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遅めのスタートとなったテレ朝の金曜ナイトドラマ『セミオトコ』。優しくてはかなく切ないラブストーリーが展開している。

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山田涼介主演ドラマ『セミオトコ』ヒロインの木南晴夏


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■ユニークな主役とヒロイン

『セミオトコ』の主演は、Hey! say! JUMPの山田涼介。
2006年に『探偵学園Q』(日本テレビ)でドラマ初出演。役者デビューの2年後には、『先生はエライっ!』(日テレ)で早くも主演を演じている。その才能は勢いよく花開き、同じ年のドラマ・オブ・ザ・イヤーで最優秀新人男優賞を受賞している。

その後も『左目探偵EYE』(10年冬)・『金田一少年の事件簿N(neo)』(14年夏)・『カインとアベル』(16年秋)など、数々の日テレドラマで主役を演じ、去年冬の『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』では、波瑠と小澤征悦との共演で新たな化学反応を見せていた。

今回の『セミオトコ』では、人間に化けたセミの王子様というユニークなキャラクターに挑戦している。顔の各パーツはそれぞれ、特注で作ったように完璧に整った美しい顔立ちをしている。さらにドアップにも余裕で耐えられる、潤ったツヤのあるキメの細かい肌と屈託のない笑顔。ファンにはうれしいサービスカットの連続であり、おいしい演出だ。

ヒロイン役には木南晴夏が抜擢(ばってき)された。
04年の『桜咲くまで』で女優デビューし、その後の15年で100本近いドラマに出演しているが、GP帯ドラマで主役を演じたことはない。
それが今回は、夜11時台ではあるものの、ヒロインへの抜擢(ばってき)である。分厚いキャリアから、味のある演技で魅せている。

■貴重なオリジナル

今クールのGP帯(夜7~11時)ドラマはすべて漫画や小説を原作としており、オリジナル作品は一つもない。その中にあり『セミオトコ』は、完全オリジナルの書き下ろしという貴重な存在だ。
脚本を手がけるのは岡田恵和。
連続テレビ小説『ちゅらさん』(01年)・『おひさま』(11年)・『ひよっこ』(17年)を初め、『若者のすべて』(94年、フジ)・『ビーチボーイズ』(97年、フジ)・『最後から二番目の恋』(12年、フジ)など、岡田恵和の手からは記憶に残る名作がたくさん生み出されている。

去年夏クールで放送された『この世界の片隅に』(TBS)では、美しい日本語を駆使した表現と心にグッとくるフレーズがストーリーや風景に溶け込み、改めて脚本家のすごさを実感させられたのを思い出す。

今回は書く前から「セミオは山田涼介に!」と考えていたそうで、山田涼介のために書いていると言っても過言ではないだろう。
共演者は、山崎静代こと"シズちゃん"、やついいちろう、北村有起哉など個性派俳優がたくさんの色を添える。アパートの大家役では、プライベートでも仲良しな阿川佐和子と檀ふみが、姉妹役として参加し、唯一無二の雰囲気でドラマを盛り上げる。

■寡黙だが雄弁なメッセージ

ストーリーはセミオトコとさえないアラサー女子の恋物語だが、この"さえないアラサー女子"というのが、とてつもなくさえなくて痛い。
子供の頃から、愛情不足で育てられた境遇がそうさせるのか、極端に自己肯定感が欠乏していて、人とのコミュニケーションや社会への適応性の低さなど、大川由香(木南晴夏)を通して現実の社会問題がいくつも垣間見えてくる。

過度な愛情による"教育虐待"は、ネグレストの正反対のようだが、結果として子供を不幸にする結末は同じだ。人間を育てることの重さと大切さを、由香の子供の頃の回想シーンに乗せて、寡黙だが雄弁にメッセージしているように感じる。

由香の筋金入りのヤンキー兄役に、V 6の三宅健が驚きのキャスティング。ジャニーズファンを視聴者として集めようという狙いが、なかなかニクい。

音楽はアゲハスプリングスが手がける。出演者の心の揺れや動き、セミの鳴き声、風景にあった丁寧な音付けが、クオリティの高さを感じさせる。

たった7日間の、由香とセミオとの恋は、どんな結末を迎えるのだろうか。
いずれにしても「うつせみ荘」で展開される夢のような暮らしを通じ、"自己評価の低い"由香がどう成長するかが楽しみだ。
そして視聴者にとっては、優しいセミオな山田涼介に癒やされる金曜の夜は、メイプルシロップのような甘い時間となるだろう。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修:次世代メディア研究所

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