【インタビュー】大森靖子、峯田和伸と初コラボ! メジャーデビュー5周年企画第三弾「人生2番目のラブソング」に挑戦した大森の思い

2019/6/13 11:30

今年デビュー5周年を迎える大森靖子。そのアニバーサリー企画「超歌手5周年ハンドミラクル5!」の第三弾は、峯田和伸とのコラボレーション。作詞を大森、作曲を峯田が手がける楽曲「Re: Re: Love」は、大森が道重さゆみに捧(ささ)げた「ミッドナイト清純異性交遊」以来、特定の誰かに向けて書いた「人生二番目のラブソング」だという。

高校時代、毎日欠かさず峯田にファンメールを送り続けたという大森。彼女にとって峯田は、一体どんな存在だったのだろうか。そして、そんな大森を当時の峯田はどのような気持ちで見守っていたのだろうか。

今年後半は47都道府県ツアー「ハンドメイドシンガイア」をバンド編成で行う予定の大森。彼女と峯田に、楽曲制作やPV撮影についてはもちろん、当時のエピソードについても語ってもらった。

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大森靖子、峯田和伸と初コラボ!「Re: Re: Love」(作詞:大森靖子、作曲:峯田和伸)


【ミュージックビデオ】「Re: Re: Love」(作詞:大森靖子、作曲:峯田和伸)>>

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■ 毎日メールを送ってくれるファンの中に「大森靖子」という名前があったんです(峯田)

──大森さんは、高校生の頃から峯田さんのファンだそうですね。

大森: 中学生の頃、クラスメートにゴイステ(GOING STEADY)のコピバンやっている子がいて。「曲かっこいいなあ」と思ったけど、今でいうスクールカーストの高い男の子たちが軽音で演奏してて、それを女の子たちが「いいよね~」なんて言ってる感じだったから(笑)、「え、そういうバンドなの?」ってなっていました。そこからしばらく後に、ゴイステ(GOING STEADY)解散して銀杏BOYZを組んだ峯田さんが、フェスで歌っている写真を見たんです。フロアに降りて、拡声器を持って上半身裸で叫んでいるショットが「bounce」(タワーレコードが発行しているフリーペーパー)の最後の方に掲載されていて。それがすごくカッコ良かったんです。ちょうどその頃、映画『アイデン&ティティ』を観に行って、それで好きになった感じです。

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大森靖子、峯田和伸と初コラボ!「Re: Re: Love」(作詞:大森靖子、作曲:峯田和伸)


──写真のインパクトが大きかったんですね。

大森: ライブの熱気がものすごく伝わってきました。それですぐネットで銀杏BOYZの音源を聴いたんですけど、「あの娘は中谷美紀が好き」(「あの娘は綾波レイが好き」の原型)という曲がカッコいいなって。リリースされた音源を買いに行って、そこからメチャクチャ好きになりました。当時まだ高校2年の1月とかだったので、「卒業したら東京へ行って、いっぱいライブ観よう」と思いました(笑)。もちろん、全国ツアーで愛媛県に来てくださった時には観に行ってました。

──峯田さんの、どんなところが好きですか?

大森: ライブの時に、全部を出し切るところ。普段は取り繕っているもの、演出しているものを剥がしていく瞬間が、すごく美しいなって。そのために手段を選ばない感じというか......声がガラガラになっても骨を折っても、今その瞬間のライブに全力を注ぐところが本当にカッコいいなって思います。自分も毎日そうやってやり切れるようになりたいって思っていました。骨折とかするのは嫌ですけど(笑)、「今日できることを全てやらない人は、ステージに立っちゃいけない」という気持ちになったのは、峯田さんの影響だと思います。

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大森靖子、峯田和伸と初コラボ!「Re: Re: Love」(作詞:大森靖子、作曲:峯田和伸)


──峯田さんは、大森さんをどのタイミングで認識したのですか?

峯田: 僕、ある時期ライブで自分の携帯アドレスとか言ってて、お客さんから毎日すごい数のメールが来ていたんです。仕事や友人のメールが埋もれるくらい大変なことになってたんですけど(笑)、毎日メールを送ってくれるファンの中に「大森靖子」という名前があったんです。毎日来るから名前も覚えちゃってたんだけど、つらつらと20行ぐらい、学校でこんなことがあった、家でこんなことがあった、みたいなことが書いてあって。一度だけ、返信したこともありました。それも1往復くらいで終わったのかな。

──大森さんは当時、どんな気持ちでメールを送っていたんですか?

大森: 日課ですね(笑)。「読んで欲しい」という気持ちともちょっと違っていて。ただ、返信が来た時は自分でも「これは超大作だな」と思ったメールだったんです。返信には「そのままでいてね」って書いてあったんですけど、「このままで大丈夫なのかな......」と思った覚えがあります(笑)。

峯田: それからだいぶたって、ある時ライブハウスに行ったら壁にフライヤーが貼ってあって。自分が知っているバンドマンと一緒に「大森靖子」っていう名前が印刷されていたんです。直感で、「あ、あの大森靖子さんなんだな」と確信しました。なぜかというと、彼女が高校生の頃に送ってくれてたメールが、とにかく読み物として面白かったから。「こういう人が将来、曲を作ったり絵を描いたり、写真を撮ったりする人になったら面白いんじゃないかな」と漠然と思っていたので、やっぱり来たかって。

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大森靖子、峯田和伸と初コラボ!「Re: Re: Love」(作詞:大森靖子、作曲:峯田和伸)


──実際に大森さんの音楽を聴いた時にはどう思いました?

峯田: 「ミッドナイト清純異性交遊」を聴いた時に、「たいしたもんだ」と思いました。しかも、僕が大好きなカーネーションの直枝政広さんとも一緒に仕事していたりして、「すごいなあ、いつか会えたりするのかな」って。まあ、ニアミスは何度かあったし、仲の良いどついたるねんのメンバーからも「大森靖子」というワードが出てきたりもしていたんですけど、ちゃんと話すようになったのは、そこからしばらくしてからですね。

■ ちゃんとラブソングを書いたのって「ミッドナイト清純異性交遊」以来なんですよ(大森)

── 今回、コラボのオファーが大森さんから来た時、どんなふうに思いましたか?

峯田: うれしかったですね。メジャーデビューから5年でしたっけ? 自分が一緒にやるなら、あんまり邪魔しないようにしようって(笑)。大森靖子さんを知らない人とか、知っていても「ながら聴き」で終わっている人にも「うわ、いい曲だ!」って思ってもらえるようなコラボになったらいいなと思いました。

──作詞は大森さん、作曲は峯田さんですが、事前に大森さんから「こんな曲にして欲しい」みたいなリクエストはあったのですか?

大森: 私の好きなアイドルソングをひたすら送りつけました(笑)。

峯田: メロン記念日とかね。あとPerfumeとか鈴木亜美さんとか4曲くらい?全然そういうふうにならなかったけど(笑)。でも「かわいい曲が作りたいんだな」っていうのは伝わったし、僕も「かわいい曲作りたいな」と思ってたので、だったらイケるかもしれないって。

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大森靖子、峯田和伸と初コラボ!「Re: Re: Love」(作詞:大森靖子、作曲:峯田和伸)


──歌詞はどんなふうに作ったのですか?

大森: 実は、峯田さんに向けての曲というか、峯田さんに歌って欲しい曲っていうのは「VOID」で書いちゃってたから(笑)、それとは違うものにしなきゃと思ったし、あれは自分の欲望の歌だったので、今回はちゃんとラブソングを書こうと。ちゃんとラブソングを書いたのって「ミッドナイト清純異性交遊」以来なんです。いつもは大抵、3時間くらいで書き上げるんですけど、めっちゃギリギリまで時間がかかりました。

──それはなぜ?

大森: 無駄な言葉とかあっちゃいけないな、と。いつもは言葉で空間を作るために、「これは伝わらなくてもいい言葉」「これは伝える言葉」っていうゾーニングをしてるんです。言葉の響きだけを持ってきて、意味は消すようにしたり。でも今回、峯田さんのメロディ自体が空間を作ってくれていたので、言葉が乗るとこは全て意味と熱量があるものにしないといけないなと思ったんです。

──峯田さんは、歌詞を読んでどう思いました。

峯田: そうですね......僕に向かってくる大森さんの気持ちは、うれしくもあり......。

大森: ちょっとキモイですよね?(笑)

峯田: キモかった(笑)。でも、そのキモさがいいんじゃないですかね。

大森: "タピオカ弾丸撃ち落とせ"っていうフレーズがあるんですけど、峯田さんが"タピオカ"って言ったらかわいいかなと思ったんです。タピオカなんて飲みそうにないじゃないですか。

峯田: めちゃ飲んでるよ。結構混んでるから並んでる。

大森: 絶対飲んでないでしょ!

── (笑)。タイトル「Re: Re: Love」にはどんな意味が込められているんですか?

大森: メールで返信すると、表題に「Re:」って付くじゃないですか。あれって「Reply」という意味ではなく、ラテン語が由来の「~について、~に関して」という意味なんです。なので「愛について」、「愛に関して」っていう意味でもあるし、峯田さんから受け取った愛を、峯田さんだけじゃなく、いろんな方向へ向けて返していく愛にしたいという意味で「Re:Re:」にしました。

■ どのテイクでも全て持って帰りたいと思うくらい、本当にこの人の声が好きなんだなと(大森)

── PVはどんな仕上がりになりましたか?

峯田: 僕らが二人暮らししている設定で、いろいろ喧嘩(けんか)とかもして......みたいなのを長回しで撮っています。

大森: 監督に「この設定で何がしたいですか?」って聞かれたので、「喧嘩したいです」って(笑)。

峯田: 俺の知らないところで勝手に財布の中を見て。デリヘルのポイントカードを見られて詰め寄られるっていう。

大森: 出来上がったやつを家でチェックしてたら旦那に「これ、いつもの靖子ちゃんじゃん」って言われました。

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大森靖子、峯田和伸と初コラボ!「Re: Re: Love」(作詞:大森靖子、作曲:峯田和伸)


── (笑)。今回、コラボしてみて、お互いのどんなところに改めて気づきましたか?

大森: もう何を歌っても、どのテイクでも全て持って帰りたいと思うくらい、本当にこの人の声が好きなんだなと思いました。結局、好きになる人はみんな声が好きなんですよね。

峯田: 大森さんについては、「才能あるなあ」って素直に思います。歌う時の声が、低いところからオクターブ上のさらに上とかまで出るので、曲作りが楽しいんですよね。自分が歌うことを想定して作る曲よりも、「あ、ここもっと遊べるな」みたいなことがたくさんありました。

あとやっぱり、表現力というか、声の表情が素晴らしくて。この歌詞の、この言葉だけを尖(とが)らせたりできる人はなかなかいない。それって熱量とも違うと思うんですよ。「艶」っていうのかな。違う人が同じメロディを歌っても出せないような「艶」が作れるんですよね。それはもう、すげえなあって。

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大森靖子、峯田和伸と初コラボ!「Re: Re: Love」(作詞:大森靖子、作曲:峯田和伸)


──さて、今年後半は全国47都道府県ツアー「ハンドメイドシンガイア」が控えています。

大森: 47都道府県ツアーって、「できる時にやらないと」って思うんです。今、バンドが「やれる」っていうモードでいてくれているので、「やるなら今しかない」って。さっきも話したように、自分が住んでいたのは愛媛県で、そこにアーティストが来てくれるってだけでうれしくて好きになっちゃうんです。そういうことが今回できるのは素直にうれしいです。

峯田: ここまでくまなく全国を回るのは初めて?

大森: 初めてです。

峯田: 僕は2005年に「世界ツアー 2005」と題した全国44ヶ所をまわるツアーをやったんだけど、懲りました(笑)。27歳のときだったかな。あの時はいろいろなアクシデントも続いてしまって。救急車に何度乗っただろう? って感じ。延び延びになって、そこからスケジュール立て直して何とかやり遂げたので感慨深いですね(笑)。

大森: けがしないよう気をつけなきゃ(笑)。

【ミュージックビデオ】「Re: Re: Love」(作詞:大森靖子、作曲:峯田和伸)>>

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大森靖子、峯田和伸と初コラボ!「Re: Re: Love」(作詞:大森靖子、作曲:峯田和伸)


◆大森靖子
新少女世代言葉の魔術師。超歌手。2007年に弾き語りで音楽活動をスタートして、2014年にメジャーデビュー。道重さゆみ、アップアップガールズ(仮)、℃-uteなど近年は楽曲提供も積極的におこなっている。 座右の銘は「マジックミラー」

◆峯田和伸
2003年1月、GOING STEADYを解散。その後ボーカルの峯田和伸が銀杏BOYZを結成。当初は峯田のソロ名義であったが、バンド編成となり2003年5月から本格的に活動を開始。今年1月には二度目の武道館公演を遂行し、俳優としても多数作品に出演するなど、多方面で活躍している。座右の銘は「雑魚でいたい」

(取材・文/黒田隆憲)
(撮影/ナカムラヨシノーブ)

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