松坂桃李×山本美月「パーフェクトワールド」最終回が若年と高齢の女子に刺さった訳

2019/7/ 1 14:55

春クールGP帯(夜7~11時)の民放ドラマは全て最終回を迎えた。
物語の最後がどう見られたかを分析すると、どの部分がどんな人に刺さったのかが見えてくる。松坂桃李主演の「パーフェクトワールド」の場合、若年女子と高齢女性が最終回に注目していた。
純愛物語がこうした層に受ける現実を、改めて見せつけたデータと言えよう。

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『パーフェクトワールド』最終回の盛上り


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■際立つ終盤の盛上り

ビデオリサーチによる世帯視聴率では、松坂桃李主演「パーフェクトワールド」の平均は6.4%。GP帯民放ドラマ全14本の中では、ワースト3に入ってしまった。

ただしスイッチ・メディア・ラボが調べる個人視聴率でみると、C層(4~12歳)・T層(13~19歳)・1層(20~34歳)の若年層では、男女ともおおむね2%前後以上となっており、他のドラマと比べても遜色はない。
逆に2層(35歳~49歳)・3-層(50~64歳)で数字が伸びず、中高年にはあまり見られなかった物語だった。

また初回から最終回を時系列でみると、ストーリー展開で誰がどう反応していたのかが浮き彫りになる。
そもそも「パーフェクトワールド」のラスト3回は、世帯視聴率でも6.1→6.6→7.1%と平均の6.4%を超えて上昇した。実はその原動力は、FC・FT・F+の若年と高齢の女子だった。

クール平均を100とした場合の、最終回の視聴率を指数化してみよう。
世帯視聴率は111と、最終回がクール平均より1割強高くなった。男女年層別でみると、基本的に男は上昇するどころか、最終回を見なくなった層が多い。
ところが女は、C層が148と約1.5倍に急伸した。T層も2割増。そして3+層も3割増えていた。

■視聴者の声

最終回でのネット上のつぶやきを見ると、女若年層と高齢層が反応した理由が垣間見られる。

「最終回見ながらずっと泣きっぱなしだった~」
「チャペルでの樹のセリフ、力を貸してください、助けてくださいは涙腺崩壊~」
「ベタベタのラブストーリーだったけど、久しぶりにすごーく素直な気持ちで観れてよかった!」

今はGP帯ドラマで減ってしまった純愛物語だったが、素直にラブストーリーに反応できる人々がいるということ。世の中の現実をまだあまり体験していないC層とT層には、そうした感性があるということだろう。

「ドラマの中で障がいについて考えさせられること、たくさんあって、そういう意味でも素敵なドラマだった!」
「障害者について深く考えさせられたな!医療関係の仕事に就くから、勉強になった!」
「誰もが何か足りない部分があって、みんなでそれを認め、受け入れ、助け合うことで1つになる素敵な世界、パーフェクトワールドの意味が、込められた思いがこのドラマを通して伝わってきた」

ドラマでは序盤から、障がい者と共に暮らす家族の思い、知らないがゆえに無意識に傷つけてしまう健常者の言葉、現実を受け入れざるを得ない障がい者の本当の気持ちなどが、繊細に描かれてきた。
こうした物語を「暗い!」と敬遠した人もいただろう。しかし知らない世界を垣間見て、心動かされた人々も確実に存在した。

「お母さん同士の話の場面に感涙。結婚式の場面の『それでもダメなときは、どうか助けてください!!』に感動。 それに対する両家のお父さんお母さんたちの姿に.........感涙×2」
「麻生祐未さん×堀内敬子さんの2人でのお芝居という組み合わせとお二人のお芝居が素晴らしすぎてとてもすてきだった、あのお母さん同士の会話をもっと見てみたかったです...!」

ドラマは障害を持つ親の気持ちも丁寧に描かれていた。そこに反応したのがF3+など、65歳以上の女性に多かったようだ。
市の福祉課に勤めながらも、つぐみ(山本美月)を大切に育ててきた父・川奈元久(松重豊)、娘には健常者との幸せを願ってしまった。こうしたやるせない現実をかみしめたのは、高齢女性だったようだ。

「いつかこのドラマが ありふれたラブストーリーになりますように 最後の番組のテロップもよかった」

純愛物語だが、障害を前提にしたがゆえに、多くの登場人物が心の壁と向き合ったドラマ。暖かくて優しい志が、雄弁ではないがじんわり伝わる佳作だったと言えよう。

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文・鈴木祐司 次世代メディア研究所