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Linked Horizon×「進撃の巨人」の集大成といえる楽曲がついに完成。放送中のTVアニメ「進撃の巨人」Season 3 Part.2のオープニングテーマ「憧憬と屍の道」を収録したニューシングル「真実への進撃」がリリースされた。"音楽"という切り口から「進撃の巨人」の世界を拡大させていくLinked Horizon。サウンドクリエイター・Revoが見いだす物語(ロマン)とは――?

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Linked Horizon、ニューシングル「真実への進撃」をリリース



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■打ち合わせで荒木総監督が「見えた気がする」

――Linked Horizon として、TVアニメ「進撃の巨人」シリーズのすべてのシーズンでオープニング&エンディングテーマを担当してきました。今回の「憧憬と屍の道」は、今まで「進撃の巨人」で手がけてきた楽曲のすべてのエッセンスが詰まった、まさに集大成といえる楽曲です。

「そうですね。今までの曲を彷彿(ほうふつ)させる要素を盛り込みつつ、それらがつながったとき、また新たに有機的なものが生まれる形を意識しました」

――メドレーのような構成にすることは、早い段階で決まったのでしょうか?

「最初の打ち合わせに持参したデモの段階で、ほぼ今の形にはなっていました。ただ、『もう少し余韻がほしい』という話になったんですが、余韻を残すためのスペースが残っていなかったんです。どこかを削るという選択肢もありましたが、デモ版は今と比べてテンポ感が20くらい遅かったので、『逆にテンポを速くすることで余韻のスペースを作るのはどうでしょう?』と提案しました。その場ですぐに調整してお聴かせすると、『全然ありだと思います!』とお墨付きをいただいたので、現在の曲調に落ち着きました」

――ただでさえ情報量の詰まった楽曲なのに、「余韻を作るためにスピードを上げよう」とはなかなか攻めた選択ですね。

「曲が速いと、必然的に絵も速く切り替えないといけません。とくに普通の楽曲だとイントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、アウトロという構成だと思いますが、『憧憬と屍の道』の場合、サビ的な部分が約1分半のうちの中盤くらいにもう訪れて、さらにそこから2、3段階かけて上がり続けていく。映像的に大丈夫かという話もあったんですが、疾走していく楽曲とのコントラストで、逆に映像はスローにする組み合わせもあるんじゃないかということになり、打ち合わせの場で荒木哲郎総監督が『見えた気がする』とおっしゃいました。まさに、そのとおりの映像になっていますよね」

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Linked Horizon4枚目のシングル『真実への進撃』(初回版)



――テレビサイズとフルサイズで、「ここが違う」と推したい部分はどこでしょうか?

「あの曲は最後『進み続ける 波の彼方へ』という歌詞で終わるのですが、フルサイズでは、"波の彼方に何があるのか"をチラ見せしています。地下室にたどり着き、物語の上でのひとつの目的を達成したように感じられるかもしれないけれど、それはさらなる世界の入り口にしか過ぎず、また地獄が続いていく......ということを示した上で、それでも『進み続ける 波の彼方へ』という曲なんです。『進撃の巨人』という物語が完結したときに改めて聴くと、また感慨深いものがある曲なのではないでしょうか」

■エレン役の梶裕貴には「待ってもらいます(笑)」

――もともと原作のファンだったそうですが、好きなキャラクターやエピソードを挙げるとするならば?

「これは本当に難しい質問です(笑)。でも『今はこれ』と挙げるのであれば、この取材を受けているちょうど昨日アニメが『白夜』の回だったので、今は『白夜』推しですね(笑)。リヴァイ兵長とエルヴィン団長の関係性に語彙力を失いますよね。エルヴィンを地獄から解放した代わりに、リヴァイ兵長は自分が悪魔になることを引き受けたように感じます。そして、それはまたひとつ新たな物語が生まれる瞬間だったのかなと」

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Linked Horizon4枚目のシングル『真実への進撃』(通常版)



――受け手として「進撃の巨人」を楽しんでいるRevoさんですが、作り手としてのスイッチが入るのはどんな瞬間なのでしょうか?

「毎月原作を追いかけているので曲想はいつでも生まれています。でも実際それを作る、リリースするとなったら、やはりその意味やタイミングを客観的に考えますよね。思いついたけど作っていないものであれば山ほどあります」

――では、カップリング曲「13の冬」を出すのは今だったと。Revoさんから見て、ミカサとはどんなキャラクターなのでしょうか?

「一見シンプルなようにも思えますが、結構つかみどころがないですよね。原作を追いかけている人たちも、いろいろ秘密が明かされていく中で、『本当のミカサはどこにあるんだろう?』と疑問を感じていることでしょう。難しいキャラクターではありますが、わからないなりに『こういうふうだったらロマンがあるな』という気持ちを曲に込めました。エレンやアルミンを後ろから見守っているけれど、何かあったときはダッと前に出ていくところは、恋人というより母親に近いポジションかもしれないですよね」

――ボーカリストとしての石川さんは、いかがでしたか?

「僕は、『この曲を通して何を伝えるのか』ということを明確に体現できる表現者をリスペクトします。だから単純な歌の技巧だけではなく、どうしたら感情が生きている歌になるのか、魂の叫びのように聴こえるのかといった演技的なスキルも非常に重要になってくる。レコーディングのとき、石川さんも最初はキレイな歌い方をしてくれていたんですよ。もちろん歌声は本当にキレイだし透き通っていたんですけど、たとえ歌としては聞き苦しい部分があったとしても、その方が何かが伝わることって多々あると思うんです。歌というのも感情表現の一形態ですから。なので、あえて崩していくというか、いろいろな気持ちの乗せ方で歌っていただきました。やはり声優さんは声で表現するプロの方なので、石川さんも求めたことを求めた以上で返してくれました。凄いボーカリストです」

――エレン役の梶裕貴さんを始めとして、Linked Horizonの楽曲に参加することを希望する出演声優の方々は多いですね。

「他のキャクターにも焦点を当てた楽曲を作る可能性自体はゼロではありません。でもやはり『今このキャラクターを歌にする』という必然性を考えるとタイミングが難しいんですよね。とくにエレンは主人公なので......。僕はエレンって、まだ真の活躍はしていないと思うんです。愛情と大きな期待値もこめて、エレンが真の活躍をする時こそ、この物語の本当のクライマックスでしょう。だから、そのときまでエレンの曲は封印ということで、梶くんには待ってもらいます(笑)」

■自身でも「こういう可能性もあるんだ」と感じられた1曲とは?

――Linked Horizonによる、キャラクターをテーマにした楽曲は、いわゆる"キャラソン"ともまた異なる印象ですよね。キャラクターの自己紹介ソングというより、「進撃の巨人」という物語をそのキャラの視点から描いているというか。

「まず物語があって、歌はそこから派生しているものという位置づけですね。なので、キャラクターに焦点を当ててはいるけれど、根本的にはそのキャラクターの歌ではないのかもしれません」

――今まで「進撃の巨人」で制作した楽曲の中で印象に残っているものは?

「ひとつの物語は、ストーリーライン以外にも多くのビジュアル要素、服とか家具の質感がどうとか、いろんな要素から構築されています。音楽の方向から物語のディテールをふくらませるという意味で、やれてよかったと感じるのは、ウォール教の賛美歌風である『神の御業』ですね。原作で出てこないのを幸いに好き勝手に作りましたが、もしかしたらウォール教にはこういう賛美歌があったかもしれない。この物語にはこういう可能性もあるんだ、面白いなと自分でも感じられた曲です」

――音楽プロジェクト・Sound Horizonとしても"物語音楽"を制作しているRevoさんですが、他作品とコラボして楽曲を作るLinked Horizonならではの面白さや難しさとは何でしょうか?

「自分以外の人と関わることで刺激を受ける面白さはあります。難しさで言うと、やはり原作という絶対に変えてはいけない聖域が存在するところですね。たとえばSound Horizonであれば、『ここで盛り上げたいから、このキャラクターを死なせよう』というように音楽側の都合から物語に手を加えることは可能なんですよ。でもLinked Horizonでは、もちろんそれはできない。まぁ僕は音楽のために物語を変えることはSound Horizonでも本当はやりたくないんですが、やれるけどやらないのと、絶対やれないのはやっぱり違います」

――Sound Horizonにおいても、あくまで物語ありきなんですね。

「作曲家を甘やかしすぎてはいけません。物語を自由に変えていいのならば、作曲家が音楽を作りやすくはなりますが、たぶん物語としては非常に安易なものになってしまう危険性がある。まず、たとえ難解であるとしても興味深い物語があった上で、それを曲にどう落とし込むかを誠実に考えた方が、きっと良い作品になるし、作曲家としてもスキルアップにつながると思うんです」

――活動の上で大切にしている考え方、座右の銘のようなものはありますか?

「Sound Horizonの5th Story『Roman』というアルバムのキャッチコピーのようになっていた『其処(そこ)に物語(ロマン)は在るのだろうか?』という言葉ですね。物語と書いてロマンなんですが、さらに言えば、僕にとっては物語イコール音楽。『其処(そこ)に音楽になりうる物語は在るのか?』ということなんです。たとえば『進撃の巨人』であっても、キャラクターはもちろん、非生物という切り口でも物語を描くことができるかもしれない。岩の視点から『私は岩。ずっと昔からここにいるが、あるとき突然大きな人間が現れた』みたいな(笑)。そこにどんな"音楽を生み出すような物語"、ロマンを見つけることができるか、人に届けることができるかということを心がけていますし、この先ずっとそういう活動をしていくんだと思います」

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◆Linked Horizon
作詞・作曲・編曲の全てを手がけるサウンドクリエイターのRevoが、自ら作り出したオリジナルストーリーを表現するSound Horizonと異なり、他作品とのコラボレーションで音楽活動をするときのプロジェクト名。2012年6月にプロジェクトを発足し、2013年からテレビ「進撃の巨人」に携わる。第1期オープニング曲「紅蓮の弓矢」で、2013年末のNHK紅白歌合戦にも出場した。6月19日に4枚目シングル「真実への進撃」をリリース。
座右の銘は、「其処(そこ)に物語(ロマン)は在るのだろうか?」。

(取材・文/原田イチボ@HEW

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