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期待の金曜ドラマ『凪のお暇』が、7月クールの中では遅めのスタートを切った。
主演は、映画やドラマでメキメキと実力を発揮中の黒木華。共演者は、高橋一生・中村倫也・三田佳子・吉田羊・片平なぎさ・市川実日子・武田真治ら。大女優から超演技派や独特の味の俳優まで、豪華キャストのそろい踏みだ。

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Haru Kuroki takes part in the Setsubun festival at Naritasan Shinshoji Temple on February 3, 2018(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)


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■アラサー女子必見!

ふわりとした印象の黒木華とそれぞれ向き合い、さまざまなシチュエーションで、鮮やかな彩りの花々が咲き誇るだろう。まるで個性豊かな夏の花々や木々が、ひまわりのような黒木華と季節をわけあっているかのような配置だ。

原作は、コナリミサトによる同名漫画『凪のお暇』。
月刊誌「Elegance イブ」に連載中で、第一巻が発売されたところ、口コミで話題となり大ヒットとなった。その後、勢いはおさまることなく、累計で250万部を突破する異例の金星を挙げ、数々の賞を受賞している。

このところ、アラサー女子が主人公の漫画がヒットし、ドラマ化につながることが多いようだ。
これは"30歳"という女子にとっては大きな節目となる時期に、結婚、出産、仕事などライフスタイルについて向き合わざるを得ないアラサー女子には、作品のテーマとして持ってこいなのだろう。同じような課題に思い悩みながらも、相談できる相手があまりいない女子が読者となり、需要と供給のバランスが見事に成立したパターンだろう。

■人はみな問題アリ!?

さらにこの作品の魅力は、女子向けのテーマだけにとどまらない。登場人物のそれぞれのキャラに目を向けてみると、みんなどこか問題アリな人物の集まりなのだ。
主人公の大島凪(黒木華)は、気が弱すぎて自分の言いたいことをロクに言えずに、同僚からも恋人からも便利に使われてしまっていた。ところが一大決心の上、いらない自分をすべて脱ぎ捨てる。

凪の恋人の我聞慎二(高橋一生)は、典型的なモラ男だ。
本当に大事に思っている恋人を自分の支配下に置くために、コントロールしモラ男を炸裂(さくれつ)させるが、逃げてしまった凪を追ってはみたもののフラれてしまい、号泣するという体たらく。
まだ彼には、微かに人間的な要素が残っている。

凪の隣の住人・安良城ゴン(中村倫也)は、どう見ても社会からはみ出た自由人ヒッピー。
社会性はないが、それでも心が広くて優しい。ただ凪には唐突すぎるゴンの行動は、全く空気を読まないという意味で凪と真逆だ。

凪の上階の隣人・吉永緑(三田佳子)は、自販機の小銭拾いをしたり、パン屋でパンの耳をもらったり。一般的な社会常識から外れてはいるが、心はとっても豊かで、映画をこよなく愛する、人間愛を持ったおばあさんなのだ。

■ドラマの魅力は奥の深さ

第一話に登場した主な登場人物だけでも、キャラの立ったかなり色濃いキャスティングだ。
ところがそこで驚く暇もないほど、第二話では吉田羊が加わるし、慎二の行きつけのスナックのママが武田真治とあって、ドラマの人間模様は大変なことになって行く。
どう描き、どんな収集を付けるのか、楽しみで仕方がない。

日本人の文化の中には、"空気を読む"という言葉がある。
これは、「場の空気を読む」という古くからの言葉で、"暗黙の了解""阿吽(あうん)の呼吸""以心伝心"などと言い換えられる。本来は相手を尊重するための配慮であり、気配り上手な日本人、あるいは言語学的に直接表現を好まない日本語文化の中で、根付いた習慣と言えるだろう。

しかしあくまで配慮であって、自分を押し殺してまで相手に譲歩する必要はない。
"KY"や"忖度(そんたく)"などの言葉が日常的に飛び交う社会に暮らす私たちだが、正直もううんざりしている人は多いのではないか。誰が心をすり減らしてまで、他人の奴隷になりたいだろうか。

凪の心の揺れ、慎二の弱さ、ゴンの自由さと非社会性、孤独な老人の暮らし。
心の機微が繊細に描かれたこのドラマは、アラサー女子だけでなく、ストレス社会に生きる全ての人へのメッセージが込められている。

音楽は、パスカルズが手がけている。これがまた面白い。
おもちゃの楽器、ピアニカやバイオリンなど、ボヘミアン的サウンドを生みやすいスタイルが特徴だ。どこか懐かしい東洋的なメロディは、心にすっと入ってくる。
黒木華のふんわりとしたごく自然な中にも、りんとした芯のある演技力に、舞い降りるかのごとく、シーンを絶妙に演出している。

いったんリセットを決断した凪が、今後どうやって自分と折り合いをつけ、新たな人生を切り開いていくか、最後まで見守っていきたい。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修:次世代メディア研究所

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