パワーアップした松岡昌宏「家政夫のミタゾノ」~どんでん返しと小ネタ連発のシリーズ3発進!~

2019/4/24 18:50

TOKIOの松岡昌宏主演、テレビ朝日の人気ドラマシリーズ「家政夫のミタゾノ」が帰ってきた。
2016年10月に、第1シリーズが始まり、去年4月に第2シリーズが放送された。

第1シリーズ初回視聴率は、今回と同じ8.2%・平均視聴率7.6%。
第2シリーズは少し下がって、初回7.2%・平均6.7%だった。今回は冒頭に意表をつく中東の映像といい、どんでん返しの連続といい、パワーアップしてこれまで以上の境地を切り開くかもしれない。

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イメージ画像(写真:アフロ)


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■3つの家政婦ドラマ

もともとの原作は、松本清張の「家政婦は見た!」。
1983年から2008年まで、テレビ朝日の人気連続ドラマシリーズとして放送されていた。その後11年に日テレが「家政婦のミタ」として全く異なる物語をリメイクした。遊川和彦のオリジナル脚本で、主演は松嶋菜々子。最終回の視聴率40%は、ドラマの歴代4位という大ヒット作品となった。

今回の「家政夫のミタゾノ」は、リメイクのリメイクのような位置づけだが、視聴率で雌雄を決しようというより、パロディで遊び生活情報を楽しむ、何とも洒落(しゃれ)た作りになっている。
しかも日テレは、遊川氏の脚本力と松嶋菜々子の本格的な演技力といったダブルの戦力で押してきた。
対するテレ朝は、TOKIOの松岡昌宏を女装させ、大本の「家政婦は見た!」の世界に近い家庭ののぞき見を復活させた。家庭の人間関係などの汚れだけでなく、プロ級の家事テクニックのミニレッスンも入れるという、それぞれのオリジナリティを少しずつズラして楽しむ方向を狙っている。

結果として「家政婦のミタ」は、記録的な視聴率をたたき出した。
一方「家政夫のミタゾノ」は、放送時間が金曜のナイトドラマ枠の23時15分からと、遅めの放送であるにもかかわらず、定着した人気がリピーターを呼び、シリーズも3作目と息長く楽しめる作品となっている。

■パワーアップしたシリーズ3

松岡が演じる、三田園薫の推察力・行動力・家事テクニックは、今さら言うまでもない。
今回はシリーズ3の初回とあって、冒頭で目に飛び込んでくる映像はインパクトが大きい。アラビア半島の砂漠で、アラブの石油王にミントティを出すところから始まるとは、まったく想定外だ。冒頭から"どんでん返し"の遊び心が忍ばせてある。

ミタゾノが表情を変えずに、アラビア語を駆使し砂漠に現れ、そして砂漠を去っていくのも、テレ朝得意の戦隊ものを彷彿(ほうふつ)とさせる。

共演者として、余貴美子は"むすび家政婦紹介所"の所長・結頼子として健在だ。
今シリーズでは、所長・頼子の甥(おい)として入った、見習い家政夫役が伊野尾慧。同じく家政婦の川栄李奈が加わり、松岡との絶妙なトライアングルが出来上がっている。

1話ずつ完結編で進んでいくので、毎回のゲスト出演者がストーリー展開の鍵となる。
初回は大和田伸也と太田莉菜をゲストに迎え、ミステリー・家事テクニック・簡単レシピも交えながら、家族の"本当の愛のカタチ"をミタゾノと一緒にのぞき見ることができる。

大和田伸也が演じる丹波幸之助は、丼専門チェーン"丼・来放題(ドン・キホーダイ)"を一代で築き上げた社長だ。まず、この店のネーミングにプッと吹き出してしまう。

その若妻・ユリア役を太田莉菜が演じる。
エキゾチックな美貌を生かし、アラブの石油王の娘というシチュエーションを難なくこなしている。

巨額の"カネ"を持つと、人との関係性が良くも悪くも変化することは、よくある話だ。持ったことのない多額の"カネ"を手にした人が、被害妄想で人を疑うようになるのも、よくあるパターンで実に残念だ。
誰が丹波幸之助を殺そうとしているのか、推理はどんでん返しの連続となる。
結局は人を信じること、利益や損得なしに人との関係を作り上げることの難しさが、骨太に描かれた見事なストーリー展開となっている。

音楽は、ワンミュージックが手がける。
今までに何度もその実力と輝かしい活躍を称賛してきているが、ここにきてまたその実力を見せつけてくれた。ミステリーあり、脅迫あり、コメディあり、センチメンタルあり。たくさんの要素を多くの楽器を駆使し、アレンジ力と優れた色彩感覚で見事に演出している。

今後、未だ正体不明のミタゾノの過去があらわになって行く予感もある。次の展開も見逃せない。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所