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"定時で帰る""残業しない"をモットーとする主人公・東山結衣を吉高由里子が演ずる「わたし、定時で帰ります。」。
20歳から64歳までの女(F1~3-)の注目を大いに集めるドラマとなっている。

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お仕事3ドラマの個人視聴率


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■お仕事3ドラマ比較

今期はお仕事をテーマにしたドラマが3本ある。
中条あやみと水川あさみが仕事に恋に悪戦苦闘する「白衣の戦士!」(日テレ・水曜10時)。福山雅治をはじめ窮地に立たされた銀行員たちが、巨大組織の理不尽に立ち向かう「集団左遷!!」(TBS・日曜9時)。そして「わたし、定時で帰ります。」(TBS・火曜10時)の3本だ。

ビデオリサーチが調べる世帯視聴率でみると、「集団左遷」「わた定」「白衣の戦士」の順だが、10.2%・9.4%・8.6%といずれも大差はない。
ただし関東地区で2000世帯5000人以上の視聴率を測定しているスイッチ・メディア・ラボによれば、「白衣の戦士」はF1~2(女20~49歳)の注目度は高いが、男女50歳以上にはあまり響かなかった。やはり白衣(看護師)とか恋だけでは、中高年の心を揺さぶることはなかったようだ。

一方「理不尽」「諦めない」「下克上」「生き残り」など力こぶの入った単語が飛び交うような「集団左遷」には、やはり男たちの熱い視線が集まった。男20歳から65歳以上まで(M1~M3+)、幅広い層に支持されている。しかもF3-(女50~64歳)の視聴率も高い。男女雇用機会均等法が施行されて既に30年以上。企業社会で悔しい思いをしてきた女性も増えている。そんな人々の思いを載せて、銀行員たちは戦っているようだ。

■新たな仕事観へ

そんな中にあって、「わた定」を最も注視していたのは20歳から64歳の女たち(F1~F3-)のようだ。各層ともお仕事3ドラマの中でトップクラスとなっている。

吉高由里子演ずる主人公・東山結衣は、過去の激務経験から仕事よりも人生を大切にし、仕事を効率よくこなすことで「残業ゼロ」を守ってきた。ワーク・ライフ・バランスを体現するキャリアウーマンだ。
ところがブラック上司・福永(ユースケ・サンタマリア)の無理難題で、「定時帰宅」のモットーがついに崩される。

しかも職場には、いろんな働き方の人物が登場する。
融通の利かない皆勤賞女・三谷佳菜子(シシド・カフカ)、出産後すぐに職場復帰したキャリア志向のワーキングマザー・賤ヶ岳八重(内田有紀)、帰宅してもやることがないと会社に住み着く非効率男・吾妻徹(柄本時生)、やる気ゼロで何かあるとすぐ仕事を辞めたがる新人・来栖泰斗(泉澤祐希)、そして仕事に集中しすぎると周りが見えなくなるワーカホリック体質の副部長・種田晃太郎(向井理)だ。

同ドラマを企画したTBSスパークルの新井順子プロデューサーは、「テレビが「これが正解です」と断言するのはとても危険なこと」「(主人公の)結衣の働き方だけが正しいという描き方にはならないように気を付けています」という。
生き方や働き方は、確かに人ぞれぞれの考え方があって良い。同ドラマもさまざまな働き方が出てきており、ストーリー展開やセリフでは、簡単にどれかを否定したり、正解と言ったりしない。
これが20歳から64歳の女たちの注目を集め、「集団左遷」にはまる男たちも一定程度集めている理由のようだ。

「下克上」「小が大を倒す」「理不尽を跳ねのける」など、ドラマチックな生き方・働き方は確かに面白い。ただし現実は、そんな風に劇的な展開ばかりではない。
「わた定」は、現実を確かな目で振り返りたいという冷静な視聴者を集めているようだ。

働き方改革関連法がこの4月に施行された。それでも「残業は仕方がない」という意識や風潮は、まだまだ日本の職場に残っている。
「価値観や立場の違いで対立するよりも、お互いがお互いの違いを理解してフォローし合えたら、もっと誰もが働きやすくなる」と新井プロデューサーは語るが、そんな風に働く人の意識を変え、現実を動かそうという志が同ドラマには感じられる。

次回はいよいよ最終回。
福永部長の画策で、"定時主義"の結衣はついに自主的にサービス残業をするようになってしまった。現実はこのように理不尽なしがらみが個人を絡めとることがある。
ただし皮肉なことに、結衣と元婚約者(向井理)との距離は、仕事の多忙さとともに図らずも縮まっていく。
果たして二人の関係はどう決着するのか。そして職場環境は改善されるのか。視聴者の視線は最終回で一段と熱くなること間違いなしだ。

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文・鈴木祐司 次世代メディア研究所

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