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映画『カイジ』における藤原竜也のモノマネで一世を風靡(ふうび)した、お笑い芸人のGたかし。しかし本人の前でネタを披露したところ、"公認"ではなく"黙認"とされてしまったという。その理由について、Gたかし自身は藤原の優しさによるものだと考えているようで......?

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(GYAO! トークバラエティ「ぶるぺん」出演 Gたかし)



カイジ原作者からも公認が貰えなかった芸人>>

■"黙認"は「一番おいしいところに落としてくれた」

――藤原竜也さんのモノマネについて、ご本人からは"公認"ではなく"黙認"とされているそうですが、なぜ認めてもらえなかったのでしょうか?

Gたかし:「藤原さんはすごく優しい方なんですよ。「行列のできる法律相談所」でご一緒したときも、最初は「モノマネ? 全然いいですよ!」と快く言ってくださったんですけど、床に転がって「床がキンキンに冷えてやがる!」とカイジのセリフを絶叫するネタが思いのほかウケてしまいまして(笑)。調子に乗って繰り返していたら、「そんなセリフ言ってないですよ!」と軽くお叱りを受けました(笑)。

これは僕が勝手に感じていることなんですけど、とにかく芸人をおいしくしてあげようとしてくれる方なんです。ご本人としては"公認"でも良かったんでしょうけど、冷たくあしらった方がウケそうだったので、結果的に"黙認"という一番おいしいところに落としてくれたんだと思っています。収録が終わったあとも「お疲れさまでした!」と爽やかに声をかけてくださって、本当に愛がある方だなと思いました」

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(GYAO! トークバラエティ「ぶるぺん」出演 Gたかし)



――Gたかしさんの影響で、多くの人が藤原さんの絶叫をモノマネするようになりました。なぜ『カイジ』のネタをするようになったんですか?

Gたかし:「藤原さんが演じた『カイジ』の映画が面白かったので、試しにライブで「鉄骨を渡るカイジ」というネタをやったらすごくウケまして......。原作も大好きなんですけど、実は『カイジ』以外の福本伸行先生の漫画はちゃんと読んだことがないんですよ。「アカギ」や「銀と金」についても「面白いから読みなよ!」と勧められるんですけど、本能的にカイジ以外の福本キャラが混ざらないようにしているのかもしれません(笑)」

――藤原さんのほかに、モノマネをした相手で印象深い方はいますか?

Gたかし:「藤岡弘、さんと対面したときは緊張感がすごかったですね。あるテレビの企画で、"公認"をいただくために木刀を1万回素振りして滝行までしたんですけど、いざお会いしたら「木刀とか滝行は別にいいんだ。なぜ私のモノマネをしているのか、聞かせてください」と真剣にきかれて......。とっさに「藤岡さんの仮面ライダーや探検隊には、根底に愛というテーマがある気がします」と答えたら、ごちそうになったコーヒーの湯のみの底にたまたま"愛"と書いてあって(笑)。奇跡的に「ご公認します」と言っていただけました」

■漫画家志望から水商売を経て芸人へ

――デビューは25歳と少し遅めのGたかしさんですが、芸人になる前はなにをされていたんですか?

Gたかし:「もともとは漫画家を目指していました。20歳のときに「ビッグコミックスピリッツ」の賞をいただいたんですけど、そこから少し病んでしまったんです。通っていた大学もやめて、気が付いたら歌舞伎町で水商売をしていました。後から知ったんですけど、大学の先輩には「ピンポン」の松本大洋さんや「寄生獣」の岩明均さん、「伝染るんです。」の吉田戦車さんと尊敬する漫画家の方がたくさんいたんですよ。あのまま漫画を描き続けていたら、僕もいっぱしのギャグ漫画家になれたかもしれません」

――そこからなぜ芸人の道に?

Gたかし:「昔から人を笑わせたいという欲求があって、それは漫画にも芸人にも通じることだったんだと思います。たまたま出会った元芸人の方と話をしていたら「直井くんは芸人をやったほうがいいよ」とアドバイスされて、たまたまそのときに浅井企画さんの養成所の募集を目にしたんです。学費が10万円とめちゃめちゃ安くて、その日のうちにお金を借りて申し込みました。最初はモノマネではなく、普通に漫才をやっていましたね」

――いつからモノマネ芸人として活動するようになったんでしょうか?

Gたかし:「初めてテレビのオーディションを受けたときにネタがなくて、苦し紛れにモノマネをしたら番組に出させてもらえたのがきっかけです。昔から格闘技が好きで、友達とふざけてアントニオ猪木さんや高田延彦さんのモノマネをやっていたのが役立ちましたね。

それから本格的にモノマネをやるようになり、30歳になったころに漫画の技術を生かそうと思って紙芝居とモノマネを組み合わせたネタを始めたんです。自分の特技を3分間に詰め込んで、31歳のときにようやく「R-1ぐらんぷり」の決勝に行くことができました」

■変人だらけ? 知られざるモノマネ芸人の世界

――モノマネ芸人は他の芸人に比べて営業などで稼ぎやすいと言われています。実感としてはいかがですか?

Gたかし:「決して多くはないですけど、"モノマネだから"ということで仕事をもらえることもあります。やっぱりモノマネや手品って営業向きだと思うんですよね。もちろん作り込まれた漫才やコントはすごく面白いですけど、楽しむためには集中して見なければいけないじゃないですか。営業の場合は騒がしい環境も多いので、単純に「似てる!」というのがわかりやすいんだろうな、と。

とはいえ、「モノマネだから食えてるでしょ」というのは誤解ですね(笑)。歌マネとしゃべりのモノマネでまた違いがあって、歌の方が尺も持つので営業の需要は高いんじゃないかと思います。それこそお酒を飲みながら、話しながらでも見ていられますから」

――逆に、モノマネ芸人ならではの苦労はありますか?

Gたかし:「僕、モノマネ芸人ってあまり苦労していないと思うんです(笑)。普通のお笑い芸人のほうが100倍苦労してるんじゃないかなぁ。僕もずっと挑戦していますが、同じモノマネでもお笑いのネタとして勝負したらハードルが何段も上がるなと感じています。

モノマネのちょっとした副作用として、ネタを続けているうちに脳内まで本人になりきっちゃう人がいるんですよ(笑)。もちろんご本人はすごく優しい方なんでしょうけど、たとえば某有名アーティストのそっくりさんはトラブルを起こしがち、とかあるじゃないですか。役に入り込みすぎておかしくなってしまうというか......。僕の知る限り、同じネタをずっと続けているモノマネ芸人は変わった人しかいないですね(笑)」

――芸人としての今後の目標を聞かせてください。

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(GYAO! トークバラエティ「ぶるぺん」出演 Gたかし)



Gたかし:「フリップを使った『カイジ』のネタをぜひ藤原さんの前で披露したいですね。そのうえで、またしっかりと怒っていただければと思います(笑)。僕が出ていないテレビ番組で、藤原さんが罰ゲームとして「藤原竜也のモノマネをする僕のモノマネ」をしてくれたことがあったんですよ。藤原さんの芸人への愛、優しさをひしひしと感じているので、僕もこれだけ愛しているんですよ、というところを見せたいです。

あと、学生以来20年ぶりにギャグ漫画を描こうと思っています。モノマネとお笑いの二刀流に漫画家をプラスして、さながら三刀流のロロノア・ゾロですね。アップルペンシルを口にくわえて頑張ります!」


カイジ原作者からも公認が貰えなかった芸人>>


◆Gたかし

1978年9月30日生まれ、茨城県出身。旧芸名は「グラップラーたかし」。アントニオ猪木をはじめとした格闘家のほか、藤原竜也、中居正広など多くのレパートリーを持つ。2016年に「行列のできる法律相談所」で披露した藤原竜也のモノマネが評判を呼ぶ。2010年の「R-1ぐらんぷり」で決勝に進出。2012年の「オンバト+」チャンピオン大会出場。その他、モノマネ番組やネタ番組への出演多数。
座右の銘は、『カイジ』に登場する利根川の名台詞「世間はおまえらの母親ではない」。

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

(取材・文/曹宇鉉@HEW

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