【インタビュー】エドガー・サリヴァン、2019年下半期要注目の次世代ポップスター

2019/5/29 18:10

とにかくサウンドや歌詞がいい。でも、まず気になったのは風変わりなアーティスト名!? 新元号が発表された日に、エドガー・サリヴァン(以下、エドサリ)が新メジャーレーベルO EDO LABELを設立。佐々木 萌(Vo)と坂本 遥(G)のふたりユニットによる、日常のリアルとファンタジーが折り重なるMAJOR 1st E.P.作品『NEWS』に要注目。きらめきのポップソング「今夜ステキになって」、ゴスペル風エモーショナルな「Cry me」、アニメ『みだらな青ちゃんは勉強ができない』OP曲「WONDERFUL WONDER」、パワーポップな「MILK(50%)」、ライブで盛り上がりそうな「MILK(50%)」という強力な全5曲。SpotifyやApple Music、YouTube musicなど定額制ストリーミングサービスの浸透で、音楽の楽しみ方が変わる2019年。覚えておくとちょっと自慢できそうなニューカマーの登場です。

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エドガー・サリヴァン、MAJOR 1st E.P.作品『NEWS』(5月29日リリース)


【ミュージックビデオ】「今夜ステキになって」(アルバム『NEWS』より)>>

【ミュージックビデオ】「WONDERFUL WONDER」(テレビアニメ「みだらな青ちゃんは勉強ができない」タイアップ曲)>>

ほか、エドガー・サリヴァン ミュージックビデオ>>

■ロックもダンスも、境目のない音楽が増えていったらいいのにって思っています

――私、エドサリが好きすぎまして。

坂本遥(Gt):どこが好きでしたか?

――歌やサウンド、歌詞、そして曲がいいよね。

坂本:どの曲がよかったですか?

――えっと、もちろん先行配信した「WONDERFUL WONDER」は最高で、ちなみに最初にハマったのは夏の曲。タイトルは......。

坂本:「あなたに恋をした(Precious Summer Ver.)」かな?

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エドガー・サリヴァン、MAJOR 1st E.P.作品『NEWS』(5月29日リリース)


――そうそう。スタンダードな夏うたとして語り継ぎたい大名曲。あとウインターソングで「ゲレンデベイベー」。2017年のウインターソングで1番ですね。

坂本:なるほど(納得したような表情で)。では、インタビューどうぞ。

――はい(笑)。では、バンド名の由来から教えてください。

佐々木萌(Vo):すみません(笑)。私たちがバンドを結成する前に練習で使っていたスタジオが、江戸川橋駅にあったんです。耐震工事の関係で取り壊されちゃったんですけど。

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エドガー・サリヴァン、MAJOR 1st E.P.作品『NEWS』(5月29日リリース)


――もしかしてLDKスタジオ? 

佐々木:えっ、そうです。

――細野晴臣さんが関わられてスタートしたスタジオですね。

佐々木:そこで"江戸川"って言葉と、エド・サリヴァン・ショーみたいなエンタテインメントな音楽っていう意味を掛け合わせて、エドガー・サリヴァンという名前になりました。

――名前のインパクトありますよね。

佐々木:でも最近、私たちのことを個人名で"エドガー・サリヴァンさん"だと思ってる方もいて。「さん付けしなくてすみません!」みたいな。「ユニット名だから、さん付けしなくていいんだよ」っていう。そんな誤解も生まれたり......。

坂本:僕は、生放送番組に出たら、ストーンズみたいにエド・サリヴァンに怒られるようなパフォーマンスをしたいですね。

――あはは(笑)。ふたりは、自分たちのどんな部分にエドサリらしさを感じてますか?

佐々木:結成当初は5人体制だったんですが3人体制、そして2人体制へと変化がありました。現時点ではそれこそ1st E.P.作品『NEWS』が"私たちの音楽そのもの"という、シンプルなところにたどり着きました。

坂本:最初は、シンガー・ソングライター佐々木萌のソロだったんです。そんなアイデンティティだったのが5人編成のエドサリで。そこからいろいろあってメンバーが減っていくわけなんですけど、その過程でも中心にいるのは佐々木萌でした。3人編成の時は、それこそさっきの"エドガー・サリヴァンさん"じゃないですけど。架空の人物像というか、架空のプロダクトを作ろうっていう認識があったんです。でも、2人編成になってからは、萌ちゃんのパルスみたいなものをいかに曲に落とし込むか、アレンジに落とし込むかっていうことを大事にしています。萌ちゃんは歌姫ではなくて、やっぱりシンガー・ソングライターなんです。自分の思ったことを自分の身を削って曲にできるところがすごい。よりパーソナルに回帰した印象ですね。

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エドガー・サリヴァン、MAJOR 1st E.P.作品『NEWS』(5月29日リリース)


――もともと、どんなアーティストを聞いていたんですか?

佐々木:日本のロックバンドが好きだったんですけど、capsuleにハマりました。中田ヤスタカさんのサウンドやメロディーが、自分の好きなロックバンドと通じる部分があったというか。同郷のサカナクションとも近いものを感じたり。ロックもダンスも、境目のない音楽が増えていったらいいのにって思っています。

坂本:僕は、スティーヴィー・レイ・ヴォーン(世界的人気なアメリカのブルース・ギタリスト)以外は信じてないんですけど......。

――でも紙資料にChar(日本屈指のレジェンド・ギタリスト)って書いてありますね。

坂本:これはあれなんですよ、幼馴染のお父さんがCharさんのベースを弾いてたんです。当時、僕がビートルズやストーンズとかクイーンが好きだっていうのを、中1のときに言ったら「Charっていう人のライブがあるから」って誘ってくれて、立ち振る舞いに衝撃を受けましたね。

■人の心に残る音楽って、人間力が大事だと思っていて。その人自身の欲深さとか求心力とか、逆に欲のなさとか。そういうのを含めて音楽は伝わっていく

――1st E.P.作品『NEWS』が完成して、どんなご気分ですか?

佐々木:人生のターニングポイントとなる作品だと思います。達成感がありました。流行りを取り入れつつも、大好きなルーツの遺伝子を取り込んで。お気に入りのE.P.となりました。

坂本:人の心に残る音楽って、人間力が大事だと思っていて。その人自身の欲深さとか求心力とか、逆に欲のなさとか。そういうのを含めて音楽は伝わっていく。いかにお金をかけようとアレンジのセンスがよかったとしても、上辺のものはもう伝わらない時代だと思うんです。さっきの話に戻りますけど、萌ちゃんが全部の歌詞を書いて。今まで以上に活き活きした言葉遣いだったり、歌の息遣いを記録できていると思うんです。デモを聞くたびに「これ俺の曲なの?」って萌ちゃんに聞くけど「違うよ!」って言われて悲しいんですけど。

佐々木:「俺のこと書いたの?」って「違うよって(笑)」。

――あはは(笑)。『NEWS』というタイトルも印象的です。

佐々木:ニュースって普通の日常を伝えるニュースもあれば、戦争やスキャンダルとかもあって。人それぞれ思い浮かべるものが違いますよね? "日常の楽しいニュースはエドガー・サリヴァンが音楽で提示するから"みたいな。どこに焦点を絞るかですよね。"日常の素敵なものに集中していたら周りがキラキラしてることだってあるよ"って。「大ニュース!」って見出しがつかないようなことでも、日常に潜んでるニュースに気付こうよっていう意味を込めています。

坂本:あ、NORTH、EAST、SOUTH、WESTの略じゃなかったんだ。

佐々木:違う違う(笑)。よく思いつくよね(苦笑)。

■現実なのか空想なのか、どっちかわからないっていうところが面白くて

――あはは(笑)。それこそ1曲目の「今夜ステキになって」は、街の雑踏に溶け合うイントロダクションからはじまる、ある種アルバム表題曲のような作品なのですね。

佐々木:「今夜ステキになって」は、渋谷に実際にある地名が出てくるんですけど、でもそんな経験をしたことがある人だけに伝わる歌は書きたくないんです。たとえスペイン坂にいなくとも、この歌詞というか曲の雰囲気でときめけると思うんです。そんな曲になったんじゃないかなって。

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エドガー・サリヴァン、MAJOR 1st E.P.作品『NEWS』(5月29日リリース)


坂本:現実なのか空想なのか、どっちかわからないっていうところが面白くて。渋谷WWW(ライブハウス)前で空を見上げて、スペイン坂、公園通りが出てくるんですけど、待ち合わせするのはネオ東京前で、世紀末というワードも出てきて。時間軸が不思議ですよね? 萌ちゃんらしい歌詞だなって思ってて。こんなに具体的な地名が出てるのにパステルカラーというか靄がかかってるというか。歌詞で"君となら生き残れるような予感さ"ってあって「これは音楽業界で俺らが?」って聞いたら「違う」って。「そうか......」って。とても平和な一瞬でしたね。

――あはは(笑)。聞き手それぞれ、自分ごととして想像を広げられる楽曲ということですね。

坂本:大西省吾(agehasprings)さんのアレンジもかっこよくて。もともとサビは4つ打ちじゃなかったんですよ。

佐々木:もうちょっとバンドっぽいというか。

坂本:ドンダン、ドドダンで入ってたんですけど、高揚感あるアレンジに生まれ変わっていて。本当にステキになれるんじゃねえか俺、みたいな。それで歌詞にある"世界をずっと二人きり生きよう"っていう気持ちで萌ちゃんの目をみたら、俺と目を合わせてくれないっていう。

佐々木:そんなことあったっけ。

――あはは(笑)。

■好きな人と待ち合わせするために闊歩していると、だんだん空を飛んでるような気分になるっていうのは、みなさん経験あるんじゃないかなって

坂本:アレンジがすごい好きでね。もっと言っちゃうとベースで林あぐり さんってベーシストとSANABAGUN.の澤村一平君にドラムを叩いてもらったんですけど、ふたりのプレイも素晴らしくて。僕はギタリストとしていろんな現場に行くこともあるんですけど、ディレクターさんに「よかったね!」とか「あのフレーズ超いいよ!」って言われても"俺は、そんなにいいと思ってないんだけどな"ってときがけっこうあるんですよ。でも逆に自分がディレクターになってみると、いろんなアイディアをくれるのが嬉しくて全部取り入れたい。とにかくレコーディングが楽しかったですね。

佐々木:昨日、MVを録ってきたんです。この曲の浮遊感というかファンタジー感を表現した作品にしたくて。

坂本: (洋楽の)The 1975とか、そんな色合いです。

佐々木:この曲を書いたときのイメージが映画『AKIRA』でした。そこからネオ東京というワードが生まれて。今の東京だって平和っぽく見えるけど、見えないところで起きている事件のことを考えると『AKIRA』で描かれた世界と近からず遠からずっていうか。世紀末感を感じながらのネオンというか、なんか浮足だっていて地に足がついていない感じというか。そんな時であっても、好きな人と待ち合わせするために闊歩していると、だんだん空を飛んでるような気分になるっていうのは、みなさん経験あるんじゃないかなって、書きました。

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エドガー・サリヴァン、MAJOR 1st E.P.作品『NEWS』(5月29日リリース)


――今回、E.P.『NEWS』のジャケットアートワークが、水道の蛇口からお花が咲くというシュルレアリスムな感じもいいよね。

佐々木:実際は、蛇口から水が出ていたとしても、それがお花に見えるくらいの心持ちで過ごそうよ、みたいな意味なんです。E.P.『NEWS』のタイトルにも繋がっていますね。街中を歩いていたときにふと5曲のうちのどれか1フレーズを思い出してくれたら嬉しいですね。

――聴き手の生活に溶け込んでいたいということですね。最後に、座右の銘を教えてください。

坂本:僕、座右の銘は「酔っぱらってギターを投げない」なんですけど......。本当に投げちゃうんですよ。この前も酔っぱらって折っちゃった......。よくないクセなんですけど。

佐々木:私は今回のタイトルだからじゃないけど、「日々ときめく」ですね。

坂本:あ、じゃ僕は「替え玉しない」でお願いします。

【ミュージックビデオ】「今夜ステキになって」(アルバム『NEWS』より)>>

【ミュージックビデオ】「WONDERFUL WONDER」(テレビアニメ「みだらな青ちゃんは勉強ができない」タイアップ曲)>>

ほか、エドガー・サリヴァン ミュージックビデオ>>

(文/ふくりゅう_音楽コンシェルジュ)

◆エドガー・サリヴァン
佐々木萌(Vo)のパーソナルなリリックと歌声、坂本遥(Gt)のオルタナティブなギタープレイが融合したハイ・ファイでキャッチーなサウンドは、唯一無二の都会的センスと圧倒的完成度を持って他に類を見ない次世代の音楽を生み出す。 また、クラブミュージックからロックカルチャーまで自在に横断しながら生み出す柔軟なトラックメイクは、同世代の共感を求めながらも簡単にポップスという枠に収まることなく、正に最新のミクスチャー・スタイルを提示している。

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。