り入れました。意外にアナログな表現を取り入れる方が、オーディエンスへ印象が残ったりするんです。それもあって、「HAIRCUT」っていう曲では髪の毛がどんどん7変化していくミュージックビデオを作ったんですけど、それをステージ上でやったら面白いんじゃないかって。

サムネイル
倖田來未、『KODA KUMI LIVE TOUR 2018 -DNA-』2019年3月20日 DVD & Blu-rayリリース


―― アイディアですよね。

倖田: だったら、"DNA"がテーマでもあるし、過去のライブ衣装で登場したら面白いよねとか。それで倉庫から衣装を引っ張り出してきて。10年前の衣装を「入るかな?」とか言いながら(苦笑)。それを着て撮影をして、その間に早着替えしてステージへ現れるという。やっぱり、とことん楽しんでもらいたいので、演出にはとことんこだわっています。

―― そこでしかも、オーディエンスを呼び入れ、美容院風スタイリングチェアに乗って絡むという。

倖田:わたしのライブでは、わりと昔からお客さんをステージにあげるっていうことをやっているんです。変化しつつも、新しい表現を織り交ぜて行っています。

■ お客さんを盛り上げるタイプの曲が欲しいなって

―― その流れから歌われる「HOT HOT」がめちゃくちゃかっこよくて。

倖田: ありがとうございます。あれはすごくシンプルに映像もピンク1色だけで。あとこだわりは生カメラ。でも、あのシルエットが印象的なんです。スタッフ人気も高かった曲で。それこそ最近、インスタグラムをはじめて、ファンからも人気な楽曲なんですよ「HOT HOT」って。

―― 高揚感あってセクシーでメロディアスな最高の曲ですよ。

倖田: でも、実はわたしはそんなつもりなかったんです。アルバム『DNA』でも最後の方に完成した曲だったので。いつもアルバムを作るときって、ライブでこういうことがしたいとか、ライブを見据えて、ライブをイメージして作品作りをしてるんです。そんなこともあって、お客さんを盛り上げるタイプの曲が欲しいなって。それで、デモテープを洗いざらい聴き直して見つけた曲なんです。そしたら、スタッフやファン人気が高くて。「どこか懐かしさがある!」って言われて、私自身は「そう?」みたいな感じだったんですが、とてもいい曲になりました。

サムネイル
倖田來未、『KODA KUMI LIVE TOUR 2018 -DNA-』2019年3月20日 DVD & Blu-rayリリース


―― ツアーで成長し、ステージで活きる曲になりましたよね。

倖田: 演出に合わせて、スタイリングチェアも作ったぐらいですから。本当にヘアサロンにいるような風景にしたかったので。背もたれが倒れたり。ライブを作るときは、ストーリーの流れを大事にしてるんです。

■ 自分を肯定してあげることって自分への一番なご褒美な気がして

―― ストーリーテリングされた高揚感から一変して、バラードパートへ移行するという。かなりグッとくるものがありました。倖田さんは、もともとバラードをとても大事にされていると思いますが、今回のツアーではいかがでしたか?

倖田: バラードを歌ってしまうと、1回お客さんが落ち着いてしまうので、今回はずっとあげっぱなしでもいいかなって思ったんですけど。でもやっぱり私のDNAのなかには歌謡曲っていうものがあって。もともと日本の曲しか聴いて育ってなかったんで、幼少時代は。なので、必ずバラードは入れたいなと。こだわりとしては、英語が入っている歌詞のものではなく、日本語でしっかり歌いあげるナンバーを聴かせたいなって。

―― こだわりのポイントのひとつですね。

倖田: やっぱり倖田來未のバラードは、ライブでなくてはならないものだって歌っていて感じました。年々わりと恋や愛とかそういうものが結婚して家族愛とか人への愛へ変わっていってるんです。恋愛から自分への愛という形もあったり。

サムネイル
倖田來未、『KODA KUMI LIVE TOUR 2018 -DNA-』2019年3月20日 DVD & Blu-rayリリース


―― なるほど。

倖田: それこそ自分を肯定するということが苦手な方もいると思いますが、わたし自身もそうで。肯定してると強がってるような感じがしてしまって。でも、やっぱり自分を肯定してあげることって自分への一番なご褒美な気がして。そんな曲をメッセージとして伝えていきたいなって思っています。ピアノからはじまる「NEVER ENOUGH」なんかも、希望を持ち続けてほしいという願いがあって。やっぱり人間は挫けるからこそというか、リスクがあるからこそ、その分リターンもあるっていう。やっぱりリスクを追わないと普通のリターンしかないと思うんです。倖田來未という人生を生きていてすごく感じるんです。勝負に出ないと、大きなリターンは返ってこないというか。妥当なことをやっていては、そのまま終わってしまうというか。なので、いくつになっても挑戦し続ける女性像でいたいという願望から、倖田來未像を表現しているところが自分でもあるんだなって思っています。

■ ライブに来てくれたら子ども心に戻って楽しんでほしい

――バラードパート後の対比というか、その後のアグレッシブなダンスパートがチャレンジングな試みとして活きますよね。

倖田:倖田來未のライブってすごいメリハリがあるんです。1番に大事にしてるのはファンの方との一体感。恥ずかしさを忘れて、お客さんがどれだけ乗ってくれるかが大事。テーマパークに行って、きゃっきゃしない人っていないじゃないですか? それと一緒で。やっぱり、ライブに来てくれたら子ども心に戻って楽しんでほしいんです。いかにひとつになれるか。要は、ライブにはじめて連れてこられた人、大歓迎ですっていう。例えばわたしを嫌いな人でも大歓迎なんです。ライブが終わる頃には、わたしのことを大好きになって帰ってもらう気持ちでライブをやってるんです。倖田來未、楽しかったなっていうのを目標に掲げていて。全員が楽しかったって帰ってもらえるのが理想のコンサートなんです。

サムネイル
倖田來未、『KODA KUMI LIVE TOUR 2018 -DNA-』2019年3月20日 DVD & Blu-rayリリース


―― 目標がハッキリしてるからこそ、チャレンジなこともどんどんやれるというか。

倖田: そうなんです。

■ 2019年の12月に20周年イヤーがはじまるんです

―― 今年は、どんな年になりそうですか?

倖田: 今年はぶっこみますよ~! 2019年の12月に20周年イヤーがはじまるんです。昨年のツアー、私のなかでは伝えきれなかった反省もあって。私の音楽のDNAを、今年はもっともっと伝えていきたいなって。

サムネイル
倖田來未、『KODA KUMI LIVE TOUR 2018 -DNA-』2019年3月20日 DVD & Blu-rayリリース


―― おお、それは楽しみです。

倖田: "倖田來未、やってくれたな!"っていう、めっちゃ面白いことを何発も連続で考えていますよ。乞うご期待。今年も挑戦がたくさんありそうです。だからワクワクしかないです。それってすごいいいことで。やっぱり19年経ったらルーティーン化してくるんですよ。このタイミングでアルバムが出て、ここでコンサートやってみたいな。どれだけやりたいことを夢物語じゃなくアウトプットできるかっていうチャレンジ。それこそが、エンターテイナーだと思っているので。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
自身の誕生日である11月13日に行われた神奈川県民ホールでのバースデイライヴを収録。
『KODA KUMI LIVE TOUR 2018 -DNA-』、2019年3月20日(水)リリース。

(文/ふくりゅう_音楽コンシェルジュ)

◆倖田來未(コウダ・クミ)
京都府出身。2000年11月「TAKE BACK」にて全米デビュー。全米ビルボードダンスチャートで最高位18位を記録。同年12月に日本デビューを果たす。2004年、映画『キューティーハニー』の主題歌となった「LOVE & HONEY」で"エロカッコカワイイ"の代名詞的存在となり、10代女性を中心に人気が急上昇。2007年12月、自身の夢であった東京ドーム公演を開催。2018年、オリジナルアルバム『AND』、『DNA』をリリースし、初のカウントダウンライブを大阪グランキューブにて開催。アーティスト活動のみならず、ファッションアイコンとしても確固たる地位を築いている。

Facebookコメント
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。
PR

最新記事

rss

もっと見る

本文はここまでです このページの先頭へ