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最新科学で難事件を次々に解決する"爽快サイエンスミステリー"「インハンド」。
科学をベースにしながらも、あえてあり得ない話などへ飛躍させることで、物語としての魅力を増している。さらに右手が義手の寄生虫専門学者・紐倉(山下智久)が、興味を持った案件になると法や倫理を無視した行動を平気で取る"規格外"の言動が視聴者を魅了している。

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Japanese actress Nanao smiles as she is announced to the campaign girl for Triumph International Japan's premium brand "Essence by Triumph" in Tokyo on, February 24, 2016. (写真:つのだよしお/アフロ)


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■一話完結から連続ドラマへ

同ドラマは基本的に、毎回かならず起承転結がある"1話完結型"で進んできた。ところが9話以降、"連続ドラマ"の様相を呈し始めている。
大感染パニック、いわゆるアウトブレイクが始まったので、複数話を使ってダイナミックに描くという方針だろう。

この結果、明らかに視聴者の見方が変わってきた。
69分の拡大版だった初回を除くと、2~8話の見られ方は多少の上下があるものの、大きな変化はなかった。
ところがアウトブレイクが始まった9~10話で、明らかに反応を示す層が出ている。

例えば男女C層(4~12歳)は、8話から10話で個人視聴率が上昇を続け、約2倍に増えた。他に男の1層(20~34歳)と3層(50歳以上)も明らかに上昇を始めている(以上は、スイッチ・メディア・ラボのSMARTによるデータ)。
科学がベースだが、物語が気宇壮大に飛行することで、子供や男たちの血をたぎらせているようだ。

■究極の危機 アウトブレイク

アウトブレイクとは、あるエリアで大量の死者を出す感染症の大流行をさす。
これまでも「インハンド」では、"あり得ない""突拍子もない"事態が散見されたが、今回は高家(濱田岳)の地元・相羽村で、米軍が生物兵器として開発した新型エボラウイルスが大流行を始める。けた違いの規模で、"トンデモ話"が展開されるのである。

1995年に米国ハリウッドは、その名も『アウトブレイク』という映画を公開した。
アメリカ陸軍が開発した細菌兵器。LEVEL4(最高警戒度)の研究チーム。少人数の専門家チームが国家や大組織を相手に奮闘する。こうした要素でできているが、「インハンド」9話から最終回の3話は、まさに映画『アウトブレイク』の日本版というべきスケールの大きさだ。

ウイルスには、インフルエンザのように飛沫(ひまつ)で他人にうつる感染力の強いタイプがある。ただしインフルエンザは高い確率で人を殺すことはない。
一方エボラは、高い確率で死に至る劇症型だ。ただし体液に触れるなどしないとうつらない。つまり感染力は弱い。

ところが映画も今回のドラマも、米軍がインフルエンザのような強い感染力と、エボラのような強力な殺傷力を兼ね備えた新型ウイルスを開発させた。まさに究極の感染源だ。
しかも米軍や日本政府など、軍事力や権力を持つ強大な組織とも戦わねばならない。"今そこにある危機"としてはこれ以上のピンチはない状況だ。

子供や男たちが反応するのも、むべなるかなという絶妙な設定だ。

■知恵と信念が「インハンド」に至る!?

物語の主人公・紐倉(山下智久)は、自他ともに認める天才だ。傲慢(ごうまん)な一面もあるが、天才と自ら言うだけの説得力のある言動をしてきた。

そもそも初回、アンドロイドのような紐倉の口から「人間は感情の奴隷」という言葉が飛び出した。感情を全否定するのではなく、うまくバランスをとることの重要性を言っていた。

自らの非力を嘆く高家(濱田岳)の「内部告発しても何も変得られなかった」「結局、医者も無力」というボヤキに対しては、高潔な志を示した。
「確かに僕らは無力だ。今打つ手がなく、目の前で死んでいく患者に対しては」
「だけど、未来に対してはどうだ(中略)。もっと遠くを見て、百年後か二百年後か、誰も無力じゃない」
今を生きる意味を考えさせる、素晴らしい言葉だった。

迷信や妄言にとらわれ、社会の中で差別が生まれる状況に対しても、毅然(きぜん)とした態度で対峙(たいじ)した。
孤島に伝わる遺伝にまつわる言い伝えに対しては、「人間を決定するのは遺伝子なのか環境なのかではなく、遺伝子と環境だ」と一言で斬り捨てた。先入観が犠牲者を出すような愚から、人間は解放されなければならないというメッセージだった。

さてこれ以上ないピンチに紐倉(山下智久)は立たされた。
最終回にかけて、高家(濱田岳)と牧野(菜々緒)およびSM対策室のメンバーが協力して解決に向かうのだろう。「Hand in Hand」が重要なカギを握る。

そしてアウトブレイクからエピデミック(世界的な大流行)に拡大することを防げるか否か。新型エボラをインハンド(掌握・制御)できるか否か。
天才・紐倉のどんな知恵が飛び出すのか。仲間のどんなアシストが見られるのか。子供や男たちの血沸き肉躍るような展開を期待したい。

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文・鈴木祐司 次世代メディア研究所

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