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出産後、久々にドラマ復帰した杏が主役の『偽装不倫』。
東村アキコの漫画が原作で、婚活にことごとく失敗し、真面目で正直な"おひとり様"の濱鐘子が、勢いでついたうそから本気の恋が始まる物語だ。

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杏/Tokyo international film festival Opening Ceremony in Tokyo, Japan on October 23, 2010.(写真:Keizo Mori/アフロ)


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■出産組の女優二人

東村アキコといえば、"アラサー""婚活"など、悩める大人のオトメたちをターゲットに、『東京タラレバ娘』などのヒット作があり、都会に生きるアラサー女子の"あるある"ライフを軽快に描いた作品が特徴だ。

今作品は、『偽装不倫』という衝撃的なタイトルでインパクトを与えている。
ただし渦中の人を演ずる杏は、プライベートでは双子を出産した後に第三子を出産し、3児の母となった。旦那様は東出昌大で、不倫やグレーゾーンが全くなさそうな女優である。
そんな杏が、主人公のアラサー婚活女子というプライベートとは真逆の役をどう演じるかが一つの売りとなっている。
正直で不器用な鐘子が、婚活を諦め"おひとり様傷心旅行"で出会った、年下のオトコ・伴野丈(宮沢氷魚)に一目惚(ぼ)れし、恋に落ちる。

鐘子の姉・葉子役は、仲間由紀恵。彼女も去年、双子を出産し復帰後の初ドラマとなる。
聡明で仕事バリバリのキャリアウーマン役。イケメンで優しい完璧な夫・賢治(谷原章介)と、自分の両親と新築の二世帯住宅で暮らしている。ところが、鐘子が欲しいと思っているもの全てを手に入れたはずの葉子が、年下のカワイイ系イケメンと不倫をしているのだった。

■きっかけは"ビビビッ!"

どちらもタイプの違った、美人姉妹が、同時期に年下のイケメン相手に、恋に落ちるという、なかなかありえない設定だが、漫画原作ならではの非現実感がオモシロイ。
しかも、『偽装不倫』という名の通り、結婚していることを隠して付き合う、いわゆる"スタンダードな不倫"の葉子に対し、鐘子は不意についてしまったうそから始まり、結婚していることにして付き合う、"虚偽不倫"とでもいうのか、こういうストーリー設定もあるものかと新鮮味を覚える。

旅先の恋というと、軽いイメージでチャラい感じもするが、人は恋に落ちるときは、シチュエーションではないのだ。
かつて松田聖子が「ビビビッときました」と言って、電撃結婚したことがあった。
最近では"ビビビ婚"とは言わなくても出会ったその時から、何か通じ合うものがあると感じることもある。
男女が恋愛関係に落ちるとは、そういうことなのだろう。

条件や希望を申し合わせて、ピッタリな注文品が出てきたものを買う。
お見合いや婚活も長い目で見れば良いのかもしれないが、ふらっと散歩に出たら、立ち寄ったお店で一点もののアンティーク家具に出会ってしまうような、一目惚(ぼ)れからの大恋愛もアリだろう。

■演技演出の妙

ドラマの演技に目を向けると、鐘子を演じる杏の美しさが際立ちすぎて、婚活に失敗中の負け組に見えないところが皮肉ではある。
すらりと伸びた長い手足に、涼しげな小さな美顔。メイクにしてもファッションにしても、決して負け組な感じがない。ただし生真面目で誠実だが、どこかズッコケた感じの役柄を演じるには、杏が適役だったのだろう。

丈を演じる宮沢氷魚は駆け出しの若手俳優だが、『コウノドリ』での若々しい演技で注目を集めた。
今ひとつセリフにぎこちなさがあり、帰国子女の無国籍な雰囲気を意図的に演じているのか、漫画の世界観を壊さないようにしているのかは不明だが、目ヂカラの強さが印象的。
今後どんな演技を見せてくれるのか期待が高まる。

そしてドラマに欠かせないスパイスとなっているのが、葉子の不倫だ。
仲間由紀恵の抜群の演技力と、葉子という優等生の意外なハメ外しが、「バレないのか?」「夫婦間はどうなる!?」とハラハラさせるのだ。

音楽は、『東京タラレバ娘』に続き、菅野祐悟氏が手がけている。
都会的で軽快なサウンドといえばこの人と言っても過言ではない。原作のイメージを壊さず、演技やシチュエーションを邪魔しない、見心地の良い演出が特徴的だ。

一家に起きる二つの恋は、一体どうなるのだろう。
今後の展開に目が離せない。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修:次世代メディア研究所

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