【インタビュー】賃金未払いに、ファンのクレーム 弁護士プロデュースのRevival:Iが語る"アイドル業界のリアル"
2019/6/10 13:20
Revival:I(リバイバル アイ)は、弁護士・河西邦剛がプロデュースする異色のアイドルグループ。結成のきっかけは、リーダーの言葉乃あやとサブリーダーのおぎなつみが経験した裁判だった。"ブラック"と称されるアイドル業界の実態と、苦難を味わった彼女たちが抱く思いとは?
・弁護士がアイドルプロデュースを始めた訳(2019年2月26日 出演)>>
・地下アイドルたちが抱える、切実な悩み(2019年2月26日 出演)>>
■過酷な状況でも「ステージに立てなくなるのがイヤだった」
――「弁護士プロデュース」ということで話題になっているRevival:Iですが、そもそもどのような経緯で河西弁護士と知り合うことになったのでしょうか?
言葉乃:「前に所属していた事務所にすごく不利な専属契約を結ばされて、移籍先の事務所にも「契約をクリアにしないと所属させられない」と言われてしまったんです。そんな状況を打破するために相談した弁護士さんが河西さんでした」
おぎ:「芸能系に強い弁護士さんをネットで検索したら、河西さんのいるレイ法律事務所が真っ先にヒットしたんです。そして裁判が終わった後に、「私たちの体験をアイドルとして発信していこう」という意気込みでRevival:Iを始めました」
――河西弁護士の支援もあり、以前の事務所とは和解。とはいえ言葉乃さんとおぎさんは、アイドルとしてつらい経験をされたそうですね。
おぎ:「いろいろな問題がありましたけど、一番キツかったのは事務所の人から相手にされていないことでした。干されているというか......」
言葉乃:「ライブ以外にも毎日動画の配信やメルマガの更新があって、実際の拘束時間はかなり長かったんですが、賃金は「レッスン費用」として全額天引きされて未払いでした。改善を求めても基本的に「無理」の一点張りで、ようやくミーティングをする約束を取り付けても実際にはその場が設けられない。話がころころ変わってしまうんです」
おぎ:「個人的にはお金の問題よりも、新しい曲が全然もらえないことや、運営がおざなりになっていたことの方がつらかったです。物販でファンの方から「事務所に問い合わせても返信がない」と私たちにクレームを入れられたり(笑)」
言葉乃:「それでもステージに立てなくなるのがイヤで我慢していました。支えてくれるファンの方がいましたし、ステージに立っている間は本当に楽しかったんです」
おぎ:「事務所を辞めたとしても、別の場所でアイドルができる保証はありませんでしたから。今こうして振り返っても、なかなか難しい状況でした」
■弁護士プロデュースならではの安心感
――Revival:Iに加入するまではアイドル未経験だった立花さんと羽月さんは、2人の話を聞いてどう感じましたか?
立花:「あらためて、今の環境はとても恵まれているんだなと思いました。定期的にライブもできるし、あーや(言葉乃)となっつ(おぎ)がディレクターを兼任してくれているので、何か相談すればすぐに「じゃあ、こうしてみようか」と動いてくれるんです」
羽月:「本当にやりやすいです! 私は1人だけみんなと年齢が離れているんですけど「敬語は使わなくていいよ」と言ってくれますし、普通にあだ名で呼び合っています」
言葉乃:「自分たちがブラックな環境を経験したからこそ、つまらないことでモチベーションが下がるのはイヤなんです。それにグループの仲が悪いのって、ファンの方にはすぐにわかってしまうものじゃないですか。ありがたいことにリバアイはみんな性格が悪いわけではないので、仲良くやらせてもらっています(笑)」
おぎ:「そこは「みんな性格がいい」って言い切ろうよ(笑)」
――2人の経験が生かされているんですね。それでも、立花さんと羽月さんにとってアイドルは未知の世界。加入を迷ったり、家族に反対されたりはしませんでしたか?
羽月:「Revival:Iに加入する前から河西さんが出ているテレビを家族で見ていたこともあって、お母さんも「河西さんプロデュースなら安心だね」と言ってくれました」
立花:「私も、何かの番組で河西さんを見かけた家族から「美優のプロデュースの人?」と連絡がありました。やっぱりテレビの力はすごいですね(笑)。私はもともとダンスをやっていて、昔から人前に立つのが好きだったんです。そういった経験を生かして、振り付けやスキルアップの面で少しでもリバアイの力になれたらと思っています」
■経歴だけで判断する業界の空気を変えたい
――河西弁護士の知名度が信用につながっていると。そのほかにRevival:Iならではの特色はありますか?
おぎ:「取材が多いですね。メディアの方も注目してくれているんだな、と感じます」
言葉乃:「お披露目ライブのときも5社くらい取材が来てくれました。興味を持っていただいているのは本当にありがたいです」
立花:「友達から送られてきた画像で、嵐さんのニュースのすぐ下に私たちの記事があったときはビックリしました(笑)」
羽月:「私は完全に新人なので、いつもすごく緊張しています(笑)。とりあえずは、早くこの状況に慣れたいです!」
――それでは、今後に向けての抱負を教えてください。
言葉乃:「まずは前の事務所にいたころよりも人気になること。出たかったけど出られなかったフェスやイベントがたくさんあるので、実力でそこに出演できるようになりたいです」
おぎ:「やっぱりデビューしたばかりでまだまだ動員が少ないので、地道にライブを見てくれる人を増やしていきたいですね」
立花:「私はもともとダンス部で活動していたときにZepp Tokyoさんのステージに立ったことがあって、その景色が忘れられなくて......。いつかこの4人で出演できればと思います」
羽月:「大きな目標はテレビに出ること! テレビに出れば一気に存在が知れ渡るじゃないですか。学校では人間関係がうまくいかないことも多かったので、同級生たちを見返してやりたいですね」
おぎ:「おっ、急に強気だね!」
言葉乃:「私たちはみんな負けず嫌いで、誰かを見返してやりたいって気持ちが原動力になっている気がします(笑)。私自身、別の事務所のオーディションで「裁判とか起こしちゃった子なのか」と面倒な人間のように見られて悔しい思いもしました。河西さんも言っていたんですけど、もし他にも悩んでいるアイドルの子がいればぜひサポートしたいですし、過去の経歴で判断する業界の空気を変えるための突破口を開きたいです」
・弁護士がアイドルプロデュースを始めた訳(2019年2月26日 出演)>>
・地下アイドルたちが抱える、切実な悩み(2019年2月26日 出演)>>
◆Revival:I(リバイバル アイ)
2019年1月に結成。弁護士・河西邦剛がプロデュースするアイドルグループで、略称は「リバアイ」。リーダーの言葉乃あやは1995年2月13日生まれ、神奈川県出身。特技は60%ものまね、イメージカラーは水色。サブリーダーのおぎなつみは1996年1月31日生まれ、北海道出身。特技は5分メイク、イメージカラーは緑。立花美優は1997年8月30日生まれ、栃木県出身。特技はダンスと韓国語、イメージカラーはピンク。羽月もかは2003年2月1日生まれ、神奈川県出身。特技は辛いものを食べること、イメージカラーは赤。言葉乃はディレクター、おぎはアシスタントディレクターとして運営にも参画している。
座右の銘は、言葉乃が「理解するより認めること」、おぎが「やらなかった後悔よりも、やった後悔」、立花が「今しかできないこと」、羽月が「楽しいことしかしたくない」。
トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。
(取材・文/曹宇鉉@HEW)

弁護士・河西邦剛がプロデュースする異色のアイドルグループ「Revival:I(リバイバル アイ)」
・弁護士がアイドルプロデュースを始めた訳(2019年2月26日 出演)>>
・地下アイドルたちが抱える、切実な悩み(2019年2月26日 出演)>>
■過酷な状況でも「ステージに立てなくなるのがイヤだった」
――「弁護士プロデュース」ということで話題になっているRevival:Iですが、そもそもどのような経緯で河西弁護士と知り合うことになったのでしょうか?
言葉乃:「前に所属していた事務所にすごく不利な専属契約を結ばされて、移籍先の事務所にも「契約をクリアにしないと所属させられない」と言われてしまったんです。そんな状況を打破するために相談した弁護士さんが河西さんでした」
おぎ:「芸能系に強い弁護士さんをネットで検索したら、河西さんのいるレイ法律事務所が真っ先にヒットしたんです。そして裁判が終わった後に、「私たちの体験をアイドルとして発信していこう」という意気込みでRevival:Iを始めました」

言葉乃あや「Revival:I(リバイバル アイ)」
――河西弁護士の支援もあり、以前の事務所とは和解。とはいえ言葉乃さんとおぎさんは、アイドルとしてつらい経験をされたそうですね。
おぎ:「いろいろな問題がありましたけど、一番キツかったのは事務所の人から相手にされていないことでした。干されているというか......」
言葉乃:「ライブ以外にも毎日動画の配信やメルマガの更新があって、実際の拘束時間はかなり長かったんですが、賃金は「レッスン費用」として全額天引きされて未払いでした。改善を求めても基本的に「無理」の一点張りで、ようやくミーティングをする約束を取り付けても実際にはその場が設けられない。話がころころ変わってしまうんです」
おぎ:「個人的にはお金の問題よりも、新しい曲が全然もらえないことや、運営がおざなりになっていたことの方がつらかったです。物販でファンの方から「事務所に問い合わせても返信がない」と私たちにクレームを入れられたり(笑)」
言葉乃:「それでもステージに立てなくなるのがイヤで我慢していました。支えてくれるファンの方がいましたし、ステージに立っている間は本当に楽しかったんです」
おぎ:「事務所を辞めたとしても、別の場所でアイドルができる保証はありませんでしたから。今こうして振り返っても、なかなか難しい状況でした」
■弁護士プロデュースならではの安心感
――Revival:Iに加入するまではアイドル未経験だった立花さんと羽月さんは、2人の話を聞いてどう感じましたか?
立花:「あらためて、今の環境はとても恵まれているんだなと思いました。定期的にライブもできるし、あーや(言葉乃)となっつ(おぎ)がディレクターを兼任してくれているので、何か相談すればすぐに「じゃあ、こうしてみようか」と動いてくれるんです」
羽月:「本当にやりやすいです! 私は1人だけみんなと年齢が離れているんですけど「敬語は使わなくていいよ」と言ってくれますし、普通にあだ名で呼び合っています」

おぎなつみ「Revival:I(リバイバル アイ)」
言葉乃:「自分たちがブラックな環境を経験したからこそ、つまらないことでモチベーションが下がるのはイヤなんです。それにグループの仲が悪いのって、ファンの方にはすぐにわかってしまうものじゃないですか。ありがたいことにリバアイはみんな性格が悪いわけではないので、仲良くやらせてもらっています(笑)」
おぎ:「そこは「みんな性格がいい」って言い切ろうよ(笑)」
――2人の経験が生かされているんですね。それでも、立花さんと羽月さんにとってアイドルは未知の世界。加入を迷ったり、家族に反対されたりはしませんでしたか?
羽月:「Revival:Iに加入する前から河西さんが出ているテレビを家族で見ていたこともあって、お母さんも「河西さんプロデュースなら安心だね」と言ってくれました」
立花:「私も、何かの番組で河西さんを見かけた家族から「美優のプロデュースの人?」と連絡がありました。やっぱりテレビの力はすごいですね(笑)。私はもともとダンスをやっていて、昔から人前に立つのが好きだったんです。そういった経験を生かして、振り付けやスキルアップの面で少しでもリバアイの力になれたらと思っています」
■経歴だけで判断する業界の空気を変えたい
――河西弁護士の知名度が信用につながっていると。そのほかにRevival:Iならではの特色はありますか?
おぎ:「取材が多いですね。メディアの方も注目してくれているんだな、と感じます」
言葉乃:「お披露目ライブのときも5社くらい取材が来てくれました。興味を持っていただいているのは本当にありがたいです」

立花美優「Revival:I(リバイバル アイ)」
立花:「友達から送られてきた画像で、嵐さんのニュースのすぐ下に私たちの記事があったときはビックリしました(笑)」
羽月:「私は完全に新人なので、いつもすごく緊張しています(笑)。とりあえずは、早くこの状況に慣れたいです!」
――それでは、今後に向けての抱負を教えてください。
言葉乃:「まずは前の事務所にいたころよりも人気になること。出たかったけど出られなかったフェスやイベントがたくさんあるので、実力でそこに出演できるようになりたいです」
おぎ:「やっぱりデビューしたばかりでまだまだ動員が少ないので、地道にライブを見てくれる人を増やしていきたいですね」
立花:「私はもともとダンス部で活動していたときにZepp Tokyoさんのステージに立ったことがあって、その景色が忘れられなくて......。いつかこの4人で出演できればと思います」

羽月もか「Revival:I(リバイバル アイ)」
羽月:「大きな目標はテレビに出ること! テレビに出れば一気に存在が知れ渡るじゃないですか。学校では人間関係がうまくいかないことも多かったので、同級生たちを見返してやりたいですね」
おぎ:「おっ、急に強気だね!」
言葉乃:「私たちはみんな負けず嫌いで、誰かを見返してやりたいって気持ちが原動力になっている気がします(笑)。私自身、別の事務所のオーディションで「裁判とか起こしちゃった子なのか」と面倒な人間のように見られて悔しい思いもしました。河西さんも言っていたんですけど、もし他にも悩んでいるアイドルの子がいればぜひサポートしたいですし、過去の経歴で判断する業界の空気を変えるための突破口を開きたいです」

弁護士・河西邦剛がプロデュースする異色のアイドルグループ「Revival:I(リバイバル アイ)」
・弁護士がアイドルプロデュースを始めた訳(2019年2月26日 出演)>>
・地下アイドルたちが抱える、切実な悩み(2019年2月26日 出演)>>
◆Revival:I(リバイバル アイ)
2019年1月に結成。弁護士・河西邦剛がプロデュースするアイドルグループで、略称は「リバアイ」。リーダーの言葉乃あやは1995年2月13日生まれ、神奈川県出身。特技は60%ものまね、イメージカラーは水色。サブリーダーのおぎなつみは1996年1月31日生まれ、北海道出身。特技は5分メイク、イメージカラーは緑。立花美優は1997年8月30日生まれ、栃木県出身。特技はダンスと韓国語、イメージカラーはピンク。羽月もかは2003年2月1日生まれ、神奈川県出身。特技は辛いものを食べること、イメージカラーは赤。言葉乃はディレクター、おぎはアシスタントディレクターとして運営にも参画している。
座右の銘は、言葉乃が「理解するより認めること」、おぎが「やらなかった後悔よりも、やった後悔」、立花が「今しかできないこと」、羽月が「楽しいことしかしたくない」。
トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。
(取材・文/曹宇鉉@HEW)