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TM NETWORKのデビュー35周年を記念して、デビューから10年間のライブ映像(作品)を10枚のディスクに収録した総再生時間1000分を超えるBlu-ray BOX「TM NETWORK THE VIDEOS 1984-1994」がリリースされる。

本作には、先日上映会も行われ話題となった1994年5月18、19 日の東京ドーム「終了」ライブ「TMN final live LAST GROOVE」ももちろん収録。「RAINBOW RAINBOW」(5月18日公演)、「You Can Dance」(5月19日公演)と題された2公演を再編集し、オリジナルでは収録されなかった「Get Wild '89」(5月19日公演)を本作品用に収録。また、すべての映像に最新のHDリマスタリング/レストア作業を施し、サウンドもリミックスするなど、新たな形でよみがえっている。また、初期TMの貴重なライブ映像を収録した2枚のボーナス・ディスクもファンにとっては垂涎(すいぜん)の内容だ。

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TM NETWORKデビュー35周年記念、Blu-ray BOX「TM NETWORK THE VIDEOS 1984-1994」5月22日リリース


そこで今回は、グループのボーカリスト宇都宮隆にインタビューを敢行。当時のエピソードはもちろん、最近のソロ活動について、また彼から見た昭和と平成の音楽シーンについても語ってもらった。

【ライブ映像】TM NETWORK 「TMN final live LAST GROOVE『GET WILD'89』2019 Remaster」>>

【ライブ映像】TM NETWORK 「Self Control」TMN final live LAST GROOVE>>

【ライブ映像】TM NETWORK 「BeTogether」Befor/After>>

■「一体どういう人たちが、僕らの音楽を聴いてくれるんだろう?」と思っていた

──今回のボックスには、デビューから10年間のライブ映像(作品)が詰め込まれています。振り返ってみて、TMネットワークのライブはどのように進化していきましたか?

宇都宮:ライブを始めて最初の3年くらいは、模索する一方でしたね。当時、3人組というのはバンドとして異色でしたし、僕らがやろうとしていること、つまり「洋楽と邦楽の融合」といったコンセプトを受け入れてもらうまでは、結構大変だったんじゃないかな。「一体どういう人たちが、僕らの音楽を聴いてくれるんだろう?」って。それだけに、プロモーションには力を入れていました。

──「TMN final live LAST GROOVE」のMCでは、プロモーションで地方を回っているときに小室さんと同じホテルの部屋に泊まったエピソードを紹介していましたよね(笑)。

宇都宮:あれは仙台のプロモーションのことを話していたのかな。当時結構な距離を移動しまくってプロモ活動をしていましたからね(笑)。実をいうと、10年間で特に印象に残っているのは今もその時のことなんです。

最初は3人だったり、2人だったりでプロモーションしていたけど、だんだん役割が決まっていって。曲作りには小室くんが時間をかけ、その間に僕が1人でプロモ活動をするということになったんです。まずはリーダーである小室くんの打ち立てたコンセプトがあり、それを僕が伝える役という。コンセプトをちゃんと伝えるためには余計なことは言えないから、後から考えてみるとあまり話してなかった......というか、話せなかった気がする。「ああ、そうですね」みたいな受け答えが多くなってしまったんです。本当はしゃべりたいんだけど(笑)。

──(笑)。今、お話しした東京ドームでの「TMN final live LAST GROOVE」は、先日上映会も行われた本BOXの見どころの一つです。この2日間のライブで印象に残っていることは?

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TM NETWORKデビュー35周年記念、Blu-ray BOX「TM NETWORK THE VIDEOS 1984-1994」5月22日リリース


宇都宮:すでにソロ活動もスタートしていた中でのファイナル公演ということもあって、「これからどうしようかな」という気持ちの方が強くて。「ああ、これで最後なんだ」という万感の思いよりも、「10年間よく頑張った、お疲れさま」という気持ちでした。

──確かに、皆さん表情も晴れやかだし、バンド全体の雰囲気も和気あいあいとしていて。本当に「やることはやりきった」という感じだったんですかね。

宇都宮:そう思います。なので断片的な記憶しかない。例えばそう......「Get Wild」だったかな。クレーンで結構上の方まで上げられたんだけど、実は高所恐怖症だったことを思い出して「うわ、足が震えてる」みたいに思ったこととか(笑)。確かあれ、ほぼ当日に誰かが思いついてやることになったんじゃなかったかな。

■バンドが持つフレキシブルなところが僕は好きだったんだと思います

──初日と二日目で、「Get Wild」以外はセットリストを完全に入れ替えているんですよね。それも画期的だと思うのですが。

宇都宮:自分にとっては、2日目のオープニングを前日に変更したことの方が前代未聞でした(笑)。初日終わって小室くんが「オープニング、変更しよう。ドームの真ん中から登場したい」って。それでスタッフに慌てて連絡したのを覚えています。もう現場はてんやわんやでしたけど、チームの信頼関係が成り立っていたからこそ小室くんもそんなこと言い出したんだろうし、実際に出来ちゃったんでしょうね(笑)。ステージ衣装の上からスタッフ用のジャンパー羽織って、お客さんに分からないようにして会場の真ん中へ行き、そこから登場したんです。

──映像は2曲目「1974(16光年の訪問者)」から収録されているので、そのオープニングが確認できないんですよね。ぜひ見たかったです。

宇都宮:曲は何をやったんだろう......?「SEVEN DAYS WAR」だったのかな。初日のアンコールは「SEVEN DAYS WAR」だったから、あの曲から始めた可能性はあるけど。

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TM NETWORKデビュー35周年記念、Blu-ray BOX「TM NETWORK THE VIDEOS 1984-1994」5月22日リリース


──今回ファイナル公演の中から「BE TOGETHER」、「Self Control (方舟に曳かれて)」そして「GET WILD '89」の映像を配信中なのですが、この3曲について印象に残っていることはありますか?

宇都宮:「Self Control (方舟に曳かれて)」を出して、ちょっと道が開けたというか、上に上がっていく感触を得た気がしますね。で、このアルバムのプロモーションをしている最中に、「GET WILD」がアニメ「シティーハンター」の主題歌に決定して。その音源が、地方を回っている僕のところに東京から送られてきたのを覚えています。

──「GET WILD」は、今年公開された『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・ アイズ>』でもエンディングテーマに起用され、若い人にも再び広く聞かれるようになりました。初めて聴いた時は「これは大ヒットする!」と思いました?

宇都宮:いや、この曲の前から、例えば「Come on Let's Dance」のようなダンサンブルな楽曲も作っていたし、「Get Wild」が出来上がった時も別に、そんなに驚いたり興奮したりするほどでもなかったんですよね。覚えているのは......「え、スネアがないんだ、そう来るか!」と思ったことくらいで(笑)。

──なるほど(笑)。あと、今回のボックスは2枚のボーナス・ディスクも話題になりそうですね。1枚目には、1985年10月31日に日本青年館で行われたライブ「Dragon The Festival Tour featuring TM NETWORK」が全編収録されています。

宇都宮:このライブから、ギターの松本孝弘くん(B'z)やドラムの山田亘くん(FENCE OF DEFENSE)、ベースの西村麻聡 (FENCE OF DEFENSE)くんにサポートで入ってもらって「バンド編成」でライブをやるようになったんです。

実は僕ら20歳くらいの頃はずっとバンド形式でやっていて(前身はSPEEDWAY)、自分のルーツはそこにあるんだなと再認識しましたね。「やっぱりバンドはいいな」と。アレンジを変更しようと思えばすぐに対応ができるのも、バンドの強みじゃないですか。昔のコンピューターは、ちょっとの変更でも時間がかかったんですよ。バンドが持つフレキシブルなところが僕は好きだったんだと思います。それは木根も小室くんも一緒でした。

■昭和の曲たちが持つパワーのすごさを改めて思い知らされていますね

──もう1枚は1988年8月25日に東京ドームで行われた「T-MUE-NEEDS STARCAMP 1988」。収録されているのは、同年10月10日にNHK総合で放送された60分の映像です。こちらも、「CAROL TOUR」の"CAROL PART"の予告的ステージや、バンドスタイルの「SEVEN DAYS WAR」など貴重な映像が入っていますね。

宇都宮:ちょうど『CAROL』(1988年)のレコーディングの最中に、ロンドンから戻って。その時にはすでにライブの構想もあったので、それを実験的に試してみようということになったのだと思います。女性シンガーをロンドンでオーディションして、その子(パメラ・レニイ・ラドルフ)を連れて来ました。ただ、歌詞が間に合わなかったから「ラララ~」で歌ってもらったんです(笑)。今考えてみるとすごいことだなと。

──では最後に、宇都宮隆ソロの活動について、今年の活動今後の予定などを教えてください。

宇都宮:昭和歌謡曲など、昔の曲を洋楽風のアレンジで聴かせるという、ちょっとユニークなライブを始めて、もう5年続いています。実はTM時代のライブでも、木根と僕でフォークソングを歌ったこともあったんです。その頃から、自分の中にフォークやニューミュージックなどへの思いがあったのかもしれない。そこから「フォーク・パビリオン」を、木根と浅倉大介と開催したこともありますしね。

──令和という新時代が始まった今、昭和と平成の邦楽シーンを振り返ってどう思いますか?

宇都宮:昭和の曲たちが持つパワーのすごさを改めて思い知らされています。TMNのデビューの頃は、当時テレビに出ていた人たちの音楽......歌謡曲や演歌、アイドルソングなどは全然聴いていなかったし、むしろ「いかに戦っていくか?」ということを考えていたので、自分が好きになるなんてことは想像もしなかった。けど、時を経(へ)て初めてじっくり向き合ってみたら、「これはアレンジ次第で新しく聴けるのではないか?」と思ったんです。そこからかなり印象が変わりましたね。

平成に関しては......なんていうか、バケモノみたいな時代でしたよね。CDの売上もとんでもないことになって。でも、音楽的な部分でいうと、自分の中に残る曲はそんなになかったように思う。なるべく車の中では新しい音楽を聴くようにはしているんですけど。とにかくペースが早いじゃないですか(笑)。令和になっても、僕は僕のペースで楽しんで歌っていきたいと思います。

【ライブ映像】TM NETWORK 「TMN final live LAST GROOVE『GET WILD'89』2019 Remaster」>>

【ライブ映像】TM NETWORK 「Self Control」TMN final live LAST GROOVE>>

【ライブ映像】TM NETWORK 「BeTogether」Befor/After>>

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TM NETWORKデビュー35周年記念、Blu-ray BOX「TM NETWORK THE VIDEOS 1984-1994」5月22日リリース


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Blu-Ray 10枚組 BOX「TM NETWORK THE VIDEOS 1984-1994」は、2019年5月22日発売。

◆収録Discs
Disc-1
『VISION FESTIVAL (journey to saga)』
【1984年12月5日:渋谷PARCO PART Ⅲ SPACE PARCOで行われたライヴ】
Disc-2
『FANKS "FANTASY" DYNA-MIX』
【1986年8月23日:読売ランドEAST / 1986年7月17・18日:中野サンプラザで行われたライヴ】
Disc-3
『KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX MARCH 15th,1988』
【1988年3月15日:国立代々木競技場第一体育館で行われたライヴ】
Disc-4
『CAMP FANKS!! '89 at YOKOHAMA ARENA 2014 EDITION』
【1989年8月30日:横浜アリーナで行われたライヴ】
Disc-5
『TMN WORLD'S END I・II Rhythm Red Live』
<WORLD'S END I>
【1991年2月2日、3日:郡山市民文化センター、2月22日:仙台イズミティーで行われたライヴ】
<WORLD'S END II>
【1991年3月7日、8日、10日:国立代々木競技場第一体育館で行われたライヴ】Disc-6
『TMN EXPO ARENA FINAL』
【1992年4月12日:横浜アリーナで行われたライヴ】
Disc-7
『TMN final live LAST GROOVE 5.18』
【1994年5月18日:東京ドームで行われたライヴ】
Disc-8
『TMN final live LAST GROOVE 5.19』
【1994年5月19日:東京ドームで行われたライヴ】
Disc-9
『T-MUE-NEEDS STARCAMP TOKYO 1988.08.25』
【1988年8月25日:東京ドームで行われたライヴ】【1988年10月10日/16:30-17:30/NHK総合にて放送】
Disc-10
『DRAGON THE FESTIVAL TOUR featuring TM NETWORK 1985.10.31』
【1985年10月31日:日本青年館で行われたライヴ】

◆ TM NETWORK/TMN
小室哲哉(Key)、宇都宮隆(Vo)、木根尚登(g)による日本の3人組ロック・ユニット。前身バンドのSPEEDWAYを経て、1984年に「金曜日のライオン」でデビュー。シンセサイザーを大幅に導入した新世代ロック・バンドとして注目を浴びる。小室が渡辺美里に楽曲提供してヒットを飛ばすかたわら、87年に「セルフ・コントロール」「ゲット・ワイルド」などの大ヒットでブレイク。90年にTMNと改名し、メジャー・デビュー10年目となる94年に"終了"宣言。99年、TM NETWORKとして再始動。2014年4月にデビュー30周年を迎える。同年10月、約7年ぶりとなるアルバム『QUIT30』を発売した。
宇都宮の座右の銘:「猫にご飯」(猫にご飯をちゃんとあげよう)

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