磯村勇斗も素っ裸でラリる!?~攻めるテレ東『サ道』の新境地~

2019/8/ 6 11:17

サウナ通向けという狭いターゲットに照準を絞ったテレビ東京の深夜ドラマ『サ道』。
初回から"ととのう"がキーワードとなっていたが、次回の第4話でついに"ととのう"の境地に到達するようだ。

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サウナ好きによる、サウナ好きのためのドラマ『サ道』


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「ととのう?」と疑問を感じたデビューサウナーも、"ととのう"を極めたベテランサウナーも、気持ちよくなれる、サウナ好きによる、サウナ好きのための一風変わったドラマだ。

■ドラマかノンフィクションか?

自身もサウナ好きと公言する原田泰造が主人公・ナカタアツロウ役を演じている。
主に3人のサウナーでストーリーは展開するが、原田の他は「偶然、偶然!」が口癖の中年サラリーマンの"偶然さん"(三宅弘城)と、コンサル会社経営のイケメン実業家サウナーに磯村勇斗が加わる。そして謎の伝説的サウナー・蒸しZは宅麻伸が演じている。

ただしドラマで演じるといっても、もともとサウナーの3人がサウナに入り、演技とは思えないごく普通の会話をするだけだ。つまり"ハダカのつきあい"をしているだけのシーンの連続に見える。
実はそんな自然なセリフさばきが、このドラマの見心地の良さを醸し出している。さらに実在の銭湯やサウナを実体験しながら、それぞれのサウナの特徴やこだわりをこと細かく紹介し、どこか『孤独のグルメ』を思わせる、フィクションとノンフィクションの混在が興味深い。

■漫画とドラマの違い

原作は、日本サウナ・スパ協会からサウナ大使に任命されたプロサウナー・タナカカツキ著作の漫画『サ道』だ。
漫画原作がドラマ化されるのは、すでに日常茶飯事ではある。ただしサウナで得られる恍惚とある種のエクスタシーに近い感覚は、漫画という2Dの世界よりも、ドラマ仕立ての今作の方がよく伝わる気がする。
音楽の空間的作用の効果と、役者の演技から香り立つ雰囲気や"間"が圧倒的な面白さを滲(にじ)ませているからだ。

大人の世界といえば、ホテルのバー・クラブ・パチンコ店・雀荘(じゃんそう)・会員制レストランなど、学生や若者には手の届きにくい場所がある。でも、それ以外にも大人の隠れ家は、思いの他ちょっとした場所に存在している。

お風呂好きの日本人にとってポピュラーな"スーパー銭湯"は、子供から大人まで誰でも行ける場所だが、銭湯の一番奥にあるサウナに足を踏み入れるのは、やっぱりツウの大人だけなのだ。
そこには、さまざまな出会いと物語が存在し、初めから最後まで「裸のつきあい」が基本だ。

ドラマの中でも紹介されるサウナの入り方、サウナ室→水風呂→休憩のセットを3度繰り返すことによって得られる"多幸感"。現実と夢想の間を彷徨(さまよ)う、眠りに入りそうなセンシュアルな瞬間が"ととのう"というキーワードで紹介される。

■"ととのう"仕掛け

それを体現するのが原田泰造だ。
デトックスされ慣れているしっとりした肌質。ルーティーンを繰り返していくうちに官能的にリラックスしていく表情。こうした変化が、顔や体全体におもしろいように現れる。
とても演技だけとは思えない、こうした体の変化を見ていると、ドラマの最後に映し出される銭湯の名前をスマホでチェックしている視聴者も少なくないだろう。

そして忘れてはいけないのが、たったの30分で恍惚の世界へと導く音楽だ。幻想の小道を作り出し、多くの視聴者を誘っている。
担当はとくさしけんご。国内外で活躍する作曲家で、現代音楽・アニメ・建築やアートに関わる音楽を提供し、その才能を発信し続けている。

そしてエンデングで流れるCornelius の『サウナ好きすぎ』がたまらなく良い。
作曲は小山田圭吾。空気に触れながら浮遊する湯気のような世界観に、原作者のタナカカツキが詩を書いている。シンプルな詩をふわふわと泳がせるようなメロディが、このドラマをトータルで大絶賛せざるを得ない雰囲気に持ち込んでいる。

全身の血行がよくなり、脳に大量の酸素が運ばれ快感ホルモンを分泌され、結果としてディープリラックス状態になる"ととのう"。
主人公が蒸しZ(宅麻伸)に出会い、初めてととのったというが、ナカタ・偶然さん・イケメン実業家はその境地にどう至るのか、次の第4話が待ち遠しい。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修:次世代メディア研究所